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Febri Vol.14 10日発売
●渋キャラオヤジ列伝 第七回
誌面がリニューアルされても、この連載はつづくんですね。今後もやるみたいです。
『エウレカセブンAO』のクリストフ・ブランを取り上げて、語っています。
連載以外では、『エウレカAO』の前半ストーリーまとめを書きました。「必殺武器を撃つと、世界が変わってしまう」という設定は、すごくSF的で好きでした。
最近、平行世界モノが多くなったような気がするのですが、これは「キャラの同一性さえ保っていれば、どんな物語にも乗り換え可能」という、アニメ(というよりキャラ絵)の本質に根ざしている気がします。
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「塗装は時間をかけて、手をかけただけ深みが出るんですよ。人生の貴重な時間を割いてこんなことやるんだから、そりゃいいものができるわけよ。(略) 何度も塗料瓶を倒すようになったら、今日の体力は終了だからもう寝なさい。」
……『横山宏Ma.K.モデリングブック』より。模型趣味のことというより、仕事の作法みたいでしょ。あらゆる仕事、「人生の貴重な時間を割いて」って思いながらやれば、丁寧になるでしょう。 「急げ、急げ」では、深みのある仕事はできません。時間に対して、謙虚にならないと。
そして、「眠いけど、今晩中に終わらせなきゃ」と無理をすれば、結局はミスが頻発するだけです。無理せず寝て、翌朝、クリーンな頭で再開すれば、見ちがえるほど綺麗な仕事になります。
「もう大変です、忙しいっす、時間ないっす」とアタフタするのを「カッコいい仕事」と信じている人が、いまだ大半なのは憂慮すべき事態です。
ピシッとスマートに終わらせて、「一日、ヒマになったぞ。本屋に行って、映画でも見るか!」と出かける気持ちよさを知っている人は、もう地獄の進軍に戻りたくはないでしょ。文化的に生きてない人間に、文化的な仕事ができるわけがない。
「スケジュールに余裕をください」と言うと、「甘えるな」と思われるかも知れないけど、僕は言いつづけます。
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16日、選挙ですね。東京の人は、衆院選だけでなく、都知事選もありますね。
去年4月、老害・石原慎太郎が都知事に当選した日、僕は「もう選挙なんかやっても無駄」と書いたと思う。その後、デモや抗議活動に参加して「この議員は落とそう」という人がいても、そもそも選挙で趨勢を変える発想そのものが古いぜ、と断じてきた。だから、こうして街頭で叫んでるんじゃないの?って。
だけど、選挙権を手放そうとは思わない。死にぞこないのジジイたちの好きなようには、させたくない。今の社会は、ジジイたちをより長く生存させるのに都合よく出来ているけど、若者に有利な社会を残そう。
だって、若い人は選挙に行かないだろう。日曜日は、デートや交友に使って、人生の豊かさを満喫してほしい。ある程度の歳にならないと、「社会に還元する」実感はわかないだろうしね。
社会に生かしてもらっているから、社会をより良くしなけりゃいけないんだぜ。
「俺は猪瀬直樹に入れる」とかいうのは、知的でクールに決めたい自分のためであってさ。「何も変わらんぜ」とニヒリストぶるのは、非力な自分に酔っているからだろう? 特に、変化に適応できない中年男は、ニヒルになりがちだ。
俺は弁護士なんて大嫌いだけど、宇都宮けんじさんに入れるぜ。俺だけの票じゃないからな。
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