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2012年12月 2日 (日)

■1202■

アニメージュNEXT 2013 WINTER 4日発売
Cover_1
●『てーきゅう』素材全部載せ
板垣伸監督インタビューのほか、第4話のレイアウト・動画・撮影指示などを全カット分、10ページにわたってカラーで掲載しました。

『てーきゅう』は、この本の企画段階で編集者に教えてもらって、テレビで見てビックリした。一言でいうと、カッコイイんです。たった二分間でも、監督が動画からカメラワークまで律儀にコントロールして、十分すぎる密度を持たせて、パンチラとか、サービスカットも入れている。
枚数を使えば、アニメのクオリティが上がるほど、甘くはない。『てーきゅう』見る人は、カメラの動きを見てほしい。完全な一枚絵でも、すごい勢いでトラックバックさせて、こちらの視点を誘導することで、「動き」を生じさせている。横PANし終わった瞬間に、ギャグのオチが来るとか、ひとつひとつ論理的なんです。そういうカットは、カメラワークの指定をコマ単位でやるんだけど、そこまで監督がやっているからね。

もっと言うと、付けPANの目盛りとか、そこまで指定してこそ作画なんじゃない? 俺には、そう思えてきたよ。描き送りで、たっぷりの動画枚数で、好きなように動かすのが優れた、恵まれた作画なの? 一枚絵をカメラで回転させるのは作画ではないのか? 『てーきゅう』は、そこまで問いかけてくるよ。

この本に掲載した第4話でも、オプチカルでやったら失敗必至の、めんどくさい撮影やってるからね。じっくり読んでいただきたいですね。


ジャパニーズ・オタク・カルチャーの作品発表の場であり、ツイッターのように交流もできるサイト「WONDER !」に登録しました。→
といっても、作品鑑賞のためであって、私のプラモデルをアップしたりはしないと思います。

Facebookの「いいね」ボタンに相当する「LIKE IT !」を押すと、自分のページに気に入った作品をコレクションできます。プラモや完成品フィギュアだけでなく、イラストやコスプレしている人の写真もあります。GIFアニメもある。作っている人でなくとも、「こんなの集めてます」的に、コレクションを紹介している人もいます。
ただ、まだまだ登録している人が少ないですね。外国人が多いのは、面白いけどな。

トップページには、まったく自分の好みから外れたコスプレ写真も流れてくるけど、ようは、僕はアレもコレもひっくるめて、この文化が好き。
より正確に言うと、オタク・カルチャーを構成している、無名の人たちが好き。


先日、市販のリベットを貼ったガンヘッドの頭部をデジカメで撮ったら、キットの凹モールドからズレまくっていて、ショックを受けた。かなりの老眼ですな。
Ca9dkcug百均でルーペを買ってきて、ガンヘッドの横に置くフィギュアを、ちょっとイジっては確認、と(この程度なら、仕事の合間にやれるので)。

この兵士たちは、アメリカ現用歩兵ではあるけど、頭部は戦車兵のものに交換。さらにマテリアルパーツで巨大な「目」を貼り、バイオドロイドっぽくしています。反乱を起こす前のバイオドロイドは、兵士としても使われていたハズ……これを横に並べたら、『ガンヘッド』の模型っぽくなるかな。

しかし、「丸一週間、取材も原稿も休んで、プラモデルだけ作っていたい!」という危険な欲望が、趣味というものには巣食っていると思う。
家で仕事しているということは、オフィスにプラモデルが常備してあるようなもんですから。
少なくとも、「吉祥寺のヨドバシに塗料を買いに行きたいから、今日中に仕事を一段落させるぞ!」とか、そういうことは考えるようになってしまった。


「忙しい」って、「懐かしい」と同じぐらい、嫌いな言葉で。僕、昔の作品を「懐かしい」なんて言わないし、自分の仕事の状態を「忙しい」とも言いたくない。
でも、先週は、駅の周囲で買い物したら、即座に家に戻ってメシを炊いて、夕方でも明け方でも、目が覚めたら、とりあえず何かしら原稿を書く生活だった。
付き合いの長い編集者が相手だから、そんな無茶なスケジュールも飲み込んだわけであって。

明日、何をやるのか(一日中、遊びに行くことも含めて)決められないかぎり、「仕事が自分の手の中にある」とは言えないです。
仕事は、スケジューリングが8割。その8割が自由にならないようなら、豊かな仕事なんて出来るわけがない。

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コメント

私もフリー(2DのCG及びDTP)ですが、年末進行というか
請け負い各社バタバタしていまして、今、DTP組版のある案件の進行(クライアント側)がズタズタで、
それが遅れても他の案件はそれに合わせてスケジュールを
調整できるわけでもなく、ほとほと困っている状態です。
私はどうも、そういうプレッシャーに弱く、早くもお腹を壊している状態(笑)ではありますが、
そうなってしまうのは、そのグズグズの仕事が遅れてどうにもならない、
というよりもその所為で、他のクライアントさんに迷惑がかかる、
最悪、やりますと請けておきながら断らなければならない事態も予測される、
というところから響いてまして、こういう状態が辛いのなら
いっそ組版関係の仕事(こっち系の仕事はどこも進行が酷い、投げてくる仕事が粗い)は辞めてしまい、
なにか定職に就きながら、好きなCGの仕事を残りの時間で請けるほうがいいのかも
と思ってしまう弱気な今日この頃です。
「忙しい」のが奮い立たせる部分もありますが、
仕事を支配しているか
仕事に支配されているか
では、やはりモチベーションが変わってしまいます。
むろん甘えかもしれません。

>仕事は、スケジューリングが8割。その8割が自由にならないようなら、豊かな仕事なんて出来るわけがない。

すごく共感します。
「もうお宅とは仕事しません」と言ってしまいたいところですが、
ここの売上も私には大きい(約月10万から15万)ので、
今のご時世を考えると、強気に出れない。
だんだん世知辛い世の中だなぁ、と実感する今日この頃です。
(ほぼ愚痴ですみません。。。)

投稿: solao | 2012年12月 3日 (月) 12時52分

■solao様
愚痴だなんて、どんでもないです。僕はもっと、フリーの方たちと、こういう話をしたいのです。

>それが遅れても他の案件はそれに合わせてスケジュールを
>調整できるわけでもなく、ほとほと困っている状態です。

当の遅れさせているクライアントは、こちらの事情まで考えてくれませんからね(そんな余裕があれば、そもそも、スケジュールを遅延させるわけがない・笑)。
僕だったら、売り上げが大きくても、他の仕事にダメージが及ぶよりはマシなので、切ってしまいますね。
「その分、どこかで取り返せばいい」と考えます。

>最悪、やりますと請けておきながら断らな
>ければならない事態も予測される

キャンセルしたら、こちらの信頼に響きますからね。
たいてい、どこも「なる早で」とか言ってくるので「絶対無理なので、少し伸ばしてほしい」「さもなければ、他のライターさんへ回した方が安全です」と交渉します。

>仕事を支配しているか
>仕事に支配されているか

いちばん大事なところですね。別に甘えではないですよ。
むしろ、いかにして仕事をコントロールするか……を考える人は、意外と少ない。振り回されて、ボロボロになって、「3日も寝てない」と自慢したがる人が、意外にも多いんですよ。

急いでも、眠たくても、ミスが続出します。依頼する側は、いい加減、気がついて欲しいです。

投稿: 廣田恵介 | 2012年12月 3日 (月) 13時17分

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