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2012年10月28日 (日)

■1028■

発売まで待てず、以前にもらった1/35 ガンヘッドの、T2試作を組むことにした。
Cafh0ef0モデグラ担当編集氏が組んだものを触らせてもらったが、「完成品で出せばいいのに!」というぐらい、変型はカチッと決まるし、無塗装でも重量感がある。
変型遊び用の素組みはT2で行い、製品版が届いたら、そっちは好き勝手に色を塗ることにしよう。


ゲーム会社にいた頃、学校を出たばかりの子がハマって、何度も見に行っていた『ムーラン・ルージュ』を借りてきた。この十年間、ずーっと「彼が、ああまでハマっていたからには、見なくちゃな」と思っていた。
Moulin20rouge20movie……で、果たして身を乗り出すぐらい、面白かったんです。『マクロス ザ・ミュージカルチャー』以来、ミュージカルに飢えていたし、19世紀パリの話なのに、マドンナやビートルズの曲を、流行歌のように歌うセンスが、カッコいい。粋ですね。

豪華な衣装と舞台、あと、CGも使った大仰なカメラ・ワーク。これらがすべて、成金というかキャバクラっぽいというか、決して上品と言えないところがいい。

基本的に、映画にはリアリズムであって欲しいと思う。着替えるのに30秒かかるとしたら、たとえ何カット使うとしても、30秒で収めてほしい。その30秒の中に、何をこめられるか?だと思う。
だけど、この映画はパッと衣装を脱ぐカットがあったら、次のカットでは、もう別の衣装を着ている。理屈なんかけとばして、どう美しく“魅せる”か。それだけを考えている。どう段取りをはぶいて、いかにして様式美におとしこむか?
その発想は、実写映画よりもアニメに通じている。主人公が落ち込んでいるときは、ザーッと画面いっぱいに雨が降っていて、背景はグレーとか。明るい気分のときは、画面がキラキラするとか、表現主義だよね。

『ムーラン・ルージュ』にハマっていたゲーム会社の彼は、宮崎アニメは熱心に見ていたけど、よく舞台に行っていたな。
野次馬根性でも、他人のハマっていたものを「どれどれ」と見てみるのは、意外に楽しい。自分の嗜好なんて、しょせんは他人の影響によって決まっていくものだしね。


石原慎太郎80歳が、都知事をやめてくれた。
これで、あの爺さんが暴言を発するたび、都庁に「あの意見は、東京都の総意なのですか?」と電話することもなくなるだろう。気持ちよく、都民税も支払えるだろう。
ほったらかしにされた問題は多いけど、とにかく80歳の死にぞこないが、子どもたちに原発や徴兵制を押しつける姿は、醜悪としかいいようがない……。

人間のオスは、歳をとると、ロクなことをしない。私の母を殺した犯人も、後期高齢者だ。

……ってなことを書くと、よく石黒昇監督から「老害にならないよう、気をつけます」というお茶目なメールが、来たものだった。
『アイアン・スカイ』の特番後、別件で、富野由悠季監督にインタビューする機会があった。監督は、あいかわらず勉強していたし、何よりも向上心がある。
「作家だから、当たり前」じゃなくて、歳をとっても現役でいたかったら、現役でいるための努力を怠ってはいけないということ。

(C)2001 TWENTIETH CENTURY FOX

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コメント

お久しぶりです、あいすぴっくです。

しかしまあ、あの爺さんはあんなごうつくばりなんですかね。「生」にとらわれているだけなのかはたしてそれだけではないのか。

老いて良い雰囲気になる人は自欲ではなく他欲に叶う仕事をし、序列欲ではなく求知欲に情熱を傾けた人間なのだろうなと、ふと思いました。ラカンの「人間の欲望は他者の欲望」ではないですが、そういう生き方をしたい・させたいものです。

投稿: あいすぴっく | 2012年10月29日 (月) 10時23分

■あいすぴっく様
ご無沙汰です。
あなたの立場や年齢を考えると、あんな老いぼれのことを考えている時間が、もったいないですよ。

投稿: 廣田恵介 | 2012年10月29日 (月) 16時46分

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