« ■0723■ | トップページ | ■0725■ »

2012年7月24日 (火)

■0724■

『おおかみこどもの雨と雪』、好調なスタートにつき、東宝は興収40億を狙っているとか。
Ookamikodomo01そして、いくつかネットの感想を読んだのだが、やはり「恋愛の予定なし、結婚の予定もなし……」な人たちには、評判がよくない。そういう人たちは、この映画の外に置かれているので、映画と関係を結ぶことが難しい。
それは、巡り合わせが悪かったのだ……程度のこととして、あきらめるしかない。「どうも、俺の見る映画じゃなかったらしいな」と思ったら、僕は、その日のうちに映画のタイトルすら忘れてしまう。

実体験の少ない人たちは、理屈と常識で作品をねじふせようとする。
深夜アニメは、実体験の少ない人に向けてつくらているけど、『おおかみこどもの雨と雪』はそうではない。実体験がなくとも、これから体験できるかも?という、若い可能性に向けてつくられているのだ。
だから、あらかじめ人生の可能性を放棄しているような人は、見ても無力感を味わうだけだろう。

(いくら実体験があっても、ジブリや宮崎駿しか評価軸のないオールドタイプは、やはり未来と関係のない人たちなのだと思う)

映画って、「その歳に見た」ってことが、すごい重要なの。
「年老いて見ても傑作」とか「何度でも見られる」なんて、思い出の映画をフリーズドライして冷蔵庫にしまっておきたい、高齢者のたわごと。
年寄りは、「自分の審美眼は、どんどん肥えていく」と思っているだろう? 違うんだよ。歳をとればとるほど、審美眼や感受性なんて減衰していくんだよ!

だから、低空飛行でもいいから地面に落下したくなかったら、地道に勉強していくほかない。そして、勉強しても、低空飛行が精一杯なのだと認めること。
いつまでも若い気でいる年寄りほど、見苦しいものはないよね。

そして、恋愛も結婚もする予定がないからといって、他人の幸福を妬んではいけない。嫉妬という感情は、やがて、行動のすべてを支配してしまう。若いうちに、捨てておいた方がいい。


『おおかみこども~』特集の「アニメスタイル」を、株式会社スタイルから送っていただいたんだけど、二回目を見て、ようやく読む気になれた。
小黒祐一郎さんは、インタビューの最初で「アニメーション的だし、映画的でもあるし、映画そのものでもある。ところが、アニメ映画ではない!」と言っている。
これは、富野由悠季さんの「アニメ映画というレッテルを貼られてしまうのが、無念ではある」と、同じ意味のことだろう。

「アニメだから、見ておかなくちゃ」という心理は、僕にもある。僕は免罪符のように「実写映画も、ジャンル問わず見てますよ」とアピールするけど、どうしてアニメに肩入れするのかは、自分の心身が知っている。
「体育が苦手で、絵を描いているほうが好きな小学生だった」とか、思い出したくもないコンプレックスが、バックボーンにある。高校のころは、わずらわしい人間関係からの火除け地として、アニメに逃げ込んでいた。

でも、「どうせなら見たことのないものを見たい」という好奇心に、『おおかみこども~』は想像をこえた領域で答えてくれた。アニメという形式を逸脱し、予定調和を破壊しながら、まったく新しいルールで、作品を統べてくれた。
とても嬉しいんだけど、「あなたが思春期の頃から知っているアニメ映画は、そろそろ別の段階に行きますよ」と、正面からキッパリ、別れを切り出された気分でもある。

だから、まだまだアニメに依存したかった人にとっては、そうとう厳しい映画だと思う。
こうもあっさりフラれると、相手が手の届かないほど高いところにいるだけに、いっそ気持ちいいけどな。

(C) 2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

|

« ■0723■ | トップページ | ■0725■ »

コメント

年寄りみな同じかいww
とてもライターを名乗るレベルじゃないお子ちゃまだなw 感受性のないくそじじいになるのはあなたかもじゃw 気を付けるこったな

投稿: | 2012年7月24日 (火) 22時22分

■兵庫県の方へ
はじめして、コメントありがとうございます。

45歳のジジイを「お子ちゃま」と呼んでくれるなんて、あなたは、なんて優しい人なんだろう。

投稿: 廣田恵介 | 2012年7月24日 (火) 22時29分

「恋愛の予定なし、結婚の予定もなし」、おまけに親子が題材の映画どころか親自体にすら苦手意識を持ってる20歳――ですが、心から面白かったし、感涙しました。
そう思った自分に驚きましたし、うまく言葉に出来ない部分が多いのですが……。

投稿: pacchii | 2012年7月25日 (水) 01時57分

■pacchii様
コメント、ありがとうございます。

僕もうまく言葉にできないのですが、「世界の豊かさ」みたいなものさえ感じられれば、それで、この映画との関係は成立できるのだと思います。

そして「そう思った自分に驚」くことこそが、可能性そのものなのでしょう。
何だか、うらやましいですよ。

投稿: 廣田恵介 | 2012年7月25日 (水) 06時21分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■0724■:

« ■0723■ | トップページ | ■0725■ »