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2012年7月23日 (月)

■0723■

月刊ホビージャパン 9月号 25日発売予定
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●ラグランジェ・アンヴェール Vol.4
連載第四回は、「義賊同盟キッスの軍備」について。
ロボットよりも、船舶をどうやって集めたのか。まずは勝手に考えますが、アニメ本編のストーリーや設定を侵犯しないよう、製作委員会のチェックは入ります。

そして、ワンダーフェスティバル2012夏の『ラグランジェ』トークショウ(2本)で、司会をやります。→
次の日曜日です。


やっぱり、我慢できなくなって、吉祥寺プラザまで歩いて、『おおかみこどもの雨と雪』、見てきちゃった。二回目。この映画は、一生に一度、しっかり見ておけば十分と思うんだけど……。
Sub14_large水の表現が、どれも素晴らしい。それは、「水を緻密に、リアルに描きたい」欲求があるというよりは、水という存在に敬虔な気持ちがあるからだろう。
その本質に気がつかないかぎり、ただのCGにしか見えないと思う。

以下に書くのは、非常に瑣末なことなので、これから見に行く人は忘れてしまう程度のことだろうけど……。


雨が学校に行くのを嫌がるとき、雪は「学校はこっちよ」と、左の道を指す。
その後、雨が「先生」に会いに行くときは、道の右方向へ歩いていく。単純に考えると、右側に野生の世界があって、左側は人間界。
だから、雨と雪が机をはさんで口論するシーンで、雨は右側(野生)に座り、雪は左側(人間界)に座って、学校の宿題をやっている。
台風のくる日の朝、「お母さんと一緒にいてやりなよ」と言う雨は、右側。学校へ急ぐ雪は、左側に立っている。

ただ、雪が画面の右側に、かなり意図的に立つシーンがある。
それは、転校生の男の子に、正体を見せるシーン。雪の正体は野生のおおかみだから、右側に立っている。男の子は人間だから、左側に立つ。
こういうのは、「限定されたシーンにだけ役立つ、映画の見とり図」みたいなものであって、全編がそうなっているわけではない……けど、おおかみおとこが正体を明かすシーンで、彼はどっちに立っていたか?
やっぱり、画面の右側に立っていたはず。

少なくとも、野生と人間界の境目については、そのようなルールが敷かれていたと考える。さっさと答えを見つけるよりは、自分で考えたほうが、はるかに面白い。


「どうであれ、本作の前では、もはや過去の映画などは、ただ時代にあわせた手法をなぞっているだけのものに見えてしまうだろう。」「アニメ映画というレッテルを貼られてしまうのが、無念ではある。」(
富野由悠季さんの言葉だけど、非常に納得がいく。アニメばっかり見ている人が見ても、あまり意味はない。僕のような、子育ても知らないオジサンが、愛好すべきものでもない。
「拒絶された」感は、初見時よりも、はるかに強かった。細田守の冷徹な手さばきは、世間のごくつぶしたる独身中年を、周到に排除しもするのだ。

結局、人の営みの中で許され、祝福されているのは、子育て以外にないのではないか。
熊と出会ってしまった花が、どうして襲われなかったのか、見た人なら分かると思う。同じ頃、雪の前には、彼女の正体を知っても許してくれる男の子が現われる。だから、野生と自然の両方それぞれに、「許すもの」がいるわけです。物語のきっかけからして「許す」ことから始まってますからね。

その「産む」と「許す」の巨大なサイクルに気がついたとき、ただ呆然としながら、映画館から追い出されるよりないわけです。

(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

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コメント

廣田様、

おおかみこどもの予告をYoutubeで見ただけで涙が出ましたよ。娘達と観に行ってきます。

最近は歳をとった所為かとにかく涙もろくなりました。

投稿: YASS | 2012年7月23日 (月) 20時54分

■YASS様
『マイマイ新子』を最後まで見られたYASSさんのお子さんたちなら、 たぶん楽しめると思います。
今日は、幼稚園ぐらいのお子さんが多かったのですが、淡々とした展開のせいか、飽きてしまうようです。

どの映画が子どもに向いているかも、親でないと分からないものですね。

投稿: 廣田恵介 | 2012年7月23日 (月) 21時22分

うわぁー!!
すっ、すごいー!!
感激です!!


確かにそうでしたね、右側と左側の世界。

そうやって分析したことがないから(正しくは、出来ないから)、ワクワクして読んでしまいました。
そんな風に分析しながら観られたら、映画も楽しいだろうな。

雪が、男の子に打ち明けたシーン。
そして男の子は、それに気づいていたし、すんなりと受け入れたシーン。

私は、そこで号泣してしまいました。

やっぱり人は、自分だけでは抱えきれないことがあり、誰かに受け入れてもらって初めて素直に前に進める。強引に前に進むのとは別の、揺らがない強さがある。
凄く美しい場面だなぁって眺めてました。

ところで、何であの男の子は、「獣臭い」と言ったのか、ずっと引っ掛かってます。
ただたんに、嗅覚のいい子ってだけの表現だったのですかね。
分析出来ない私が、ずっと気になっている場面なんです。

投稿: ナトー | 2012年7月24日 (火) 01時05分

■ナトー様
分析したつもりで見ても、映画を見ている間は楽しくても、あまり人生にプラスにはなりません。
この映画から、何らか人生にフィードバックするには、やはり家庭という受け皿が必要なんですよ。
それか、「恋愛も結婚も、これから」という若い人に向いています。

>雪が、男の子に打ち明けたシーン。
>そして男の子は、それに気づいていたし、すんなりと受け入れたシーン。

最初、このシーンは余計なんじゃないかと思っていました。
だけど、最初の花とおおかみおとこの告白シーンを反復しているんですよね。そのため、映画が循環するというか、生命のサイクルが生じるんですね。

>ところで、何であの男の子は、「獣臭い」と言ったのか、ずっと引っ掛かってます。

「都会から転校してきた」と言っていたような気がするので、そのせいじゃないかと思います。

投稿: 廣田恵介 | 2012年7月24日 (火) 01時42分

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