■0710■
取材の合間、2時間ほど待ち時間ができたので、『宇宙戦艦ヤマト2199 第二章』。あいかわらず、ディテールのアレンジ・センスは、素晴らしい。ヤマト側が「ワープ」を使うのに対し、ガミラス側が「ジャンプ」なのは、『ギャラクティカ』へのリスペクトが感じられた。
ただ、肌の色の違うシュルツを、占領された他惑星の軍人と設定したのであれば、もっと彼の苦悩を描いてもよかったんだよ。原作がどうであろうが、それは関係ない。
その及び腰な態度が、この作品を「作品」ではなく、「企画」に踏みとどまらせているような気がする――だからこそ、イベント上映で見たわけだけどね。
やっぱり、『2199』は二周目の航海なんだよ。原作からこぼれ落ちた部分を埋め合わせるのは、決してディテールの密度ではないと、僕は思う。
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ここのところ、仕事が詰まったり、急に空白時間ができたりで、何かしら映画をレンタルして見ているのだが……『ジャンヌ・ダルク』が、割と良かったかな。かつては、ネオ・ヌーヴェルヴァーグ三羽烏のひとりと目されたリュック・ベッソン。彼は広末涼子主演の『WASABI』の製作と脚本も手がけているけど、いつしか映画に「女性キャラ」を求めはじめた。『ニキータ』の頃から、そうだったよね。
いかつい鎧に、長いブロンドの髪をなびかせて……それだけで、十分にキャラ立ちしている。だけど、当時は男装しているだけで、異端審問にかけられたのね。
ジャンヌは、反抗の意志を示すため、牢屋で男の服を着る。
性差を自在に行き来する彼女の頭上には、空いっぱいに、自由の旗がたなびいている――。
ミラ・ジョボヴィッチの吹き替えは、朴璐美さん。朴さん以外には、出来なかったと思う。
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ここのところ、霞ヶ関には足を運んでいない。
三鷹市のゴミ不法投棄は、メールを送っただけで解決したし、散歩中にゴミを拾って歩くのは苦ではないけど、官公庁で怒鳴っても、汚染地域の子たちは救われない。原発も止まらない。
この徒労感は、何度も抗議活動に行ってみないと、分からない。
大飯原発のゲートを不法占拠した彼らのやり方は、具体的で効果を狙えるものだった。
(あの夜、エネルギッシュにドラムを叩いていた女性のブログ「PIKALOGGG☆!!!」→■ 文章もいいが、写真も素晴らしい。)
大飯原発の再稼動が迫る中、福島第一・4号機の温度が急上昇。僕は、ガスコンロとカップラーメン、ミネラル・ウォーターを確保し、一週間ほど屋内退避する覚悟を決めていた。
友人に「何か準備してる?」と聞くと、妻子のために飛行機のチケットを用意し、自身は東京にとどまるつもり……とのことだった。
――生きたここちがしない。311以降、東日本で地震のない日はない。
僕は、右の目で破滅を覚悟し、左の目で311前の世界を見つめながら、生きている。
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関西電力は、やれ原発再稼動だ、やれ節電要求だ、やっぱり計画停電も準備中だと、やりたい放題。
関電に怒っている人たちは、まったく正しい。東京のような、折り目正しい怒り方をする必要はない。存分にやってほしい。
具体的・実践的な行動としては、カンパするという方法もある。
僕はさっき、「新潟保養プロジェクト」に、カンパしてきた。→■
デモで「子どもを守れ」と叫んだ以上、実際に「子どもを守る」活動をしている人たちの横を、素通りするわけにはいかない。
(C)2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
JACKENGLISH/GAUMONT/TheKobalCollection/WireImage.com
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