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2012年7月 4日 (水)

■0704■

映画『ガンジー』、恥ずかしながら、今ごろレンタルで見た。
4998view005「非暴力、不服従」は、なかなかねちっこく、いやらしい戦法で、気に入った。殴りかえしてくるヤツより、どんなに殴られてもどかないヤツのほうが、怖いに決まっている。
今まで、期限つきの「ハンスト」というのが分からなかったのだが、ガンジーの断食は徹底している。「お前らが争いをやめない以上、この老いぼれが無意味に餓死するけど、それって後味悪いよな? な?」「このまま俺が死んだら、お前らの責任になっちゃうけど、いいよな?」と言わんばかり。
ようするに、抗議している相手を、加害者に仕立ててしまうのだ。

やっぱり、目的完遂のためには「(相手にとって)ものすごくイヤなヤツ」にならないと。
イギリスにイヤな思いをさせるため、イギリス製の服を燃やす、イギリス産の塩を買わずに自分たちで作って売る。それで殴られても、決して抵抗しない。「あれ? あんた、無抵抗の人間を殺すのかい?」……非暴力は、相手を卑怯者に仕立てあげる。これは強いよ。

さらに言うなら、非暴力とは「その場に暴力がない」状態ではなく、「相手には暴力をふるわせる」わけですよ。命をくれてやる勇気がないと、できないですね。


それで、大飯原発ゲートを占拠した、先日の彼ら。ずらりと並んで道をふさぐ警官のポケットに、花をさす。傘をさしだす。これ、卑怯でいいよね。相手は戦意喪失するよ。
機動隊がなだれ込んできたときも、「暴力反対! 暴力反対!」のコールを連発して、相手を押し戻すときは、「そっち、誰か回って」「そろそろ来るぞ」と冷静に指揮をとる。いやー、ずるくていいわ。
(もっとも、現場で機動隊と組み合った人は、むちゃくちゃ痛くて怖かったそうだけど……)

そもそも、彼らは再稼動されてからも、どかなかったもの。
夜中すぎ、ようやくゴミを片付けて解散か?と思ったら、マイクをもった年配の人が「……わっしょい!」と静かにコールをはじめた。応援しているつもりのこっちまで、ゾッとしたよ。
彼らは、「警察ではなく関西電力と話したい」と言っていた。逃げ出した関西電力のほうが、卑怯さでは一枚上手だったってことなんだろう。
それでも、若い警官たちに何もかも押しつけて逃げ出す電力会社の汚らしさは、実証できた。

せっかくやるのなら、相手を叩きのめしたい。
母を殺されたとき、「犯人に対しては、1ミリたりとも手加減しない」と決めた。そのためには、「被害者遺族」の立場を徹底的に利用し、与えられた権利を全投入する。出られる裁判には必ず出て、発言の機会は、ひとつ残らず使わせてもらった。
遺族の発言は、判決におおきく影響するので、これを利用しない手はない。「犯人をブタ箱にぶちこむ」、それに徹したから、勝てた。

――僕は、判決が出ること、刑が確定することを待ちわびた。
結果が出るまで、警察や検察と仲よくしていなければならないのは、猛烈な足かせだった。権力を味方にしておかなければ、犯人を追いつめられなかったからだ。
刑の確定した今、おとなしくしている理由はない。


ある雑誌に、『おおかみこどもの雨と雪』のレビューを書きました。
依頼してくれた編集者は、ブログの記事()を見てくれたようだけど、雑誌の性質を考えて、ちょっと大人しめの記事にした。

吉祥寺でも、21日から公開されるんです。
Cardssfp しかも、吉祥寺駅からもっとも遠いマイナー映画館、吉祥寺プラザで! これなら、初日に行ってもいいかも知れない。

チャンネルNECOで『マイマイ新子と千年の魔法』やってるんだけど()、『サマーウォーズ』も『新子』と同じ2009年の公開。
そこから、『REDLINE』公開の2010年秋までは、『宇宙ショー』や『カラフル』もあって、すごくエキサイティングな一年間だった。
『おおかみこども~』は映画数本分のバイタリティを持った映画で、これをあと二回も見たら、お腹いっぱいという気がする。

columbia/Photofest/ゲッティイメージズ

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