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2012年6月 7日 (木)

■0607■

昨日は、明治大学のレナト・リベラ・ルスカ講師の授業で、ゲスト・スピーカー。
去年より、かなり品のない講義になってしまった。教材には『けいおん!!』をつかったけど、見たことのある学生は数人程度だった。

Ca8it0fc_2 (講義後、学生たちと入った飲み屋は、フィギュアでいっぱい)
大人たちが、犯罪級にグダグダなのに、まだ20歳そこそこの彼らに「必死にがんばれ」というだけ、罪です。いま、死ぬ気でがんばらないといけないのは、大人たちだろう。
少なくとも、僕は「いま、大人をやっていて楽しいよ。お前らも、早くこっちに来いよ」とは、とても言えない。
この魑魅魍魎どもを、地獄に追いやって、清浄な土地になったら「おいで」と言えるかも知れないけど。

講義の前、学生たちの発表があり、レナト氏が「復興という言い方は、あまり適切ではない」とアドバイスしていた。「元のように戻ればいいのではなく、新しく作りなおす、と考えたほうがいい」。
僕も、まったくそう思う。むしろ、元に戻してはいけない。


『メガゾーン23』のとき、板野一郎さんは「大人は汚い!」と言いながら机に向かっていたそうだけど、もしかすると、「大人は汚い!」は、くり返されるべきテーマなのかな……。
『0083』を見ていたら、連邦軍上層部があまりにも醜く描かれていて、驚いた。大人たちの思惑のために無駄な戦いをやらされたコウ・ウラキが、宙にむかってビームライフルを撃ちつづける姿は、せつなくて見ていられないよね。

――とは言っても、『0083』だって21年前の作品。昨日はなした学生たちが、生まれたころにつくられた。
あの頃は、それこそマンガのように見えた大人と青年の構図が、今ならばリアルに感じられる。そして、つくづく、卓上で金勘定をするような仕事につけず、いまだ使い捨ての一兵卒でありつづけていることに、感謝の気持ちをいだきたくなる。
明日どうなるか分からない身なら、若い学生たちに酒ぐらいおごってやれるからね。

道ばたで己の非力さを感じられなくなったら、そこで人間は終わるんだよ。


311後から、「もう、京都あたりに遷都すればいいよ」と言っていたんだけど、皇室や文化庁が京都に移転するらしいね。
ひさびさに、少しマトモな話を聞いたような気がする。大戦末期、長野県松代に皇居を移そうとした計画に似ているが……ようは、そういうことだと思う。
東京の人間も、危機感を持ってほしい。オリンピックなんてやってる場合じゃないよ。

だけど、京都に首都機能を移すつもりであれば、ますます福井県の原発は、動かしてはいけないよね。
福島の事故後なのに「核シェルターをつくれ」なんて言っているおおい町の町民は、いまだに冷戦下を生きているし、福島事故で何が起きたのか、どういう被害が出ているのか、まったく知ろうとも調べようともしない。
この、悲しいまでの分断。だけど、考え方・生き方を変えられないほうの負けだね。

こういう、激しい変革が求められている時代には、若いほうが有利だと思う。
僕は20代のころ、よく酔っぱらって階段から転げ落ちたんだけど、医者に行かなくても、ケガが治ったんです。今だったら、致命傷になるでしょう。若いうちは、どんなに転んでも大丈夫だから。

そして、僕らオッサンは、若い人が安心して転べる社会を再構築しなくてはならない。

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コメント

昨年、ある大学生から今後の就職(社会人になったら)的な相談を受けたとき、
「まぁ毎日地獄だよ」って教えてあげたのを思い出しました(笑)
「だから今精一杯、「大学生」を楽しんでおきなさい」とも。
卒業したらいきなり戦場の最前線に立たされるようなものです。それもほぼ訓練無しで…
それは昔から変わらないのだけど、学生たちを受け入れる社会側の許容力は無くなり、
学生達側も少しの忍耐力となじむ力が無くなった、と言うことなんですかね。
後年案の定、その子からは「会社(というか仕事)が辛い」という電話をもらいました。
私はフリーだし、好きなことを仕事にしているので、
仕事をするのがむしろストレス発散的な状態なので、
ある意味幸せなことなのですが、今の学生はとりあえず
就職出来て「正社員」になれれば、というのが第一希望で、
何がやりたいか(自分はこれがやりたい)、なんて言ってられないですからね。
かわいそう、とも思います。
とはいえ私もここまでになるまでは、地獄でしたが…(笑)
(たまに「志の低いクライアント」にあたってしまうと、好きな仕事でもとたんにイライラしますが。。。汗)

おおい町の人たちは、あまりにも発想が局地的ですね。
「地元」ってなによ?ってことでよね。
福島のことがあってわかったのは、ああなったら影響を及ぼすのは、
福島あるいは北関東に限らず、日本全体、いや地球規模の危機だってあるわけです。
(野田君は個人で地球規模の責任をとるわけで、オカシナ話です。なにかあったら首相もしくは議員辞めれば「責任とった」ってことなんでしょうけど。。。)
海の向こうの人にも少なからず影響を及ぼしているわけです。
「おおい町だけ」が「地元」ではありません。

大義的には、「関西の電力が足りない」ってことなんですが、
それで原発を動かすのならば、それは原発を最初に作った理由と変わらないですよね。。。
福島の教訓(もちろん現在進行形でもあるのでこの先もっとトンデモナイことが起こる可能性もあるのですが)から
何も学ばないのでしょうか?

私は電気が足りないのなら、毎日少し停電したらいいと思う。(むろん病院等、人の命に関わるところは除外だが)
値上げよりも、むしろ受け入れる(笑)
それで経済がメチャメチャになってもいいのです。
それを経ての「その先の世界」だと思うのです。

投稿: solao | 2012年6月 7日 (木) 11時13分

■solao様
僕もたぶん、アルバイトで苦しい生活をしている頃は「地獄」だったと思うんです。だけど、僕も今は好きなことを仕事にできているので、その頃の苦しさを、つい忘れてしまいますね。

>今の学生はとりあえず就職出来て「正社員」になれれば、というのが第一希望で、何がやりたいか(自分はこれがやりたい)、なんて言ってられないですからね。

昨日も、講義の途中、ひとり就活で抜けていきましたけど、「とりあえず正社員」という感覚が分からないです。会社って、簡単に手のひらを返しますから……。

でも、明らかにひどい世の中になってきて、若い力も買い叩かれて、「それでも必死にやれ」とは言いづらいです。
「ちょっと甘いんでは?」と感じるところはあったけど、そのうちイヤでも実感させられるでしょうし、その時に本人が学んでくれればいいや、ぐらいに思いました。

>野田君は個人で地球規模の責任をとるわけで、オカシナ話です。

総理をやめても、議員をやめても、路頭に迷うわけではないですからねえ……。
リスクを背負っていないと、どんな発言も説得力ないですよね。東電の幹部たちもそうですが、なんで役立たずのジジイばかり長生きする仕組みになってるんでしょうか?

>私は電気が足りないのなら、毎日少し停電したらいいと思う。(むろん病院等、人の命に関わるところは除外だが)

「ピーク時には仕事、休んだらいい」って意見もありますよね。
いずれにしても、みんな電気を使いすぎです。原発ゼロで一ヶ月以上がたちますが、それでも節電はすべきですね。
電力会社に強制的に止められるのではなく、自分たちで工夫していかないと、社会の意識が変わっていかないと思いますね。

投稿: 廣田恵介 | 2012年6月 7日 (木) 12時23分

廣田様

>20歳そこそこの彼らに「必死にがんばれ」というだけ、罪です。いま、死ぬ気でがんばらないといけないのは、大人たちだろう。

僕は昨年入社した新人の子達を指導していますけど、皆優秀ですよ。
「ゆとり世代」なんて言われてますけど、とんでもない!
ただ、会社や社会に対して萎縮しているだけなんだと思います。こんな世界じゃ、それも当然。
「どうもやり辛い」、「何かおかしい」と薄々感じながら、この世界でノウノウと何もせずに生きてきたのは僕らなんですから。
3.11以降、ここでリセットできなければ、一生ダメでしょうね。
最後のチャンスだと思います。

>そして、僕らオッサンは、若い人が安心して転べる社会を再構築しなくてはならない。

今や、嬉々として止めを刺す連中がいっぱいですよ。薄ら寒くなります。
自分がイヤな思いをしたのであれば、それを後人たちが繰り返さないようにするのが、真っ当な生き方です。

僕も動き出さなければ・・・

投稿: かまた | 2012年6月 8日 (金) 00時58分

■かまた様
>「どうもやり辛い」、「何かおかしい」と薄々感じながら、この世界でノウノウと何もせずに生きてきたのは僕らなんですから。

でも、このような世の中を容認してきた大人たちは、「自分だけは免責されている」と根拠なく信じ込み、何も行動しない甘ったれが、圧倒的多数ですね。
ようするに、考え方や生き方を変えるのって「面倒なこと」なんです。それをノラリクラリと交わしているだけ。
そういう大人は、目がうつろで迫力がないですよ。

>自分がイヤな思いをしたのであれば、それを後人たちが繰り返さないようにするのが、真っ当な生き方です。

「俺だって若い頃、苦労したんだ!」と、鬼コーチのように理不尽な目にあわせるオッサンが多数いますね。
次につづく世代に、復讐してどうすんだ?と思います。

僕らも、いずれは若い世代に駆逐されるのですから、今から覚悟しておくべきでしょうね。

投稿: 廣田恵介 | 2012年6月 8日 (金) 12時57分

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