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2012年5月18日 (金)

■0518■

『輪廻のラグランジェ』 Blu-ray Vol.3 25日発売
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●ブックレット編集
どんな物語にも、その物語の「さいはて」があって、世界の果てる場所まで行った人物が、物語の描き得る範囲を、指し示します。
そのような人物はたいてい、主人公の正義をあざ笑うような、その反面、認めているような、敵とも味方ともつかない立場で現われます。

第5話で、ヴィラジュリオは、まどかが叫んでまで伝えようとする正論に、大あくびで答えます。物語が、その輪郭を現した瞬間です。
かつて死線をさまよった彼が物語に登場するのは、まずは主人公の未熟さを証明するためです。でも、未熟と証明してもらえたからこそ、主人公は「さいはて」など見ることなく、物語のど真ん中を歩いていけるわけです。

そして、「さいはて」を見てきた人物は、決して万能なのではなく(万能にしてしまう物語もあるけど、それでは予定調和におわる)、時として主人公に「これは一本とられたぞ」と、立場をおびやかされるわけですね。硬い金属が、ちょっとだけしなるような、それが「物語の強度」ってやつですね。

そうやって押したり、押し戻されたり、誰をも否定せず、かといって単純に肯定もしないのが、良い物語、我々に力を与えてくれる物語ですね。


おおい町町議「地元の経済問題、あるいは雇用問題については、われわれだけが言える。固有の権利はわれわれしか持っていないのであって、周辺市町村とか、立地自治体以外の国民が、こういう問題についてどうのこうのいえる問題ではないのではないかと」。→
ここまで「お前ら関係ない」と言い切ってくれてると、むしろスッキリするよね。交付金にどっぷり甘えていようが、その町にはその町の生活が、40年続いてきたんだってことは、よく認識しておこう。

一方、「原発が動いてくれないと、商売が成り立たない」と情に訴えるのであれば、「就職活動に失敗して」自殺した20代の若者は、二年連続で190人を越えているんだぜ。
国に泣きつけば、打ち出の小槌のように金の降ってくる自治体と、先行き不安で死ぬよりなかった若者たち。どちらも「仕事がない」のは同じこと。

「他にどうしょうもない」「これしか道がない」という“男らしい”判断は、破滅に直結している。そう決意した人間は、必ず破滅する。この目で何度も見てきたから、断言できるよ。
男たちは、要注意だね。


原発関連で、もう一言。
「需給問題とは別に、再稼働せず脱原発すれば原発は資産から負債になる。企業会計上、脱原発は直ちにできない」と仙谷政調会長代行は明言した。関電のスポークスマンだな、この人は。

先のおおい町町議の話と照らし合わせれば、大飯原発の再稼動は「関西圏の電力供給とは無関係」。地元自治体と電力会社の都合最優先であることを、お忘れなく。


さて、明日のいわき市行きのため、吉祥寺で買い物。
再会する方たちへのお土産は、産地に気を使います。「国産」とだけ書かれたものなんて、NGです。

……で、帰ってきてみたら、今度は岡山県でコメの産地偽装かよ!→
通販もしてるということは「西日本のお米なら安全」と思って取り寄せている人たちの信頼を裏切り、嘲笑し、踏みにじったわけだな。
なのに、市はJAS法にしたがって「改善を指示」。まったく罰されない。罪人には甘いのぉ、この国は!

ガンディーは「罰する力のある者だけが、許すことができる」と言った。この国では、罰する意志すらない者が、えんえんと許しつづけている。誰にも、当事者意識がない。
いわきから戻ったら、忙しくなるぞ。

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コメント

>“男らしい”判断
世界に誇る日本の五重塔の建築(設計)技術は、現代の建築物の高い耐震性の基本になってる。
しなやかにうねりながら揺れを吸収する構造。要するに「ガチガチ」に固めてしまうとモロいってことだよね?人間が、変なプライドやこだわりに凝り固まってると自滅するってことと似てる。

いわき市行ってらっしゃい。

投稿: ごんちゃん | 2012年5月18日 (金) 17時35分

■ごんちゃん様
「俺には俺の考えがあるんだ!」「俺は信念を曲げないぜ!」で、何も変わらない男たち。袋小路に一直線。日本の自殺者の七割は男だよ。

原発や放射能を「安全だ」言いまくるのも、男ばかり。奥さんひとり説得できないヘッポコの分際で(笑)。
ああ、産地偽装しまくっている詐欺師たちも、全員男だよね。

>要するに「ガチガチ」に固めてしまうとモロいってことだよね?

組織でも、違う視点を持っている人が混じっていると、共倒れになりにくいよね。
似たようなヤツばっかりだと、ポッキリ折れてしまう。

いわきは、天候はすごく良いみたい。

投稿: 廣田恵介 | 2012年5月18日 (金) 19時07分

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