« ■0509■ | トップページ | ■0514■ »

2012年5月12日 (土)

■0512■

原稿に追われつつも、2日つづけて打ち合わせがあり、どちらも目の前のことがよく見えている若者たちが相手なので、ジジイとしては、ホッと安心する。

歳には関係なく、仕事できるヤツは、人の話をよく聞く。「人の言うことを聞いて、その通りにする」んじゃなくて、「人の考え方を聞いて、どうするかは自分で決める」。
だから、「うんうん」「はいはい」と熱心にうなずいているヤツは、ある意味、警戒しないといけない。必ず、こちらを上回ってくる。

「仕事ができる」とは、「最小の労力で最大の儲けを出す」なんていう、くだらない意味ではなく……「無駄をはぶく」のは、基本だと思うけどね。
がんばったことは、割と、お客さんには当たり前のように受容されてしまうけど、手を抜いた(さっさとあきらめた)分は、完成した仕事に残ってしまう。どれほど労働力を投入しようが、発想の部分で楽をした企画は、どうしても完成品に手抜き感が出てしまう。

宮崎駿が、障害物に向かって目を閉じてしまうアシタカの原画を見て、「このアニメーターの生き方が出ている」と酷評していたけど、そういうもんだと思う。


日本司法支援センター「法テラス」に電話したら、明らかに間違った情報を教えられた。
「間違ってましたよ」とメールしたら、「各オペレーターが適切なサービスを提供できるよう、研修の実施等を行っているところですが、今後とも更なる努力を行って参りたいと存じます」という、頓珍漢な返事がきた。

そうじゃないだろうよ。そんな抽象的なことじゃないだろ。
俺が法テラスに教えられたのは、「三鷹市の法律相談は刑事事件も扱っている」という情報だった。しかし、市に電話すると「民事のみですよ」と。
その情報を、法テラスのデータベースに上書きすれば、その日に同じ質問をする人がいたとしても、間違わずにすむでしょってこと。「更なる努力」なんかじゃなくて、データベースを上書きするだけ。なんで、ちゃんと具体的に考えない?
テンプレなのかも知れないけど、上っつらだけの美辞麗句は、世の中に何の役にも立たないぞ。

原発・放射能関連で、いろんなメーカーや官公庁に問い合わせたけど、こういう、本質からズレたリアクションが非常に多い。
のらりくらりと、「聞かなかったことにする」社会は、向上心を捨てている。お前は楽でいいかも知れないが、社会が迷惑するんだってことだ。


あまり身内の恥は書きたくないのですが、まだ母が生きていたころの話。

廣田年亮被告が、自分の飼っているブルドッグに腕をかまれ、大量出血したことがあった。
母は救急車を呼び、被告は病院へ。その後、「床に飛び散った血がすごいので、掃除に来てほしい」と母から電話があり、僕は、両親の家へ急いだ。
洗剤とぞうきんで掃除したあと、被告が病院から戻ってきた。片腕を何針か縫っているのに、何事もなかったかのように、ニコニコしている。

僕と母が、事件を起こしたブルドッグが暴れないよう、リードでつないでいるのを知ると、被告は「お前たちが、こうしてストレスを与えるから、噛んだりするんだよ!」と怒りはじめた。
天井まで血が吹き上がるほどの怪我をしといて、俺と母が悪いとか言っている。そして、噛んだブルドッグに「よしよし、何でもないぞ」なんて、声をかけている。

僕は後日、「あのブルドッグは施設に送り、再訓練すべし」と意見した。
返ってきた返事は「あの犬は、○万円もかけて、日本最高のドッグトレーナーに訓練させた。再訓練の必要などない」。

――なんかに似てるでしょ、この事件。廣田被告の「はあ?」と思わせられるリアクション。
そう、原発事故のおきた日本だよ! 「大丈夫、たいしたことは起きてないんだ」と、正常性バイアス全開。被害におののき、対策をこうじている側を「おかしいのは、お前たちだ」と責める。自分が噛まれたくせに「最高のトレーナーに訓練させた」と胸をはる犯人と、爆発事故がおきたのに「日本の原発は、世界一」といまだに言っている連中と、頭の構造はまったく同じ。

ちなみに、僕の意見を聞かなかった廣田被告は、またもや犬に噛まれる。彼が母を包丁でメッタ刺しにするのは、犬が死んでから間もなくのことだ。
「大丈夫、なんでもない」「悪いのはお前たちだ」と言いつづけた男の末路が、殺人犯。笑えない話だろ?

「原発が爆発したけど、大丈夫だ」「悪いのは、放射能を怖れているお前たちだ」と言っている人は、廣田被告の同類に見えてしまう。


殺伐とした話をしてしまったが……たまに行く立ち食いそば屋に、やけに綺麗なお姉さんが入った。
お姉さんがどんぶりを洗っていると、主人が背後から「ちょっと話があるんだけどさ~。こんなときでないと、話せないだろ?」 お姉さんは「こんな時だからこそ、話してるヒマないです」と、どんぶりを洗いつづけた。

こういうとき、女ってのはカッコいいなと思う。

|

« ■0509■ | トップページ | ■0514■ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■0512■:

« ■0509■ | トップページ | ■0514■ »