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2012年4月 9日 (月)

■0409■

オトナアニメ Vol.24 発売中
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●『偽物語』いろいろ
「各オープニング研究」、「板村智幸の絵コンテ」、「偽物語の絵づくり」、「美術設定を楽しむ」、これらのページを構成しました。

●『輪廻のラグランジェ』 松村拓哉 メカ作画監督
●『エウレカセブンAO』 竹内志保 デザインワークス

それぞれインタビューしつつ、『ラグランジェ』のほうは、原画を何枚か掲載させていただきました。

これらの仕事は、用意していただいた素材に、何らかの関連性を見つけて配置していくわけで(インタビューも「素材を集める」ことに変わりはないと思います)、関連性が見つかった瞬間は、すごく嬉しい。やりがいもある。
ただ、それを読者さんが面白がってくれないと、本当に意味がないよなあ……と、本が刷り上ってくるたびに、思います。


アニメ業界、マンガ業界の方たちにまじって、『宇宙戦艦ヤマト2199』を見てきた!
465冒頭の冥王星会戦は、オリジナルの構図を踏襲しながら、再構成しているところが良かった。
「おっ、ここはこう変えたのか」「こう解釈したのか」と楽しむには、やはりオリジナル版を見ておかないと、難しい。

それまで、まともに描かれたことのなかった宇宙船同士の艦隊戦を、初めて描くことと「その解像度をあげる」作業とは、やはり根本的に違う。


昨年、石黒昇監督のくださった『テレビ・アニメ最前線』(1980年刊)から、石黒監督ご自身の言葉を引用しよう。
「ぼくらは何よりも巨大な宇宙戦(原文ママ)が爆発するスケールを出したかった。その為には爆発音(宇宙で音が響くのも変な話だが)を三秒から五秒欲しいという事で『ヤマト』独特の爆発フォルムを作り出した」。
それがあの、四方にひろがるヒトデのような爆炎となったのだ。この本には、原画も載っている。

オリジナル版の冥王星会戦は、まさに見たことのない戦場である。
沖田艦は「司令船225号」と呼ばれ、その葉巻型の船体は――よく見ていただきたいのだが――、ガミラス艦のビーム砲が当たると、まず丸い輪が広がり、やや遅れて穴が開き、それからゆっくりと船体が傾く。
弾丸が当たったのではなく、もっと別の物理現象が生じたことが、しっかりと伝わってくる。

僕は、古典的なディテールのヤマトよりも、葉巻型の沖田艦、「司令船225号」に未来を感じる。未来の宇宙船なのに、すでに老朽艦。そこにワンダーを感じる。
そして、太平洋戦争時の遺跡に、無理やり、異星の波動エンジンを搭載した「ヤマト」が、性能的には、歴戦の沖田艦を凌駕してしまう。その対比にテクノロジーの残酷さがあるし、沖田十三の無念もあれば、決意もある。

架空のメカニックの描写には、それを使う人間の気持ちを感じられなければ、空しい。
表現する者と、それを観賞する者とのやりとり――を豊かにするためには、やはり想像力が必要なのだと思う。


4月30日開催の「スーパーフェスティバル59」に、出店します。→
ディーラー名は、うっかり「廣田恵介」にしてしまったのですが、販売物は「時祭組」の『メガゾーン23』同人誌とペーパーが中心になります。

あと、5月上旬の「マチ★アソビ」にも参加します。今週には詳細が決まると思うので、また告知します。

(C)2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会

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コメント

昨日観てきましたよ、ヤマト2199。
youtuebe で冒頭10分間が公開されたの観て、「これはいける!」と思いまして。
あ、廣田さんのこのエントリーがなければチェックしなかった可能性が高いですが。
「上映時間60分で1800円かぁ」とは思いましたが、映画館で観たい!という欲望の方が強くて。(でも、料金1000円でした。)
見終わって、「ここまで造ってくれて、ありがとう!」ですよ。1800円でも文句いわないですよ。映画館で観る価値あり!
オリジナル(第一作)の素晴らしさは、廣田さんの指摘の通りです。
創刊間もない『OUT』だったと思いますが、
◎ 『空軍大戦略』の戦闘機の動きを参考にするためアニメーターに見せた。
◎ 沖田艦が砲撃を受けて乗組員が宇宙に吸い出されるシーンでは、乗組員が吸い出される途中で壁の取っ手を掴んだのに、その前で隔壁が閉じてしまうようにした。
など、いろいろ作り込んだという記事がありました。

とりあえず、続編も映画館で観る予定です。

『偽物語』に続き、廣田さんの作品紹介のお世話になってしまいました。感謝!感謝!

投稿: DH98 | 2012年4月21日 (土) 19時19分

■DH98様
『ヤマト2199』は、ひとりで部屋で見るタイプの作品ではないですね。僕も最初の10分を見て、「本番は映画館で」と思いました。「お金を出して見よう」と。
大画面向きのつくりというのとも、またちょっと違うんですけど、イベント性もありますしね。

ホントにね、キムタクの『ヤマト』見ている場合ではない。あれこそ、テレビで十分だったんではないでしょうか。

>創刊間もない『OUT』だったと思いますが

例のヤマト特集ですか。そんないいこと、書いてありましたか。
一作目はパイオニア精神にあふれているので、今ごろになって、昔の研究本を買ったりしているのです。

『2199』は、どんどんオリジナルから遠ざかっていくようですが、その方がいいと思います。わが道を行って欲しいですね。

>『偽物語』に続き、廣田さんの作品紹介のお世話になってしまいました。感謝!感謝!

いえいえ、とんでもないです。作品の面白さは、見た人それぞれが決めることなので。

投稿: 廣田恵介 | 2012年4月21日 (土) 19時44分

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