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言い忘れていたけど、山本寛監督の『blossom』はいい試みだと思っている。→■「酒を飲むときは、酒を飲む以外の目的を持たないことだ」って、なにかの本で読んだ。同じように、「作品をつくるときは、作品をつくる以外の目的を持たないこと」、これが大原則だろう。
だけど、何度も東北へボランティアに行ったヤマカンが、「今度はアニメで元気づけたい」っていう、その「雑念」はいとおしいし、カッコいいとも思うよ。
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僕は福島に行くだけではなく、徳島のマチ★アソビ(5月3日~5日)にも、また参加することになりそう。
最初は「ひとりで十分」と言っていたんだけど、何人か、ゲストをお呼びする形になる。
こういうことは、半分までは自分の意志で動かせるけど、もう半分は人の要望を聞かないと、決して形にならない。
それまでに、単行本の原稿、ぜんぶ終わらせればいいと考えれば、気持ちも楽だ。
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昨夜は、歩いていけるスタジオで取材があったので、暗くなってからフラッと出かければ良かった。
だけど、一時間に満たなくても、自分はそこに行くべきだと思い、首相官邸前の抗議活動へ行った。
18時集合、ちょっと前に着いたけど、すごい数の人だよ。後から聞いたら、合計で200人だったらしいけど、ひとりあたりの熱量は濃かった。最初からみんな、腹のそこから声を出していた。
大飯原発の再稼動への抗議だから、僕の後ろには、何人か関西の方も来ていた。
ひょっとすると、大飯原発について、東京で出来る抗議活動は、これが最後かも知れない。
俺は、滋賀県と京都府が強く反対しているので、再稼動は流れるだろうと楽観してるんだけど、抗議だけはせざるを得ないなー。
「人任せにしてました」で悔いるのは、もう二度とごめんだ。せっかく東京に住んでるんだから、霞ヶ関には何度でも行ってやる。
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反原発のミュージシャンがコンサートやるからって、いちいち「電気を浪費するのか?」って文句つけてる人がいる。俺には、アイドルに向かって「お前だってウンコすんだろ?」とからかってるようにしか見えないぞ。
「電気を使う」=「原発賛成」って短絡、電力会社と言ってるレベルが変わらない。彼らがダシにするのは、決まって「日本経済」「病院で寝たきりのお年寄り」「被災地」。まったくハートを感じないね。
どっかで誰かが不幸な目に合ってるはず、だから原発動かせ……でしょ。その「誰かが圧倒的に損をして、誰かが圧倒的に得をする」構図をなくすには、どうすればいいのか、我がこととして考えてみないとダメだろう。
言いたいことはいっぱいあるけど、まずは電車と歩きでパッと行けて、自分の声で、体で意思表示できることをやらないと、話にならないよ。
(C)Project blossom/Ordet
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コメント
廣田さま
>「電気を使う」=「原発賛成」
僕はこういう言い方をする連中って、真面目に仕事をしたことがないのだと思います。
この短絡さ。そして、あれほど危険な原発を東電に預けて平気でいられる神経・・・仕事でも人生でも関わりたくないですね、こういう輩とは。
>彼らがダシにするのは、決まって「日本経済」「病院で寝たきりのお年寄り」「被災地」。まったくハートを感じないね。
自分がよく知らないことに関しては、黙っていた方が、思慮深く、ちょっとは頭がよく見えると思いますけど、なにか言わないとおられないのでしょう。
そういえば、廣田さんに勧められた『朝日ジャーナル わたしたちと原発』を入手し、読み始めております。
「脱原発が可能なこれだけの根拠」とか、読み応えありますねぇ。
ああ、でも原発推進の坊ちゃんには難しい内容か。
投稿: かまた | 2012年3月30日 (金) 23時39分
■かまた様
『朝日ジャーナル わたしたちと原発』は、これ一冊で、かなり認識を深められる内容だと思います。どうして東電が値上げしたがっているかも、よく分かりますよね。
>僕はこういう言い方をする連中って、真面目に仕事をしたことがないのだと思います。
原発について語ると……まず「語る」「語らない」で分けられてしまうと思うのですが、自分の仕事についてどれだけ真剣か。他人の仕事を、どれだけ真面目に想像できるか。それが問われてしまいます。
仕事だけではなく、暮らしていくこと、家族のこと、赤の他人とどう接しているのか、すべて明らかになってしまいますね。
>自分がよく知らないことに関しては、黙っていた方が、思慮深く、ちょっとは頭がよく見えると思いますけど
まったく、その通りです(笑)。「自分の人生を生きる」とは、「知らないことを知る」ことでもあります。
ただ、反原発を口にする人、行動している人を「ネットの中でだけ」ちょこっと叩くことが目的なヤツ(そうしないと自我が保てないヤツ)は、調べるのも面倒なんでしょうね。
「よりよい社会にしよう」なんて、彼らは一ミリも考えてませんよ。そう考えている人を、自分のいる泥の中に引きずり落としたいだけです。
投稿: 廣田恵介 | 2012年3月31日 (土) 00時01分