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2012年3月22日 (木)

■0322■

拝啓 石黒昇様

昨日は、打ち合わせが三件もあり、忙しい一日でした。
今日も、ページが空いて困っている編集者のために、私は忙しくすごすでしょう。

あなたが演出された『宇宙戦艦ヤマト2』で、古代進が、亡き沖田艦長に「沖田さん、とても不安です」と話しかけるシーンが、好きです。『さらば宇宙戦艦ヤマト』と違い、『ヤマト2』では、沖田艦長は古代に何も答えてくれません。
それが、死というものです。

最後にお会いしたとき、『ヤマト2』について、うかがいました。この次にお見舞いにうかがうときは、最初の『宇宙戦艦ヤマト』について、たっぷり話を聞くつもりでいました。
あなたが苦心して描かれた爆発のエフェクトを、これから私は、何度も何度も見ることになるのでしょう。それが、私からの問いかけです。

私が腹を立てているものに対して、あなたは「まったく、けしからんよね」と一緒に怒ってくださった。
私が母を亡くしたとき、あなたは駅前で、焼肉を食べさせてくださった。歩きながら、私の顔を何度も何度も振り返り、「廣田さんがしょんぼりしてると、いやだなと思ったんだ」とおっしゃった。
あなたは、今でも友だちです。

私は、何度も何度も計画し、何度も何度も失敗してきました。これからも、そうして生きるのでしょう。

『メガゾーン23』のラストで、矢作省吾が、ボロボロになっても歩きはじめるところが好きです。
「いまの省吾は、生命力の最後ののこりかすを集めて、必死で足を動かしているようなものだった。」「だんだん遠のいていく意識とは裏腹に、足だけはもがくように、ひたすら前へ進んでいた。」
僕の大好きなシーンを、あなたは小説で、このように書かれました。僕も、こんな風に生きていくことにします。

僕はあなたを忘れませんし、僕が死んだあとにも、人々に忘れさせないようにします。
友だちを、もっと大事にします。数々のご無礼を、お許しください。

このブログを読まれた方へ。最初の『宇宙戦艦ヤマト』と、最初の『メガゾーン23』を見てください。この2本の作品は、血潮のうねりのようで、見るものの心を熱くさせます。

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コメント

私は「何度も失敗した人」が好きです。
廣田さんも、私は大好き。
オススメの2作品観る事にするよ

投稿: ごんちゃん | 2012年3月22日 (木) 16時21分

■ごんちゃん様
失敗したがために、世の中を恨んでしまう人もいます。
うまく行かなかったことと、どう折り合いをつけるかで、人生は大きく変わると思います。

投稿: 廣田恵介 | 2012年3月22日 (木) 17時06分

そうね...ちょっと言葉が足りなかった。
「どんな質の失敗か」によっても全然ちがってしまうだろうから、無責任な事は言えないよね。

「乗り越えられる程度の小さな失敗」を沢山経験できたら、すごく幸せな人生なのかなと思ったりするよ。
正直に生きてくことで人は少なからず壁にブチ当たるものだと思う。でもダメージは少ないほうがいい...。

投稿: ごんちゃん | 2012年3月22日 (木) 17時19分

■ごんちゃん様
失敗が怖くて、「二度と傷つくまい」と障壁を避けながら歩いている人は、その臆病さが、ふだんの態度に出てしまう。
いつも機嫌が悪くて、不満ばかり口にする人は「人生、色々うまく行っていません」と、周囲に宣伝して歩いているようなものだ。

失敗の質・大小は関係ないです。
もう再起不能かと思うような大ダメージを受けても、人間はちゃんと生きていけるよ。

事あるたびに狼狽したり、泣いたり、引きこもったりしている人のほうが、実は強いです。

投稿: 廣田恵介 | 2012年3月22日 (木) 18時02分

いまだに「出た!天然!」て言われてる私が、失敗を失敗だと気がついていないとしたらどうしようか...「鈍感力」って言葉が一時期流行った(?)けど、そっち寄りなのかな。

>再起不能かと思うような大ダメージを受けても、人間はちゃんと生きていけるよ。

心が震えた...言葉がでないわ

投稿: ごんちゃん | 2012年3月22日 (木) 18時40分

■ごんちゃん様
ようするに、「克服する力」さえあれば、何があっても人は生きていけるのです。

投稿: 廣田恵介 | 2012年3月22日 (木) 19時58分

廣田さんとごんちゃんのやり取りに、引き込まれました。
なんか、生命力を感じました。

そして、やっぱり廣田さんの言葉って凄いですね。
沢山の言葉にレスをしたいのですが、書ききれません。
その中でも
「克服する力」

余りにも完結していてグッと来ました。

この克服する力、本来は誰にでもある力だと思っているのですが、その力って上手く発揮出来る人かそうでないか、又は気が付かないフリをしてるかの違いだけなんじゃないかな〜なんて感じているのです。

それとも克服する力って、鍛えてつけるものなのかなぁ。

まだわからない世界です。
そして知りたいです。

最近、自分の周りで人生の岐路に立たされてもがいている友人が何人もいて、話を聞く度にそんなことを漠然と考えていたので、「克服する力」って言葉がグッと来ました。

そして

愚痴を撒き散らしている人が「私は不幸です」と宣伝して歩いている

って笑ってしまいました。
自分にも昔そんな時期があった、痛い時代だったなぁって。

投稿: ナトー | 2012年3月23日 (金) 01時23分

■ナトー様
>愚痴を撒き散らしている人が「私は不幸です」と宣伝して歩いている

不幸なんじゃなくて、「私は、自分の問題を棚に上げてますよ」って人ですね。
自分の問題から目をそらしている分、他人の失敗や欠点に、やたら敏感なんですよ。

>それとも克服する力って、鍛えてつけるものなのかなぁ。

ふと気がついたら、ついている場合もあるでしょう。
かと思うと、ごっそりそぎ落ちているときもあるんじゃないでしょうか。
毎日歩いてないと、筋肉が鍛えられず、贅肉が増えていくでしょう。それと同じ性質のもんだって気がします。

30歳ぐらいまでは、誰でも「私はこういう人間になりたい!」って、四苦八苦しますよね。理想と現実のギャップに苦しんで、ナンボじゃないですか。
ところが、40歳をすぎても、「本当の自分はこうじゃない!」ってもがいている人は、経験的に見て、ちょっと取り返しのつかない場合が多い(笑)。

自分より年上の人を見回すと、「いい歳のとり方をなさっているなあ」と思わせる人がいます。
このブログに書いた石黒昇監督も、そういう方です。
いかにして、自分の年齢を引きうけるか。「私は、いつまでも若いんだ」って自分で思っている人は、たいてい周囲に迷惑をかけていますね(笑)。

投稿: 廣田恵介 | 2012年3月23日 (金) 02時51分

鍛えられる筋肉、蓄えられる贅肉…


うわぁーー!!

まさにそれだ!!
それですね!
納得します。


その筋肉へのプロテインが感謝・笑顔・人とのふれあいってとこですかね。


何だかスッキリ!!

それと、「自分はまだ若い」と真逆で「自分なんてもうすぐで○十代だから(終わった〜)」と悲観的過ぎる人もよくみかけますよね。特に女性が多いように感じますが。

そのさじ加減をよく理解した上で、しっかりと自分の足で人生歩けたらいいな。
素敵な年の重ね方している方に出会って触れあってみると、人間としての魅力が溢れています。

話を聞くなかで結局は、沢山の壁を乗り越えて克服する力を持っていることが魅力に繋がっている気がします!

年配の方のお話を聞くって大好きです。

石黒監督の作品に触れてみます。


投稿: ナトー | 2012年3月23日 (金) 16時17分

■ナトー様
>「自分なんてもうすぐで○十代だから(終わった〜)」

これは負け惜しみですよね。
あきらめ半分、「まだまだ若い」となぐさめてほしいんですよ。
年齢に見合った……いや、見合わない魅力というものがあって、それは人それぞれの生き方によりますね。
いじけて生きてきたヤツって、顔に出ちゃいますし。

面白いもので、若づくりして無理していることが、ちゃんと魅力になっている人もいます。
とにかく、自分の人生を着実に歩いていれば、何かしら輝いてくるものですよ。何も狙わなくても。

>石黒監督の作品に触れてみます。

『宇宙戦艦ヤマト』を最初の数本だけでいいので、見てください。
40年近く前の作品ですが、荒々しい生命力にあふれています。

投稿: 廣田恵介 | 2012年3月23日 (金) 17時37分

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