■0314■
EX大衆 四月号 15日発売
●懐かし麗しのアニソントリビア26
『宇宙戦艦ヤマト2199』がらみで、ささきいさおさんのインタビューもあり。
どうして『ヤマト3』まで同じ音源を使っていたのか?など聞いたんだけど、企画の趣旨とは関係ないので……。
(初代『ヤマト』のヒットにあやかって、あえて、主題歌の新録音はしなかったそうです)
アニソントリビアの企画自体は、もう三回目で、得意ジャンルではないので、ずっと逃げ回ってたんです。
「これなら、やれるな」と思ったのは、『さらば宇宙戦艦ヤマト』の主題歌を沢田研二が歌ったけど、そのころ、すでに角川映画がメディアミックスを始めてたよな……と気がついたからです。
1985年がおニャン子クラブ結成、同年の『ハイスクール!!奇面組』で、「ポップス・歌謡曲としてのアニソン」は完成したと思います。秋元康が『蒼き流星SPTレイズナー』を作詞するのも、85年。『ガンダムZZ』は翌年なので、出がらしであって、もはやエポックメイキングではない。
――そんな流れを表にできないか?と思ってがんばってみたのですが、ページの一角に、小さく載っている程度です。
■
蒼井優を見て損することはあるまい、と思って『たまたま』をレンタル。最初は、蒼井がインタビューに答えながら、ある映画の撮影をふりかえっている。「なんだ、ドキュメンタリーか」とガッカリしていると、だんだん分かってくる。このインタビューで答えている映画なんて、実は存在しないんだって。
こういう、ストーリー不在の映画を見るとき、本当に自分がイヤになる。あらゆる映像を、言葉に置き換えようとする。「身体だけで見る」という習慣を、僕らは懸命に追い出してきた。いずれかの段階で、映画を、映像を「機械にすぎない」と認識するようになってしまった。
僕は、雨に打たれるようにして、映画を見たい。
それが出来ないのは自分の習慣のせいであって、映画のせいではない。
自分に出来なくなったこと、不可能なことに気がつかないと、人間は果てることなく、怠惰になっていく。
■
先日の国会議事堂包囲デモ。あの後、デモ隊は首相官邸にまで行って、官邸には野田首相がいたって話じゃないですか。
まあ、いなかったとしても「現地に行く」ことは大事だよね。経産省前には何度か行ったけど、ストレステストの公聴会をやっているフロアまで、僕らの声は聞こえてたって話だよ。
経産省の役人に、肉声を届ける唯一の方法が、抗議集会なんだ。
そして、そのストレステストだけど、友人から面白いニュースを聞いた。
東電の提出した報告書に、239ヶ所の記載ミスがあった……って、これだけでも普通じゃないのに、東電は「全体の評価結果に影響はない」だってさ。→■
……だから、電力会社の人間たちって、あまりに天敵がいなさすぎて、おかしなことになっているよね。ちょっと、オウム真理教を思い出してしまったよ。
だから、いちばん最初に、東電前アクションで受けたときの印象――電力会社って、実は隠蔽なんて頭のいいことは出来なくて、単に仕事ができないだけなんじゃないか?――って、間違ってなかったよ。
相馬市の酪農家の人が、「原発さえなければ」って、壁に遺書をのこして自殺したでしょ。
NHKのドキュメンタリーで、その遺書の映像を見たよ。でも、東電の人間って「はあ? なんで死ぬことあんの?」とか思ってそうで、マジで怖くなった。
それは、彼らが冷酷なのではなく、「自分たちのせいで人を死なせてしまったのではないか」と考えるロジックが、欠落していると感じるからです。
(C)2011イトーカンパニー/ポニーキャニオン
| 固定リンク
コメント
廣田さま
こんばんは。
廣田さんの「実は隠蔽なんて頭のいいことは出来なくて、単に仕事ができないだけなんじゃないか」という指摘は間違いないです。
東電は、この間違いだらけの報告書を真剣に作成したのです。
何故なら、この原発逆風のなか、刈羽原発を再稼動させるには、この報告書が肝。正念場ですよ。
一般常識があれば、ここは真剣にミスの無いように報告書を作るのが普通なんです。
しかし、結果はこの有様。
この状況から、福一以前の原発に関わる仕事、つまり「正念場ではない状況下」での仕事全てに、今回以上の「誤り」が潜んでいる可能性が非常に高いとの考えに至るのは自然なことです。
それを見過ごされてきたのは、経産省、保安院とズブズブだったからと思われます。
このニュースは表層だけなら「東電馬鹿だな」で看過されそうですが、僕はこのように大きな問題を抱えていると推察しています。
「正念場」でも239箇所もミスをしてしまう間抜けな企業に原発を、僕らの命を預けられますか?って質問を皆さんに投げかけたい。
こんな企業が原発を動かしていたのです。
皆さん、これで分かりましたよね!?
このニュースはもっと大きく取り上げられるべきですよ!
投稿: かまた | 2012年3月14日 (水) 21時34分
■かまた様
>このニュースは表層だけなら「東電馬鹿だな」で看過されそうですが
僕も最初は、「やっぱり東電はアホだなあ」と、嘲笑して終わらせてしまうところでしたよ……。
東電の公式サイトで、記載ミスがどんどん見つかっていく過程が記されていますが(http://www.tepco.co.jp/cc/press/12031202-j.html)、「恥ずかしいことをした」「申し訳ないことをした」という羞恥が、まるで感じられません。
彼らは再稼動したくてしょうがなくて、報告書を作成したはずなのに、「間違ってたから再提出」「もう一回、再提出」……これはもう、仕事ではないです。
普通の職場なら、怒鳴ったり殴られたりすれば、「ああ、失敗した」と反省しますよね。電力会社は、拷問にかけても「いったい、何が悪いんですか?」と、最後まで分からないんじゃないでしょうか。
だから、東電だけ遠い異国なんですよ。まずは、その病的な異質性を認めないと。
>皆さん、これで分かりましたよね!?
うーん……。日本の皆さんは、お優しいですから。「食べて応援」ですから。
何が起きているのか、分かってない人が大多数で、分からないままお墓に入るんでしょうね……。
投稿: 廣田恵介 | 2012年3月14日 (水) 22時08分
廣田さま
>「恥ずかしいことをした」「申し訳ないことをした」という羞恥が、まるで感じられません。
東電以外の第3者が、報告書のミスを白日の下に晒しているようなクールさが素敵ですね(失笑)
僕なら仕事でここまでミスをしたら死にたくなります。
>だから、東電だけ遠い異国なんですよ。まずは、その病的な異質性を認めないと。
「ヤックデカルチャー・・・」
>何が起きているのか、分かってない人が大多数で、分からないままお墓に入るんでしょうね……。
その方が、幸せではないですかね?
お恥ずかしい話、彼らが羨ましく感じるときもあります。。。
でも、抗うしかないです、現実を知ってしまった以上は。
投稿: かまた | 2012年3月14日 (水) 22時53分
■かまた様
>東電以外の第3者が、報告書のミスを白日の下に晒しているようなクールさが素敵ですね(失笑)
「いずれも評価結果に影響を及ぼさない」って、三回も書いてあるんです。この、頑として非を認めないところが、オウムっぽいんですよ……。
>僕なら仕事でここまでミスをしたら死にたくなります。
経産省もそうなんですけど、「ふつうの企業でそれを言ったら、仕事なくなるよ?」という失言を、彼らは平然とやるんです。
ホームページに「より良い表現に見直した上で再提出」って書いてあるけど、何が誰に対して「より良い」なのか? 文意が汲みとれないです。
こういう幼稚さ・迂闊さを、何十年も認められてきた組織ですから。そりゃあ、二百ページもの賠償説明書ぐらい、素でつくっちゃいますよ。
>その方が、幸せではないですかね?
原発も放射能も、幽霊みたいなもんですからね。
残る人生、面白おかしく暮らして、安楽死みたいに楽に死にたい……という人が大部分でしょうね。
そういう人たちを、責めはしないです。
投稿: 廣田恵介 | 2012年3月14日 (水) 23時47分
廣田さんお誕生日おめでとうございます(*^▽^)/★*☆この世に生まれた日はどんな日でも素敵です。
投稿: くりか | 2012年3月16日 (金) 14時15分
■くりか様
ありがとうございます!
うちのお母ちゃんが、僕を生んでから45年もたったと考えると、母の偉大さを実感します!
投稿: 廣田恵介 | 2012年3月16日 (金) 14時29分