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シネマガールズ Vol.9 本日発売
●映画女優ランキング50
過去五年間の商業映画から、出演本数に準じてトップ50人を選出。とにかく、主観的にならず、誰も傷つけないように選ぶにはどうしたらいいか?を編集とよく話し合いました。
何人分を書いたかは覚えてないけど、「今まで語ってこなかった女優を、あえて書いてほしい」との要望だったので、12月だけで20本ぐらい、映画をレンタルしてきて見ました。
昨年は、映画業界全体の収益が、大幅に落ち込んだんですね。特に、邦画の興行成績が良くなかった。「80億円以上のヒット作が何本もある時代」は、もう過去のもの。一時代が終わったんです。
今回の女優ランキング企画に賛成したのは、総括的な意味もこめて……なんですね。
僕が「シネマガールズ」にかかわりはじめた07年~08年ごろが、いちばん日本映画が面白かったような気がする……今でも、低予算の邦画は好きですけどね。
局主導の、テレビの延長線上にある邦画ばかり見てたら、実は日本には、優れた監督や俳優がいっぱいいるってことを、見落としてしまう。
テレビドラマを映画に……って、やっぱり安易な発想だったんだよ。もう、テレビ局が天下の時代は終わったと思う。
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前から見たかった『英国王のスピーチ』をレンタル。ジョージ6世が即位する前後、彼のコンプレックスである吃音を、平民で何の資格もない調音師が矯正する。
その調音師の教室に、ジョージ6世がたずねてくる。
建物は古く、何層にもはがされた壁紙が、まるで模様のように見える。あるいは、絵画か、ロールシャッハ・テストのようにも見える。
苦悶するジョージ6世の、千々に乱れた心を表現しているような、そんな壁紙を、カメラは何度も、大きく映しだす。
しかし、調音師の後ろには、粗末だが丁寧に磨かれた調度品が並んでいる。その背景は、彼の内面が、長い時間をかけて生理整頓されてきたことを表している。
そればかりか、彼が自宅に帰ると、教室とは正反対に、規律正しいパターンの壁紙が貼られていて、まるで絵画のように安定した構図なのだ。人物を描くのに、何も役者だけに頼る必要はないんです。
映画を見るんなら、そういうところを見てほしいな。
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夜中に目が覚めてしまったので、ムービープラスで『ロボコップ』。
冒頭で、激化する反核デモに対して、フランス製中性子爆弾を使うというニュースが流れて、ドキッとする。
そんなのは序の口で、たったひとつの大企業が、あらゆる分野で利権を手にしている……この未来像に一番似ているのは、今の日本でしょう。
小さな家庭を持ち、実直に仕事をこなしていた一警官の人格を犠牲にして、企業内の派閥争いの道具として、ロボットにしてしまう。これはSFではなく、現実に起きていることだよね。
そんなことを思いながら、今日も霞ヶ関へ。早くも来週、控訴審なので。ちょっと早く着いてしまったので、経産省前テント村へ。お昼時のせいか、ビラを配っている男性が三人ほど。
受け付けで弁当を食べている人に、「カンパに来ました」と言うと、にっこり笑って「ありがとう」。
デモに行って、叫ぶのはちょっと……と思っている人は、テント村に行くといいです。差し入れでもカンパでも、ただ見に行くだけでも。
「テント村へ行く」という行為そのものが、脱原発の意思表明になります。実際に足を運ぶことがね。
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もうひとつ。msn産経ニュースの「主張」→■
「学校給食は児童生徒が同じ食事を皆で配膳して、味わうことに意味がある。」「同じ食事を楽しむことで子供たちに社会生活のマナーを学ばせ」……気味が悪い。そんなことを教えるから、社会人になってひとりで食事するのが恥ずかしい、なんて歪んだメンタリティを持つことになる。
それにしても、この産経新聞の記者は、500ベクレル越えの汚染牛肉が給食に出たこと、知らないんだねー。
だけど、「500ベクレル? 何の数字ですか?」という人が国民の大多数なので……権威の失墜した大新聞なんかより、そっちの方が重い問題。
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