« ■1231■ | トップページ | ■0104■ »

2012年1月 1日 (日)

■0101■

母の命日です。西日本の方から、とても大きな花束を送っていただきました。これが入るほどの花瓶がないので、明日、探してこないと……。
年賀状も、たくさんいただきました。こうして見ると、去年は出会いと絆の年でした。失う一方だと思っていたけど、気がついてみたら、去年ほど多くの人と知り合った年は、過去になかったんですね。

この場を借りて、皆様に、お礼を申し上げます。


大晦日深夜から、元旦にかけて、永作博美主演の『八日目の蝉』。
0101sub8_large永作博美は誘拐犯の役。誘拐され、やがて実の親のもとへ引き戻される子どもは、井上真央が演じている。
映画は、永作が幼い子どもを連れて転々とした三年間の過去と、成長した子どもの現在とをカットバックで描いている。

「八日目の蝉」とは、「7日間で死なずに、8日目まで生きのびた蝉は不幸なのか幸福なのか」という、例え話のシーンで出てくる。
偽の母子をつづけようとして、とうとう追い詰められてしまった永作博美は、7日間で死んでしまう蝉。彼女から託されたかのように、子どもを身ごもる井上真央は、たぶん8日目の蝉なんだよ。
だから、逃亡しようとする永作と子どもが別れるシーンは、駐車場なんだけれど、永作は地面に書かれた「7」の数字のところで立ち止まっている。そこから先へ、子どもを行かせる。
――いいですね。信頼できる映画です。

他にも、井上真央が、妊娠したことを本物の両親に伝えにいくシーン。井上が坂を登ってくると、背後にまっすぐ、新幹線が横切る。ピーッと一直線に。
それだけで、井上の決意の強さが伝わってくるでしょ? 映画を見るんなら、そういうところを見ないと。


女優的にも、かなり充実していた。過去のシーンには、市川美和子が出てくるし、現在のシーンでは、井上真央にまとわりつくフリーライター役の小池栄子が良かった。
小池栄子はグラビアアイドル出身だから、スタイル抜群なんだけど、この映画では猫背でせかせか歩く様が、存在感たっぷり。美人なんだけど、男性経験ゼロ。フリーライターと言いながら、母親に食わせてもらっている。「ああ、こういうイタい人、いるよなあ」って。

だけど、井上真央が妊娠検査薬を試しに行くシーンで、小池栄子は思わず立ち上がって、井上の背中を見送るんだよ。「彼女も、心配してるんだなあ」「気にしてるんだなあ」と分かるでしょ。
――そういう瞬間を、見たいんです。人間を感じたい。映画を見るのは、他の人が得た人生観や世界観を知るため。その人(監督でも女優でも構わない)が、どうやって生きてきたかを、感じたいからです。


僕らは「価値観の多様化」などという、うわっつらの言葉で「他人への無関心」を肯定してきた。社会がバラバラになるのを、ほったらかしにしてきたのだ。
僕は今年から、自分で「孤独」と言うのを、やめにする。そんなことは、母が悲しむ。

一年前のこの日は、警察で何時間も待たされ、三鷹に帰って来たのは夜の8時ぐらい。10年間も書いてきた本からは下されるし、精神的に破産したような気分だった。
だけど、数え切れないほど多くの人たちが、仕事の面でも、また、精神的な面でも支えてくれた。それで「孤独」なんて、口が曲がっても言っちゃいけないでしょう。

(C)2011映画「八日目の蝉」製作委員会

|

« ■1231■ | トップページ | ■0104■ »

コメント

とある人の今年の年賀状の言葉が
『笑門来福』でした。
いい言葉だと思いました。

また明日、笑いましょう。

投稿: tanakyan | 2012年1月 2日 (月) 19時28分

■tanakyan様
昨年は、お会いできませんでしたね。
今年また、瀬戸内海方面へも行くつもりです。機会があれば、お会いしましょう。

>『笑門来福』

……正直、その言葉には複雑な気分ですね。
例えば、例年のように正月のバラエティ番組を見て笑っている人は、幸せなのかな?と考えてしまうのです。
でも、お気持ちはありがたく受けとっておきます。

投稿: 廣田恵介 | 2012年1月 2日 (月) 20時29分

今年もアニメや映画の作品紹介や解説で一方的にお世話になると思います。
よろしくお願いします。

本日21:30からTBSラジオで吉高由里子が竹中直人の番組にでるそうです。あと矢口史靖監督も出ます。

投稿: DH98 | 2012年1月 2日 (月) 20時43分

>例えば、例年のように正月のバラエティ番組を見て笑っている人は

ああいえ、そんな安い笑いじゃ福なんて来やしませんよ。

だからね、『いつかの明日』でイイですから。

投稿: tanakyan | 2012年1月 2日 (月) 21時08分

■DH98様
ありがとうございます。今年も、アニメや映画はいっぱい見ますよ!
そして、少しでも、その良さを広めていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

>TBSラジオ

確か、最後に聞いたのは『メガゾーン23』のラジオドラマですね(笑)。

■tanakyan様
新年早々、失礼しました。そうですね、確かに「安い笑い」ですね。

>だからね、『いつかの明日』でイイですから。

ありがとうございます。そこまで言っていただいて、本当に恐縮です。

投稿: 廣田恵介 | 2012年1月 2日 (月) 21時30分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■0101■:

« ■1231■ | トップページ | ■0104■ »