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2011年12月23日 (金)

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昨夜は、六本木で日中合作アニメ『チベット犬物語~金色のドージェ~』の試写会。一般の親子客に混じっての鑑賞。
1223originalどちらかというと地味で渋めの話なのに、子どもたちは、最後まで飽きずに見ていた。「ポケモンみたいなキャラじゃないと、ダメなんだろう」というのは、汚れた中年男の偏見。

人間と犬が、同じセルで描かれると、それは同じ形質のものなわけですね。霊的に同質、というのかな。
すると、このアニメに登場するライオンのような犬は、主人公の少年の潜在意識のようなものだろう。(何かに似ていると思ったら、『禁断の惑星』に登場するイドの怪物は、ライオンみたいな形だった)
少年時代に、猛々しく豊かで、寂しい体験があった。その体験が形を得たのが、金色の犬だと考えると、物語の「現在」に犬がいないのが、非常に分かる気がする。

ただ、動物をリアルに、カッコよく見せて、なおかつ感情移入させるのは至難の技だと思った。子犬の動き・表情は、とってもうまくいっていた。(動物作監も、ちゃんといます)
来年1月7日公開。単館でモーニングショーのみなのが、キツいかも。→


試写会は夜からなので、三鷹駅前で、立ち食いそばを食べてから行った。
店内に、山ほど荷物を抱えた男がいて、大声で不満をわめきちらしていた――まあ、どこにでもよくいますよね。誰の役にも立たずムダに生きてしまった男って、世の中に復讐するしか、やることなくなっちゃうんです。

いつもなら、誰もが聞こえないフリをするのに、隣で食べていた30歳ぐらいのメガネの人が「オイ、いい加減に黙れよ」と立ち上がった。店員さんも出てきて、2人して男を追い出してしまった。
その男の人は、草食系というか、あまりケンカしたりするタイプには見えなかった。店を出るとき、すごく爽やかに「ごちそうさま!」と言っていたので、さぞかし、高揚感・充実感があったのだろうなあ……と嬉しくなってしまった。
もし、誰もが「聞こえないフリ」をしていたら、どんな殺伐とした無力感を味ったことだろう。ひとりが発言することで、周りもいい気持ちになれる。

先日、自社による放射能検査でお馴染みの「すき家」に行ったら、前の席に座った80歳ぐらいの老人が「おおーい!」と怒鳴るんです。「こっちは、ずーっと待ってんだよ!」と。
いつまでも、自分を若いと思っている。横柄な態度をとることが、強さの象徴だと思っている。
いい加減、僕も黙らせよう。こういう老人たちを。


ツイッターでフォローしていた漫画家さんが、東京から疎開してしまった。
もともと東京出身の方ではないので、あまり躊躇はなかったように見受けられた。僕も母も、この武蔵野に生まれ育ったので、積極的に避難する動機がない。

六本木には、あいかわらず外人がたくさんいた。
1223caffylmr30代の半ばごろだったかな。異業種の偉い人に、六本木のキャバクラに連れて行ってもらったことがある。泥酔していたので、ほとんど記憶がないのだが……「何もかも、皆、なつかしい」とセンタメンタルな気分になってしまう。

「俺は、まだまだ、こんなもんじゃない」と思っていた。深夜まで、友だちと映画のプロットを練って、よくケンカもした。とこしえに輝く「自分の可能性」を信じられたんだ。遠くにあるものは、何だって、美しい。

いまは、一緒に戦ってくれる編集者が、僕のすべて。彼らのほかには何もいらない、と言ってもいいぐらい。

(C)楊志軍/「チベット犬物語 金色のドージェ」製作委員会

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