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2011年11月22日 (火)

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別冊ザテレビジョン LOVEアニメ 26日発売予定
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大ボリューム 総力特集 映画「けいおん!」
角川系の情報誌に書くのは、たぶん二年ぶりぐらいでは……。
総力特集の、思い切りはじっこを書いたと思います。
アニメ誌では書けないアニメ記事の書きかた、というものがあります。それを編集さんと暗中模索した感じです。

徹底特集「化物語」/「偽物語」/「傷物語」
こちらも、ほんの数百字のお手伝いです。
やっぱり、情報誌の編集さんは、数百字でも「ストーリー」を考えます。投げっぱなしで「あとは調べてね」「これぐらい知ってるよね」はナシです。

『けいおん!』に関しては、他誌で、ちょっと突っ込んだ記事を書きました。
この作品に関しては、基礎情報を書けば書くほど、本質からズレていく。例えば、『エヴァンゲリオン』の人物紹介をしても、それは『エヴァ』の本質ではない。
『けいおん!』のヒットについて語ることは、いま最も難しいと思います。

同誌では『けいおん!』のグラビアとインタビューのほか、
・『NEWラブプラス』特集
・2011&2012アニメガイド
・『イナズマイレブン』北原沙弥香インタビュー&グラビア
・『WORKING´!!』…種島、伊波、山田描き下ろし
・『アイドルマスター』
・『侵略!?イカ娘』…描き下ろし
・〈物語〉シリーズ特集
・SKE48・松井玲奈グラビア


新宿武蔵野館では、今月いっぱいで上映終了なので、『ハラがコレなんで』を見にいってきた。
Harakoremain_large『時をかける少女』(実写のほう)を試写会で見て、『セブラーマン2』を立川シネマシティで見たときは、「もう20歳だし、仲里依沙も、ここまでかな……」としみじみしたものだった。(その辺の心境は、以前に「シネマガールズ」に書いたはず)

ハードボイルドのように、ソリッドな映画。無駄なセリフがない。にも関わらず、ほとんどすべてのセリフが、ギャグとして機能している。
仲さんの決めゼリフはもちろん(というか、ほとんど全て決めセリフ)、セリフのないシーンの動きとか、全てにおいて曖昧さがない。ぜんぶ、ピタッと意味がある。
例えば、お腹が出てるのに、わざわざ「妊娠してるのか」とは、聞かないでしょう? だけど、劇中にそういうセリフが出てくる。それは「粋じゃないな」と否定されてしまう。


哲学があるんだ。
この10年ほどのあまり、邦画を支配していたアンニュイさが無い。主張だけがある。――ガンマンが銃を抜いて、酒場のドアをバーンと開いたら、もう説明は不要でしょ? そういうことです。当然、「泣かせよう」なんて思ってない。そういうシーンはない。
だから、「妊婦」という主人公を手に入れた瞬間、思い切りがついたんだと思うよ。

さて、「思い切り」といえば、これは書くのに迷った。これから見にいく人は、下記は読まないほうがいい気もする。
――この映画のクライマックスは、福島県なのだ。無論、映画の撮影は、事故の前だろう。何の批判性も狙いもない。
なので、僕は頭の中で福島県を「日本のどこか」と言いかえていた。そうであっても、ストーリー自体は成り立つからだ。

だが、くどいまでに「福島県」と言われた後に、仲里依沙が、あるセリフを言う。
それは実は、偶然にすぎないのだが、やはり福島県で……少なくとも被災地で言わないと、力が弱まってしまうように、僕には聞こえた。
どう聞こえるのか、当地の人たちにも聞きたいし、離れた人たちにも聞きたい。

このような時代に、なぜこうした作品が現れたのが、不思議で仕方がない。
公開時、「ふくしま県」を「とくしま県」、あるいは架空の県にできなかったのか? あるいは、敢えて、しなかったのか。
何だか、不思議な熱をはらんだ映画となった。

(C)2011「ハラがコレなんで」製作委員会

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