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本日がシメキリなので、再告知。
藤津亮太氏の主催する「第二回アニメレビュー勉強会」です。→■
現状20名ぐらいで、まだ余裕あるみたいなので、迷っている方は急いで!
廣田は、12時回のゲストです(15時回は上田繭子さん)。
商業本に書いていると、時として「判で押したような」レビューを求められることがあります。そういう時は、己を殺して書くのです。しかし、思考は判で押せません。
レビューは、これから作品を見る人に期待を抱かせ、世の中を少し明るくするものですから、書ける人が多くなるのは、喜ばしいことです。
僕はそう思って、文筆業をしていますが、勉強会当日は、ヘンな話をいっぱいすると思います。よろしくお願いします。
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さて、今日は「除染」の話をします。
いわき市で『マイマイ新子と千年の魔法』上映会をやったおかげで、当地の知り合いが増えました。その中のお一人から、「子どもの通学路を、除染してもらえることになった」と喜びのメールが来ました。
他にも、「ちかくの川でストロンチウムが検出された」とか、あるいは「この辺りのアスファルトは0.07μSvぐらい」と、意外な情報が聞けました。
いわき市と言っても、北のほうは30キロ圏内ですが、首都圏より線量が低いところもある。すっごく広いんですよ。だから、「まだ福島に住んでるの? 早く避難を!」と、それこそ判で押したように叫ぶ人には、違和を感じます。
僕は最初、自分の居住圏内にある玉川上水の緑は、汚染されてないと信じてたんですよ。
でも、その後に出てきた情報から、玉川上水どころか、この部屋のベランダの排水溝や換気扇、ぜんぶ汚染されてると考えたほうが、自然だよなあ……と(笑)。
そうあきらめた時、頭に浮かんだ浅知恵は、「せめて、井の頭公園や玉川上水の一部だけでも除染しよう!」「地元の友だちと一緒に、除染のためのNPOをつくるのだ!」という、壮大すぎるプラン。
すでに除染専門のNPOがあることを知ったのは、友だちに呆れられた後でした(その話をした春ごろは、節電のために吉祥寺の街は暗かった)。
ともあれ、自分の故郷ぐらいは、何とか綺麗にしたいと思うんです。だって、くやしいじゃないですか。
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で、そのいわき市の方からのメールを踏まえたうえで、ETV特集「果てしなき除染 ~南相馬市からの報告~」を見たわけですよ。→コレ国会でのブチキレぶりが素晴らしかった、児玉龍彦教授が出演。
番組を見ていて「?」と思ったのは、「除染しないと、子ども達が帰ってこられない」という、地元の方の発言。
それは、地域のエゴでしょう。僕は、三鷹・武蔵野がゴーストタウンになっても、ひとりで除染をつづければいいや――ぐらいに思っていたので。
早い時期に逃げた人、これから避難する人に、戻ってきてほしいとは思わないなあ。ただ、残るんなら、気休めだろうがなんだろうが、除染を……くらいの気持ちでいたんですが。
ともあれ、原発事故は、人間関係をズタズタにするよなあ……と、番組を見て、あらためて思ったのでした。
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児玉教授は、SPEEDIの公表を遅らせた原子力安全保安院を「悪意があるとは言わないが、能力がなかった」という責め方をしていました。
僕も、そう思います。すぐ政府や東電の「陰謀」にしたがる人がいますが、彼らは、謀りごとが出来るほど、優秀じゃありません。たんに無能なんすよ。
ものすごいミスしちゃってるのに、気がつかないか、気がつかないフリする人って、どこの職場にでもいるでしょ? 後から、みんなにバレて大騒ぎという――ああいう困った人が、恐竜的に肥大しちゃったのが経産省や東電だと思ってください。
……いろいろありますが、今日は、新しい仕事の打ち合わせ。吉祥寺です。
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