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2011年10月17日 (月)

■1017 ラグランジェ■

昨日は、NISSANホールで『輪廻のラグランジェ』()製作発表会でした。
16cadv2eet_2(ラッピングカーが作られていることは知っていましたが、まさか、こんなお洒落なデザインとは!)

僕が『ラグランジェ』(愛称:ラグりん)で、どういう仕事をしていたかは、具体的には書きません。
同業者なら、何となく察せられるんではないでしょうか。テレビ放映前から関わらせていただくのは、『ノエイン』以来となります。

僕が最初にプロダクションI.Gさんから連絡をいただいたのは、今年5月末です。だから、約五ヵ月の付き合いになります。
昨日の製作発表会が、ひとつの区切りだと思うので、守秘義務を守ったうえで、雑感を。


昨日、ようやく日産自動車によるロボット・デザインが公表され、朝のニュースでも取り上げられたそうですが、私は最初の打ち合わせで、ロボットのデザイン・スケッチを、大量に見せられたのです。
だから、てっきり、シリアスな重たいストーリーかと思いました。なので、終末感のただようキーワードを頭に思いうかべつつ、シナリオを受けとって、帰途につきました(IGは、自宅から徒歩数分)。

だけどまあ、読めども読めども、学園なんです。ジャージ部なんです。だから、「先に女の子キャラだけ出して、ロボットは隠す」という宣伝戦略は、正しいように思えてきました。
ただ、お客さんをだまさないように、後から考えても「確かに部活モノだよな」と思えるような方向で、ビジュアルもコピーも決まっていたんです。
むしろ、自分から割り切って「ジャージ部押し」に加担していったように思います。

ただ、文章を納品して、やっとお金のもらえるのが、私の仕事です。会社員の方と違って、打ち合わせ時間は、お金にならないんですね。
でも、打ち合わせに出ると、プロデューサーの方や宣伝担当の方が、どういう要素を重視しているか、よく分かるんです。なので、皆さんの意向を汲むために、なるべく打ち合わせには出席したほうがいい。
その場で、自分の意見も言えますし、逆に、外部の人間である僕に意見を求められることもありましたし……IGが近所だから、たまたま出席しやすかったんですけどね。

ほぼ毎週、顔を合わせていた各社の皆さんが、製作発表会でジャージを着て生き生きと働いている姿は、ちょっとウルッときました。
だって、「製作発表会、どうしましょうか?」と話している時期は、「ホントにできんの?」という感じだったんです(笑)。ネット配信とか、「本気?」とか思っていて。でも、やっぱり皆さん、プロでしたね。

やっぱり、現場を見ていかないと、人間のことは分かりません。


だけど結局、すごく良かったのは、「ラグりん」が重苦しいシリアス物ではなく、何が出てこようが、青春一直線だったことだと思います(って過去形で語っていますが、放映開始は来年です)。
第1話をご覧になった皆さん、ロボットが出てきても、部活っぽさは消えなかったでしょ?

これが「運命」とか「破滅」とかのテーマだったら……ある意味、5月ごろの僕の気分にはハマったかも知れないけど、気分的に、どんよりしたままだったでしょうね。

だから、この五ヶ月、三鷹界隈で打ち合わせをつづけてきて、その間に、いろいろ気持ちが救われていたんじゃないかって、昨日の発表会で、気がついたんです。
現実が重たかろうが、他のアニメがどうであろうが、このアニメは常に青空、青い海なんだ、と――気がついた人もいるかと思いますが、背景のカゲ色が、黒ではなくて「青」なんですよ。

本放送まで、3ケ月もありますけど、『輪廻のラグランジェ』をよろしくお願いします。

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コメント

廣田さま

日産と『輪廻のラグランジェ』のコラボ、まさか、こう来るとは(笑)
これは面白いです。今、日産は日本車のなかで、最もチャレンジングなデザインをしているメーカーだと思うので。
一見違和感を感じるぐらいのデザインが楽しいです。車好きのツボを押さえていますね。
ディティールに凝るよりも、シルエットやラインで魅せていく手法はまさに今の日産車デザインに通じるものがあります。

あと、ロボットが出てくるアニメというのも意外でした。

楽しみにしていますよ!

投稿: かまた | 2011年10月17日 (月) 22時48分

■かまた様
>車好きのツボを押さえていますね。

車好きの人から見ると、ラインの意味が、より分かるみたいですね。
それをアニメ文脈でしかとらえられない人は、「エヴァのパクリ」とか言っていますが、おおむね好評のようで、良かったです。

>今、日産は日本車のなかで、最もチャレンジングなデザインをしているメーカーだと思うので。

やっぱり、そうなんですねー。
しかし、プロが凝ってデザインしたものを、女の子主人公の部活モノに組み入れてしまう大胆さが、実に「エンターテインメント」だと思います。

これをマニアックな難しいストーリーにしなかったのは、本当に正解だったと思います。
こういう時代だからこそ、明るく元気で、建設的な作品が必要なんですよ。

……と言いながら、毎晩『ギャラクティカ』を見てるんですけど。

投稿: 廣田恵介 | 2011年10月17日 (月) 23時40分

廣田様

>アニメ文脈でしかとらえられない人は、「エヴァのパクリ」とか言っていますが

僕は常々車好きであることを後ろめたく思っているのですが、様々な文脈で捕らえることが出来るのは、人生を豊かにすることかもしれませんね。

>やっぱり、そうなんですねー。

あくまで主観ですが、ウォクスシリーズはラッピングカーにもなっている『ジューク』、敵メカ?のリベルタスたちには『GT-R』や『フェアレディZ』『エルグランド』が入っていると思います。日産テンコ盛り。

>明るく元気で、建設的な作品が必要なんですよ。

同感です。今のアニメって面白いのが揃っていますが、世相を反映してか、どこか破滅的なの多いような気がします。
『ギルティ・クラウン』の世界観なんて、これからの日本を見せ付けられたようで鬱々しますし、『輪るピングドラム』も息が詰まりそう(見ちゃうけど・・・)
楽しい気持ちで『輪廻のラグランジェ』を見れる日が待ち遠しいです。

>毎晩『ギャラクティカ』を見てるんですけど。

一緒です(笑)自分は何故か落ち込んでいる時ほど見たくなります。
己の義務を果たすための原動力ですよ。

投稿: かまた | 2011年10月18日 (火) 00時27分

■かまた様
やっぱり、車好きから見ると、より豊かなデザインに見えるんですね。
実は、カー雑誌がたくさん取材に来ていたそうです。クルマ文脈からロボット・アニメが読み解かれることは、非常に有意義だと感じます。
やっぱり、アニメからの視点だけでループしていては、袋小路ですからね。

>『ギルティ・クラウン』の世界観なんて、これからの日本を見せ付けられたようで鬱々しますし、『輪るピングドラム』も息が詰まりそう(見ちゃうけど・・・)

企画自体は、かなり前から進めるものなので、内容の暗さは偶然なんでしょうけどね。
僕はむしろ、日常系アニメのほうがファンタジーに見えます。「これは原発も放射能もない世界だ」と思い込まないと、見てられない。

『ギャラクティカ』は、最も絶望的なS4の10話~11話を見ました。
こんな凄い作品をつくった人類が、そう簡単に滅びてはいけません。

投稿: 廣田恵介 | 2011年10月18日 (火) 01時00分

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