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2011年9月12日 (月)

■0912 四本足のモビルスーツ■

ガールズバーで知り合った男から、夜中すぎに電話があった。
「廣田さん……、四本足のモビルスーツって、本当にいるんですか?」 あまり酔っている風ではない。バーのボーイが、古今東西のモビルスーツにやたら詳しいので、ちょっと議論になったらしい。

その時間に行けば、モビルスーツ好きのボーイが、何万円分か、おごってくれるという。し6882かし翌日、どうしても外せない取材があったので、やむなく断った。
(←これが四本足のモビルスーツ)

「例の、大きな仕事は終わったんでしょう?」と、彼は聞く。ちょっと、ロレツが怪しい。
「大きな仕事って?」「福島県へ行くって言っていたでしょう?」――ああ、いわき市の映画会のことか。
「それだけじゃなくて、この前のお礼がしたいんですよ」。彼は、シラフの時でも、そんなことを言っていた。僕は、酔いつぶれた彼を、タクシーへ押し込んだことしか、覚えていない。

彼は、父親を亡くして、最近ようやく、飲みに出る気分になれたらしい。
僕の家庭がどうなったかも、彼は知っている。
――だから、嬉しかったよ。誘ってもらえて。


ここ最近、血なまぐさいことを書いてきたが、コメント欄の一言で、冷静になれた。

『とある飛空士への追憶』もそうだし、何本かのアニメにも、とげとげしい心を受け止めてもらえた。『輪るピングドラム』、『うさぎドロップ』、『花咲くいろは』――いずれも、放送時間には仕事の手を休めて、リアルタイムで視聴した。

細かく言うと、僕は「ストーリーが」「キャラが」というよりは、「絵づくり」を見ている。そこに、人の「手わざ」みたいなものを感じて、ホッとするんだと思う。
それ以上に、やっぱり、「セル画」の柔らかみ、語弊をおそれずに言うなら、ぬり絵的な「幼稚さ」みたいなものも、安心感を生み出していると確信している。
セル画の甘い質感が、心を内側に向けさせてくれる――絵本を読むような感じで。

いわき市での『マイマイ新子と千年の魔法』上映会のときに、幼児が足をとめるんですよ。セル画のポスターの前で。だから、「セル画は現代の浮世絵」とかいう前に、子どもの目にアピールする要素が、強烈にあるはず。
「アニメは嫌い、見ません」という人は、まずセル画のもつ幼児性に、抵抗があるのではないか。

逆をいうと、被災地で『マイマイ新子』を上映したのは、内容は深くあるけど、やっぱり「セル・アニメ」なら、子ども達が集まってくれる……と踏んだから。
傷ついた人、疲弊している人でも、アニメなら見られるんじゃないか。そう考えた。『うさぎドロップ』でやっていたけど、薬をジュースに混ぜて、飲みやすくしてやるようなもの。


……と、ここまで書いたところで、ショッキングなニュースに出会った。
上関原発反対に協力してきた、10~20代の若者たちが、昨日から経産省前でハンガーストライキを開始した。→

俺も、巷の反原発運動に関しては、この半年間で、いろいろ考えた。
でも、このハンストには(若者に任せてしまっているという罪悪感も込みで)胸を打たれた。彼らが黙殺されず、あちこちから取材を受けているのは、いいことだと思う。それらの取材に、彼らが笑顔で答えているのも。

独身中年男としては、深く静かに、確実なことをこなしていくのみ。

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