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2011年9月 4日 (日)

■0904 東京の空気■

いわき市での最終日は、復活したアクアマリンふくしまへ。
Icak6cmoe(←環境を再現するため、熱帯温室のようになっているのがスゴイ)
震災後、多くの魚や海獣たちが、全国の水族館へ移されたり、あるいは復旧のために、新たに寄贈されたりしたそうです。そういうネットワークができてるんですね。

そして、多くの生き物を見ているうち、「ああ……人間は、彼らの仲間ではないんだな」と、つくづく思いました。
昨年、友人の出展しているTシャツ展で知ったのですが、縄文時代って一万年もつづいたんですよ。放射性廃棄物は、その十倍、百倍も管理していかないといけない。

ちなみに、この日、駐車場で待ち合わせたS氏は、線量計をかざして「0.07です」と笑っていました。いわき在住の方から、「0.12ぐらいに上がってしまった」と聞いていたのですが、日によって、半分ぐらいになる。海に面しているせいなのかな。


「いわき市に、上映会に行く」と言ったら、不動産屋のおばちゃんは「福島県? あら、危ないじゃないの」と目を丸くしていた。……まあ、この人は、いつも飄々としてるから、これでいいんです。
でも、「福島県」というエリアが危険なのではなく、人間が決めた県境なんて無視して、放射性物質はふりそそぐわけですよ。だから、同じ東京でも、場所によって違う。
いわき市だって、建物の中は低いけど、FMいわきの発表では「0.17」と言っていました。東京・葛飾区では、その値を、はるかに超えている箇所がある。
どこが安全とか危険とか、一概には言えない。

だから、ツイッターで見かける「福島県から、ただちに逃げよ」という叫びには、ちょっとクエスチョンマークがつく。避難せねばならない箇所がある……というのが、正確だと思います。
ちょっとビックリしたのは、「私が首都圏に住んでいたら、原発事故後、三時間で脱出した」と豪語している方。関西にお住まいの方でした。ま、そんだけ離れてれば、何とでも言えますわな(笑)。

そもそも、原発事故から三時間後? まだ帰宅できない人が、東京中にひしめいていましたよ。余震がつづいていたから、外に出るのも怖い。誰も、放射能のことになんて気が回らなかった。いつ輪番停電が来るのかと、そればかりですよ。

むだに優越意識をむき出しにすると、同じ国の中で対立を呼びかねない、と思うのですよ。


いわき市からの帰途、なんとなく、原発や放射能に対するイライラが、すーっと消えていったように感じた。
でも、それはたぶん、気のせいで(笑)、東京駅から中央線に乗ると、東京独特の「何が起ころうが、われ関せず」という沈黙の空気が、むわっと漂ってきた。

ツイッターにあふれる、反原発・脱原発ツイート……。
たとえ自己満足でも、デモはつづけた方がいいと思う。黙っているよりは、絶対にマシだから。しかし、知っていながら黙っている権利も、また認めなくてはならない。僕には、その視点が欠けていた。
人それぞれに、事情というものがある。

「今すぐ廃炉に」と、僕にはもう言えない。今日から、全国の原発の廃炉が始まったとしても、30年かかる。それは、僕らの子どもの世代が作業するということ。
その罪深さを呑み込んで、初めて「廃炉に」と言える。でも、脱原発を叫ぶ人の中で、「被曝を覚悟して、俺たちが廃炉作業します!」と言える人が、はたして何人いるだろう。
結局は、自分より若い世代に押しつけるんだ、という罪悪感こみで、初めて「脱原発」と言えるのです。

状況を変えたいのなら、具体的に。
たとえば、電力会社から、送電線を取り上げるんですよ。すごく良い署名があったので、読んでほしい。→
そもそもね、原発推進の旗をふってきた経産省は、東電から電気を買ってないよ。「東電は高いから」と、他社から買っている(一般家庭では買えません)。原子力マフィアたちのワガママ勝手な振る舞いを、叩き壊したいんだ、私は。

それは、「自然エネルギーにしたい」というよりは、エゴを生み出す独占体制を葬り去りたいからです。
意見をどんどん口にできる空気は、とても大事。しかし、どうせリスクをおかすなら、実効性のあることをやっていこう。

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コメント

お腹一杯になるブログでした☆

確かに、「廃炉にせよ!」は、被曝覚悟で廃炉作業をしてくれる方あっての廃炉って事になりますもんね。

「何が起ころうが、我関せず」

学生の時、群馬から都心まで電車で通っていて、都心の満員電車を初めて経験し、人身事故が起きた時の、周りの乗客から聞こえる沢山の舌打ちが、今でも忘れられません。
確かに迷惑かもしれないけれど…。
沢山の乗客からみたら、乗客の都合から考えたら、人身事故でさえ舌打ちにしかならない程度に流されてしまう。

更に、無表情でありながら、皆必死で、周りがどんな人(老人・妊婦)であろうと座席を確保しようとする大人達。

そんな空気を初めて味わった、自分には衝撃的な空間でした。

群馬から埼玉、そして神奈川と少しずつ大きな街へ移り住んでいますが、
小さい子がデパートで癇癪を起こしていても、大きな街から離れれば離れるほど「どうしたの?」と微笑みながら近寄る人が多くなる。
大きな街に近くなるほど迷惑な表情を見せる人が増える。

そんな空気があるように感じます。


だから、廣田さんの言っていた、いわき市では、誰かと喋りっぱなしという光景もパッと浮かんできて、それだけで素敵な空間にいたんだなと。
いい時間を過ごされてるなと思いながら、読んでいました。

人が触れ合っていける地域。
いわき市は、素敵な地域だったのですね。

投稿: ナトー | 2011年9月 4日 (日) 07時58分

■ナトー様
そもそも、乗車率200パーセントの満員電車を、みんな鬼のような顔で我慢しているのが、異常なんですよ。
お昼だって、ちょっと時間をずらせばいいものを、12時きっかりにするから、飲食店が大行列になる。
分かりきったことなのに、解決しようとしない。
こんな街で、大災害が起きたら、いったいどうなるのでしょう?

>無表情でありながら、皆必死で、周りがどんな人(老人・妊婦)であろうと座席を確保しようとする大人達。

これを拡大したようなことにしか、ならないでしょう。
そんな光景は見たくないから、東京には静かに過疎化していってもらい、首都機能を西日本に移転してほしいと願っています。

>大きな街に近くなるほど迷惑な表情を見せる人が増える。

日常生活がストレスなのだから、イレギュラーな事態が起きると、適応するだけの余裕がないんだと思います。それは、自分もそうかな……「誰かが、何とかしてくれるのを待つ」姿勢になってしまう。

>いわき市は、素敵な地域だったのですね。

打ち上げのとき、地元の人から、ぶっちゃけ話を聞いたので(笑)、理想化はしてないつもりですけどね。

東京から応援に来た人は、「チラシを渡すと、ほとんどの人が受け取ってくれる!」と感激していました。
それと、入り口に立っていると、足を止めて質問する人が多い。それだけでも、嬉しかったです。

投稿: 廣田恵介 | 2011年9月 4日 (日) 10時06分

脱原発というなら、「廃炉のために大学で原子力を学んで!」って未来ある若者の目をみて言えますか?ってはなしだよね。

小出教授が京都の講演で「今、原子力を学ぶ学生がいない。つまり、このままだと専門家がいなくなる。」と言ったね。これは凄く恐ろしいことだけど、でも当然の流れだとも思う。今の若者を攻める事なんてできないよね...自然エネルギーを学んだ方が夢や未来があると考えるのが普通だろうし。

送電線の国有化。これは、何がなんでも決めてほしい!
せめて、ここまでは...って気持ち。

「脱原発」は、言うのは簡単だけど...抱える問題がもの凄く重い。でも、言わなきゃいけない...キツイ。


投稿: ごんちゃん | 2011年9月 4日 (日) 23時41分

■ごんちゃん様
いま、「脱原発」と言うのがキツイのは当たり前のことで、今まで無視してきたからね。
小出教授も、広瀬隆さんも「事故前までは誰も注目しなかったくせに」と怒っている。だからこそ、あの人たちを信頼しているんだけど。

デモで「脱原発」と言ってもいいし、「今すぐ廃炉」と言ってもかまわない(むしろ言うべき)。だけど、誰かが、廃炉作業をやるんだよ。そのことを、一番最初に考えるべきなんだ。
「もしかしたら、あなたが原発で働くことになっても、いいよね?」という話。それぐらいの覚悟がないと、原子力マフィアに無視されて当然ですよ……という話。

だから、頑張れる人は、今の10倍ぐらいがんばらないとダメ。きついけどね。

投稿: 廣田恵介 | 2011年9月 5日 (月) 00時26分

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