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2011年8月31日 (水)

■0831 上映会裏話その3■

2日間での来場者数は、のべ210名と聞きました。もうちょっと多かった、という情報もあります。
いわき市民の集まるショッピングセンターで無料上映する以上は、暇つぶしに来たり、託児所がわりに使ったり、それで構わないと思っていました。途中から入るのも歓迎、出ていくのも自由。そういう気軽な雰囲気にせねば、エブリアで上映する意味がなくなってしまう。
一見さん、大歓迎。それが基本スタンスです。

ただ、それでも熱心なお客さんは、チラホラといらっしゃいました。2日間、思いつくままに……。


初日第一回の上映がピンチだったことは、昨日、書いたとおりです。
私が「是が非でも上映せねば!」と思ったのは、開場20分前に来て、ギャラリー横のミスタードーナツで、ジッと待っていた女性のお客さんが、いらしたからです。
まずは、この方を裏切るまい……と思いました。エンドクレジットが始まると、ちゃんと見てくれていたお客さんも席を立たれるのですが、この方は違いました。コトリンゴの主題歌まで、ばっちり最後まで。

全般的に、女性客は最後まで見ていかれます。年配の方も、小学生も(幼稚園まで下がってしまうと、ちょっと飽きちゃうみたいです)。
Img_3651_2初日だったか2日目だったか、記憶は曖昧ですが、子どもさんが「帰ろうよ」と席を立ったのに、コトリンゴの主題歌が終わるまで、前の席に乗り出すようにして、最後まで見ていったママさんも、いらっしゃいました。

あと、初日三回目だそうですが、20分前に来て、最後までジッと見ていった女の子数人組がいたそうで……気がつきませんでした。
初日二回目にも、最前列を陣取った、女の子グループがいました。同じ回に、ロマンスグレーの髪の女性もいて、出口で、スタッフに笑顔で話しかけていました。
何を話していたか、私は知りませんし、知る必要もありません。映画は、見た人それぞれのものだからです。


両日とも、14時からの回が、8割ぐらいの入りで、盛況でした。
僕が覚えているのは、2日目だと思いましたが……会場に入ってくるなり、「(座っても)いい?」と聞いてきた女の子でした。ちょっと年下の妹と、お婆ちゃんを連れていました。

お婆ちゃんが「最後まで見ていくんでしょう?」と聞くと、その子は「うん」と大きくうなずきました。お婆ちゃんは、買い物をするから、終わる頃に一階で待ち合わせようと話しています。
私は「だいたい、12時半ごろに終わりますよ」と、お婆ちゃんに伝えました。
さて、女の子は最後まで見て行ってくれたのですが、途中、2~3分の間だけ、席を立ちました。そして、お婆ちゃんの腕を引っ張ってきて、横に座らせたのです。
そして、妹と3人、最後まで見て、笑顔で帰っていきました。

あるいは、帰るとき、お母さんに「面白かったね」と話しかけている子もいたとか……。
やっぱり、主役はお客さんです。映画をめぐって、あちこちで小さなドラマが起きた。それでいいじゃないですか。

失敗とか成功とか、そういうレベルのものではないです。途中で帰った方も、この映画というか、この上映会と「何らかの関係を結んだ」ことは、確かだと思います。


さて、ちょっとバックヤードの話を。
初日には、片渕須直監督が、お忍びで来ていました。チラシを独力でつくった友人Bも一緒です。もう一人、早々と写真入りレポートをアップしてくれた()イラストレーターのひぐちりかこさん。
ひぐちさんは、いわき出身なので、監督に「連れていってあげてください」とお願いしたのです。

私は、彼ら3人を「お客さま」として出迎えたつもりでしたが、友人Bもひぐちさんも、廊下でチラシを配ってくれました。監督は、いわき側応援スタッフの方たちに、サインを書いてくださいました。
Cahq0m7xすさまじかったのは、友人Bですね。持参したウエダハジメさんのイラストのほか、手元にある素材をすべて駆使して、入り口を飾ってくれました。
彼は、「これでは入場無料と分かりづらい」「迷っているお客さんがいたから」と、根拠があってポップをつくるんです。

彼らは臨時スタッフでしたが、常駐スタッフとして、最初に企画を相談したSさん、映像ディレクターの加納氏を紹介してくれたYくんも、東京から車で来てくれました。彼らのおかげで、残ったチラシは、すべて配りおえることが出来ました。
6月に取材したNさんは、親子で撤収作業を手伝ってくれました。また、会場手配をしてくれたG先生のお父さまも、2度、会場に来てくださり、いわき市の現状について、話して聞かせてくださいました。

……だから、私は「DVDプレーヤーの再生ボタンと停止ボタンを押しただけ」です。
会場を訪れた皆さん全員が、上映会という場をつくったのです。

(場内写真は、加納真さんによるものです)

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コメント

映画と観客と関係を結んだ。それぞれのカタチで...監督もさぞかし(涙)

とにかく、ドラマと愛のある上映会だったね

投稿: ごんちゃん | 2011年8月31日 (水) 15時47分

■ごんちゃん様
監督は「こういう上映会も、いいもんだね」と言ってたし、関係者サイドは、勉強もできて、良かったんではないかな。

どんな映画かも分からないのに、時間に合わせて来てくれたお客さんの方に、愛があったと思うよ。

あとはただ、お客さんが不愉快にならないよう、その場を維持するのみ。
本当は、エアコンが故障していたので、奥の部屋から涼しい風が入るよう、工夫したんだけど、いろいろありすぎて、そこまで書いてられない(笑)

投稿: 廣田恵介 | 2011年8月31日 (水) 16時02分

上映会、お疲れ様でした。
いろんな出会いのきっかけを作れたのですから、「成功」ですね。
防府の上映も、そういう場にできればと思います。

投稿: silver_copper | 2011年8月31日 (水) 19時34分

■silver_copper様
上映前から、色々とありがとうございました。
そうですね、見た人たちにとって「成功」となるよう、祈るばかりです。
ヘンな話、『マイマイ新子』でなくとも良かったんですけど、やっぱりこれしか考えられないな……という感じで始めました。

>防府の上映も、そういう場にできればと思います。

防府の公式上映があるからこそ、こちらは文化祭のような、お気楽なスタイルでやれたのです。
その点、たいへん感謝しています。
「できるだけ、非公式な感じ」で、見せたかったので(笑)

投稿: 廣田恵介 | 2011年8月31日 (水) 20時15分

廣田様

先日はお疲れ様でした。
そしてありがとうございました。
いわき市出身者として、協力下さった皆様にも、この場をお借りして最大限の感謝の気持ちを伝えたいです。

>「できるだけ、非公式な感じ」

成功していると思いますよ。
見に来てくれた友人より、「なぜ、これほどのクオリティの映画を無料で見れるのか?何を企んでいるんだ!?」という、訝しがる質問のメールを頂戴しております(笑)
きっと、作品と対峙し、真剣に見てくれたのだと思います。

私自身も学園祭のようなノリで楽しめました。
だからこそ、終わったあとのギャップが堪えますね。
東京への帰り道、夏が終わったなぁ・・・と、しみじみ・・

投稿: S | 2011年8月31日 (水) 20時40分

■S様
あ、すみません、こんなイニシャルのままで(笑)
ツイッターで逐次、現場から宣伝してくださった、かまたさんですね。

>いわき市出身者として、協力下さった皆様にも、この場をお借りして最大限の感謝の気持ちを伝えたいです。

僕もYくんも、いわきの人たちの心意気に、胸打たれました。
エブリアの佐藤さんは「また何かあったら、どんどん話を持ってきてくださいね!」と、最後まで元気いっぱいでしたし……G先生のお父様からも「まだまだ、イベントできる場所ありますからね!」と、先々のことまで言っていただけて。
じゃあ、また何かやんないとダメじゃん、と(笑)

>「なぜ、これほどのクオリティの映画を無料で見れるのか?何を企んでいるんだ!?」

何より、嬉しい感想ですね。
ホントにねえ……第一回を最後列で見て、「なんて贅沢してる映画なんだ」と驚きました。カメラワークなんて、撮影が死ぬようなことばかりしてますから。
でも、小学生以上の子ども達が、しっかりと最後まで見てくれたのは、そういう技術のおかげです。

それとやっぱりね、いわきに住んでいる人たちは強いので、これぐらい骨のある映画をぶつけなくては!と思ったのですよ。

>だからこそ、終わったあとのギャップが堪えますね。

東京駅から、中央線に乗ったとたん、別世界なんですよ。すぐ近くにいる他人と、話ができるわけでもない。
「ああ、東京だ」と思いました。あの4日間は、ずーっと誰かと喋りっぱなしだったのに。

東京は、沈黙の街ですね。また、何か始めたいです。

投稿: 廣田恵介 | 2011年8月31日 (水) 21時31分

「これでおわり」だなんて、周りがそうさせてくれないというね(笑)頑張れ〜!!(他人事?)
ジョーダンではなく、廣田さんはそうやって生かされてると客観的にみて思う。でも実は、考え事しながら歩いてる中でしっかりと種まいちゃってるんだね。そうやって終わらない....私もこれまで何度も「もうやめた!静かに暮らす!」とか言いながらこんな人生になっちゃった(笑)

投稿: ごんちゃん | 2011年9月 1日 (木) 14時05分

■ごんちゃん様
勢いで「何かやらないと」とは書いたけど、8月は映画も行けなかったし、夜遊びも一切できなかった。仕事も、いわきに行っている間だけ待ってもらったし……。

ただ、「自分のやりたいこと」というのが、何だかちっぽけなものに思えてきた。
人に望まれないことをやり通しても、それは自己満足でしかないから。

やっぱり、何か外圧があったほうが、やりがいがある。

投稿: 廣田恵介 | 2011年9月 1日 (木) 14時47分

何度かコメント入れて失敗(^-^;
今度は送信されてるかしら…


マイマイ上映会に関してのブログを読ませて頂いて、お腹いっぱいになるほどの爽快感・幸福感、色んな感情で満たされた感じです!


沢山の方のパワーが、読んでいて伝わりました!
人が持つパワーは凄い。

本当にお疲れ様でした!

投稿: ナトー | 2011年9月 1日 (木) 15時54分

■ナトー様
携帯からだと、コメント送信しづらいのかな?

>沢山の方のパワーが、読んでいて伝わりました!

本当は、もうちょっといろいろあったんです。
僕の知らないところで、それぞれが判断して、自己責任で駆け回って、なんとか上手いこと成り立たせていたんです。

逆を言うと、ひとりだけで出来ることは、ほとんど無いんだな、とも思い知りました。

投稿: 廣田恵介 | 2011年9月 1日 (木) 17時17分

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