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2011年8月30日 (火)

■0830 上映会裏話その2■

上映前日から上映初日にかけては、映像ディレクターの加納真さんに、命を救われました。

前日金曜、夕方4時に、エブリアの搬入口で加納さんと待ち合わせです。台車にスクリーンやプロジェクターなど、大量の機材を載せて、ギャラリーへ移動。
Icaect41mエブリアの担当の方たちにも手伝ってもらいながら、スクリーンの組み立て。細かい配線やスピーカーの設置は、ヘタに手を出さず、加納さんに任せます。餅は、餅屋。
ただ、大事なのは「こうしたい」と最低限の要望を伝えること。指針を立てる人間がいないと、せっかく来てくれた専門家を、迷わせてしまうことになります。

閉店間際まで、4時間ぐらい作業。スピーカーは左右にふたつ立て、スクリーンの下にもふたつ。業務用DVDプレーヤーなので、画質は良好。スピーカーのおかげで、隣のゲームセンターの音も、かなり軽減できました。最後列で見ても、ちゃんと聞きとれる。

ほぼ同時並行で、暗幕をもって現れたNさんと警備員さんたちが、入り口づくり。
洗濯竿にハリガネの輪を通して、そこに暗幕のフックを引っ掛けて、開閉自在にしてもらいました。ただ、借りてきた暗幕を引きずるわけにはいかないので、Nさんはエブリア内の文具屋で、安全ピンを買ってきました。
Ica1snamlピンで止めてスソを上げてやれば、こすったり踏んでしまったりする心配は、ありません。さすがは二児の母。
(お客様として招待したかったのに、すっかり、スタッフの一員です)

とまあ、ここまでは良かったんです。加納さんは、いわき市内のホテルに一泊。……もし、「じゃあ、僕はこれで」と帰られてしまっていたら、たぶん上映は不可能でした。


加納さんは「一回目の上映だけ確認して、帰る」とのことで、翌朝(27日・土曜日)、私といっしょにエブリアへ行きました。
さて、「上映前に、ちょっとチェックしてみましょうか」とDVDを再生すると、開始後、数分のあたりで、見たこともない巨大なノイズが現れ、音声も途切れるのです。
「何ですか、今のは?」と、青くなって聞くと、「ちょっと設定を変えたから、そのせいでしょうかね」と加納さん。それでも心配なので、何度か、同じシーンを再生してもらいました。
……何度やっても、同じノイズが出ます。とても、お客さんに見せられるものではありません。

上映30分前。「本日は、お見苦しいシーンがありますが、ご容赦ください」と謝るか、「機材不調のため、本日第一回の上映は、中止とさせていただきます」か……。
迷っていると、加納さんが、荷物の中から、黒い小さな箱を取り出して、ラインを繋ぎなおしています。「これで、再生してみましょう」。
それは、小さなスクリーンのついたポータブルDVDプレーヤーなのでした。これで再生すると、同じシーンでも、ノイズが出ない!

つまり、最初にセットした業務用プレーヤーは、小さなキズでも拾ってしまい、画面には大きなノイIca4o20lmズとなって現れる。しかし、民生機は、そのあたりを割り切った構造なので、多少のキズは補正をかけて「知らないフリをする」というのです。
「よし。第一回上映のみ、その手でいきましょう」。民生機でも、プロジェクターを介すれば、画質的に見劣りするわけではありません。音声を調整して、本番へ。

私も、気が気ではないので、第一回は最後列で見ました。大丈夫。絵も音声も、問題ない。
ただ、第二回以降は、業務用プレーヤーで上映できるように再調整してもらい(次の上映まで、一時間以上もあったので)、ポータブルプレーヤーの方は「バックアップ」として、残してもらいました。

何はともあれ、プロ用機材を満載してきたのに、「念のため」と、市販のポータブルプレイヤーを用意してきた加納さんの危機管理能力に、拍手ですね。


初日は、手伝いやお客として、よく知った顔の人たちがチラホラ。
入れ替わるようにして、加納さんは機材を残して、東京へ帰ります。機材の撤収は、われわれがやるのです。

さて、もうひとつ心配事がありました。並んでいるお客さんは、上映10分前(多い場合は20分前)に入れるようにしていたのですが、お待たせするのが悪いので、DVDのメニュー画面を表示させていたのです。
これなら、BGMが流れるし、静止画だけど、絵も表示できますから、ちょっとは退屈がまぎれるかなと。

しかし、プロジェクターは朝11時から、夕方18時までフル稼働するわけですよ。それが二日間もつづく。
「これ、電灯のタマが切れたら、終わりだよね?」と、私は東京から応援にきてくれたYくんにこぼしました。「加納に、メールで聞いてみるよ」というので、返事を待ちました。
答えは、「電灯の寿命は一万時間で、まだ500時間しか使ってないから、大丈夫」。……そこまで言い切った加納さんですが、実は、荷物の中に「予備の電球」が入っていたのです。

「大丈夫」と言っておきながら、ちゃんと予備を置いていく。
つまり、今までの仕事の経験から、「絶対安心」なんてないことを知っているのだと思います。僕らの仕事でも、はじめから「絶対安心」と決めてかかる人は、トラブルに対処できません。
また、原発事故の番組で知った「バックアップには、多様性を持たせる」というセオリーも、よく理解できました。業務用DVDプレーヤーを二台もってきても、バックアップにはなりません。正反対の、シロウト用のポータブルプレーヤーを用意してあったからこそ、対応できたわけですよね。

以降、機材のトラブルはいっさい起きませんでした。
次回は、いわき市に集まってくれたボランティア・チームと、お客さんたちの反応について書きたいと思います。

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コメント

よかった〜あああああ(涙)
コメントもできないくらいにハラハラしていたんだよ実は。

>加納さんの危機管理能力
うはあ〜凄い!その場にいたら、感激して泣きそうですよ。

とにかく成功してよかった。そして皆さんお疲れさまでした.....。

投稿: ごんちゃん | 2011年8月30日 (火) 16時07分

■ごんちゃん様
>コメントもできないくらいにハラハラしていたんだよ実は。

ん? そうなの?

でも、ホテルのベッドに倒れこむまで、毎日、誰かとしゃべりっぱなし、メシも必ず誰かと食べに行って……という経験は、貴重だった。

にぎやかなのが好きな人は、ショッピングセンターで働くのもいいだろうな。

投稿: 廣田恵介 | 2011年8月30日 (火) 17時25分

 当日はお疲れ様でした。久しぶりに会ってお話ができて楽しかったです。

 偶然にも、僕がいわきに行く日に上映会があるということは「廣田さんに会いに行け!」ってことだなと直感的に感じて、いわきという土地がつないでくれた縁なんだと勝手に思いました。

 せっかく復活した縁なので、今後も良い感じでつなげていければと、お会いして改めて思いました。

 当日、会場に足を運びながらも上映は観られませんでしたが、こんな裏話があったんですね。
 プロの危機管理能力はこうでなくっちゃ。自分も改めて、気を抜かずに行かなければと思います。
 

投稿: イシイマコト | 2011年8月30日 (火) 23時34分

■イシイマコト様
その節は、差し入れありがとうございました。みんなで、一本残らず飲み干しましたからね。

>いわきという土地がつないでくれた縁なんだと勝手に思いました。

だって、2人とも東京に住んでますもんね(笑)
いわきでは、朝から晩まで、誰かしら(知らない人も含めて)とズーッと喋っていたんですよ。
東京へ帰ったとたん、ネットだけが話し相手になってしまい、そのギャップから抜けられそうもないですね……。

イシイさんとも、短時間だったのかも知れないけど、二時間ぐらい話した感じでしたし。
『マイマイ新子』は、ちょっと変わった映画ではありますが、どうして僕がいわきで上映したかったのか、分かってもらえると思います。

今後とも、よろしくお願いします!

投稿: 廣田恵介 | 2011年8月31日 (水) 00時10分

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