■0810 FLOWERS■
二日ほど時間が空いたので、TSUTAYAで200円レンタル。
まず、『FLOWERS-フラワーズ-』。6人の女優の競演が売りだが、映画冒頭に「ADK」のロゴが……ツイッター監視業務、ご苦労。
化粧品メーカーとのタイアップとか、確かに代理店の考えそうな企画だが、映像はけっこう綺麗だったな。ストーリーは、オムニバスなのか年代記なのか混乱したし、時代設定が古いのも、『コクリコ坂から』並に、必然性がなかった。
だけど、それを救うのが、女優であって。
……でも、どうだったかな。田中麗奈は、よかったかな。
舞台は昭和40年代。色調は当時の映画を見事に再現していて、流行歌を流すようなミエミエの演出もなかった(他のパートでは、ちょっとあった)。
田中麗奈は、官能小説家の担当編集者で、仕事のストレスをつのらせている。夏休みをつかって実家に帰るんだが、その田園風景が、きれいでね。
田中は、竹内結子演じる姉と、縁日に出かける。夕闇に沈んだ田舎道を、浴衣姿で歩いていく。「日本って、美しいな」と思ったよ。
竹内は、新婚時代に夫を事故で失っている。その姉に、妹の田中は「結婚って、幸せ?」と聞く。このとき、泣く寸前だから、声がうわずっている。こういうところを、よく見ないとな。
なにか過激な、過剰な演技をすると評価される傾向があるけど、それはガキの見方。歳をとらないと気がつけない良さって、あるんだよ。
田中麗奈は、この映画では、得した方だと思う。……広告屋の考える映画は、見えすいてるけどね。広末涼子も蒼井優すらも、お飾りでしかなかった。
田中麗奈の編集者が駆け回っていた、昭和44年。僕は、よちよち歩きの二歳。そして、すでに東海発電所が、営業運転を開始していた。
自分の中の、甘いノスタルジアの感覚が、少しずつ崩れていく。
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福島県いわき市での『マイマイ新子と千年の魔法』無料上映会(27・28日、エブリアにて)は、順調に準備がすすんでいます。
地元の人は、ご存知とは思いますが、エブリア2階の「ギャラリー・エブリア」(写真)を、簡易映画館に改装して、上映させていただきます。
この件に関しては、本当に筆舌につくしがたいほど、多くの方の無償の努力(いや、有償で協力してくださる方もいる!)で成り立っています。
12日夜に、チラシが刷り上ってきます。その翌日、現地に発送。
なるべく早く、宣伝用のエントリを立ち上げます。
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首都圏の汚染実態が、明らかになっています。→■
「同心円から外れているから大丈夫」でもなければ、「250キロも離れてるんだから大丈夫」でもありません。
しかし、私は「逃げろ」とは言いません。それは、いわき市への取材で「逃げようもない人たちが、いっぱいいる」と知ったからです。一度避難して、すぐ戻ってきて、もうお金のない人たちがいるんです(当然、補償もない)。
だから、ツイッターで「とにかく、福島から逃げて!」という人を見ると、「う~ん」と思ってしまいます……東京だって、もう住めない場所があるのに。食べられないものだらけなのに。
福島第一20キロ圏内で、置きざりにされた牛や鶏は、餓死しました。猫や豚たちは、共食いしているそうです(ネットに写真もあります)。
猫はもちろん、豚って知能が高いんですよ。だけど、飢えのあまり、豚であることをやめてしまった。
いつか、人間が人間であることをやめてしまいそうな気がして、僕はそれが怖いんです。
そうならないためには、頭だけで考えるのではなく、行動することです。どんどん、人と話しましょう。
(C)2010 映画「FLOWERS」製作委員会http://cinema.pia.co.jp/piaphoto/title/240/153500_1.jpg
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