■0806 ふたたび、いわき市へ■
月曜日、急にいわき市へ行くことになりました。
『マイマイ新子と千年の魔法』、無料上映会の会場に行って、詳細をつめるためです。すでに、東京ではチラシ作りが大詰めを迎えておりまして、その確認作業もあります。
最大の難問である、機材レンタルも、何とかしてこなくてはなりません。
とにかく、「自己満足にしない」「映画の箔付けにしない」「いわきの人たちのためにやる」。これが大原則です。
いわきといえば、先日、ジブリ美術館に来てくださったNさんが、「栄養が足りてない」と、野菜ジュースと手料理をクール宅急便で、送ってくださったんですよ。
まあ……私の主食は、インスタント麺と栄養ドリンクになりつつありますからねー。そこを心配してくださったのです。
もちろん、肉も野菜も外国産です。よく、気づかってくださったと思う反面、いつも、お子さんの食事に気をもんでいるお母さんらしい心遣いだと、感心しました。
三鷹市は、何をどう勘違いしたか、「東日本応援ショップ」なんてものをつくってしまいました。野菜も売ってます。眠りこけているのは、東京のほうですよ。
ともあれ、被災地から食事を送っていただいた廣田です。
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先日、いっしょに飲み歩いたM氏から、訃報が入りました。ちょうど、原爆投下ぐらいの時間です。
僕は、ちょっとは彼の家庭の複雑さを聞いていたから、するっと返信が打てました。僕は「お悔やみ申します」なんて、絶対に言いません。その相手に必要なことだけを、言います。
それが言えなかったら、黙っているのが、礼儀だと思います。
人間って、複雑なんですよ。一見、きれいに整理がついているような人間の中にも、壊れた部分はある。そこは、笑ったり軽蔑したりせず、「許す」んです。
それは、あなたの敵じゃないよ、ということ。許せるかぎりまでは、許す。その限界を突破したら、つまりは敵なんじゃないでしょうか。
M氏は、酔わないかぎりは、「別人か」と思うほど紳士です。だけど、僕は、いわきでの上映会が終わって、彼の法事もすんで、また2人で、吉祥寺を飲み歩くのが、今から楽しみ。
清濁両方ないと、人間って、つまんない。
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今日、東電前でデモがありました。主催は、4月10日に高円寺デモを行った「素人の乱」です。「これは、若い人がいっぱいくるな」……と臆して、仕事を優先しました。
それと、東電なり他の電力会社なりに対して、何をつきつけるのか。いまや、そっちの方が、僕にとっては重要です。何らか、補償させてはどうだろう? 具体的目標を欠いたデモは、応援こそすれ、体力を使う気にはなれない。
その感覚は、4ケ月前にデモに初参加したときとは、あきらかに違う。どこかセンチメンタルな気分で、「井の頭公園と玉川上水だけでも、除染できないか」と思いはじめた5月とも違う……。
いまや、問題は巨大になりすぎている。悪夢を見るぐらいに。
そして今は、「日本は核武装すべき」「プルトニウムはいっぱいある」と公言する78歳後期高齢知事を、かなり本気で、許せなくなっている。
彼らは「しょせん、愚民どもには何もできまい」とタカをくくっている。その油断が、命とりだと、そろそろ分からせてやるべきではないか。
それでも、隣の大学生は毎晩、お笑い番組を見て笑いころげている。若い彼だって、被曝してるだろうに……。
嘆きすらしない君たちのために、俺が代わりに怒ってやろう。そういう気分。
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コメント
>いわきの人たちのためにやる」
そうだね〜「マイマイ新子」はみんなの心に、パワーを注入してくれるに違いないよ!そう考えただけで、ワクワクする。
投稿: ごんちゃん | 2011年8月 7日 (日) 10時56分
■ごんちゃん様
地元最優先。これが基本。
吉祥寺での上映では、「この映画を、俺が何とか成功させてやる~」みたいなエゴがあった。
今回は、それはない。情報も、地元の人にだけ伝わればいい。
いわきには、家を失った人、避難所で暮らしている人、いっぱいいる。
そこで上映するなら、『マイマイ新子』しかないよ。
そう確信したのは、母親の死とか、いろんな体験を経たからだね。
投稿: 廣田恵介 | 2011年8月 7日 (日) 13時09分