■0803 広い場所へ■
酒にいく約束をしていた、若い編集者が、扁桃腺を腫らして、寝込んでしまいました。
今週後半は、ゆっくり仕事をします。
彼は、脅えて部屋の中にこもっていた僕を、あいかわらずのムチャクチャな行動力で、引っぱり出してくれた男です。
僕らの仕事は、どのような状況下でも、個人を解放し、楽しませることです。そして、僕らも勉強するから、読者の方たちにも、ちょっと勉強になればいいな……と、思っています。
彼のおかげかどうか、仕事だけは、途切れずにあります。うーん、いろいろ無理もしているけれど、仕事している間だけは、夢中になれる。ありがたいことです。
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父もとい廣田被告の公判日程が、ようやく決まりました。
悔いのない結果を出すために、どう戦えばいいのか、短い時間で考えなくてはなりません。いろんな制度があるのですが、ここで手の内を明かすようなことは、書きません。
これまでの、理不尽な怒りや、心ない者たちに対するくやしさは、とても言葉にできるものではありません。
――僕は作家ではないけど、言葉にはしなくちゃいけない。
すべて終わったら、その時々に何を感じていたのか、すべて明かそうと思う。その頃には、どんな心境になっているかなあ。
何もなくていい、誰もいなくていいから、湖のような、草原のような、広いところに立っていたい。
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今 敏監督の遺作である『夢みる機械』が、制作頓挫してしまったそうです。→■
すでに、ツイッター内では「われわれの力で、なんとか出来ないか」という声が、あがっています。
制作は、百戦錬磨の丸山正雄さんですから、ただ手をこまねいているわけはありませんが、ファンの間から「何とかしたい」という声が上がるのは、作品にプラスになります。
「誰かが何とかしてくれるのを待っているだけ」よりは、断然いい。
口をあけて待っているだけの、消極的「お客様」は、どんどん損をしていく時代がくると思います。
ツイッターを見ていても、眠い目をこすって、リアルタイムで番組を実況している人のほうが、明らかに豊かに見える。いずれ、日本は貧しくなるのですから、自分の声で伝え、自分の足で楽しみをさがす(聖地巡礼なんて、まさに)ファンが、圧倒的に得をしていきます。
自由を手に入れるには、まず積極的であらねばならない。
私もいま、いわき市でイベントを計画中です。先方から、願ってもない話をいただいたので。
『夢みる機械』公式HP→■
(C) 2009-2010 MADHOUSE / 今 敏
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