■0731 8ヵ月■
本日日曜日は、いわき市から、Nさん一家が、三鷹までおいでくださった。
ジブリ美術館へ行きたいとのことで、チケットをお送りしたのだが、帰りに、お花とお菓子をもって、立ち寄ってくれた。
網本武雄さんがくださった花が、ちょっとしおれてきていたので、母の祭壇は、いっぺんににぎやかになった。Nさん、ありがとう。
明日で、母が殺されて、8ヵ月にもなってしまう。
この間の進展といえば、父もとい廣田被告が起訴されると決まったのみで、いつまでも公判がひらかれる様子はない。
警察や犯行現場、検察庁へ行くための交通費なんて、誰も出してくれなかった。何十万かの葬式代も、私の貯金から捻出するしかなかった。
何人もの人たちが、花をもってきてくれた。
その間も、加害者である廣田被告は、生きつづけている。
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優れた脳医学のルポルタージュ『脳の中の幽霊』によると、人間は四肢のいずれかを失うと、身体の別の部位に、その感覚を移植する。
つまり、失った右手の感覚を、たとえば鼻の先に動かして、「まだ右手はあるぞ」と錯覚させるのだ。
それとまったく同じことが、心の中でも起きるものと、僕は以前から考えていた。
つい先日もそうで、僕はガールズバーの女の子が、正月に空いた穴を埋め合わせてくれるものと信じた。
「得るためには、失わなくてはならない。より大きく失えば、得るものも大きい」。これが、僕の持論だった。空いた穴が、大きすぎただけだろう、とは分かる。
しかし、甘ったるい錯覚にもたれかかり、目を覚ますために、丸一日を蕩尽した。
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『GALACTICA/ギャラクティカ』の傑作エピソードのひとつ、『心の闘い』の原題は「unfinished business」。心理学用語で、「いまだ決着していない、心の奥の問題」という意味だ。
息抜きで始めたボクシングの試合で、アダマ艦長は、仕事をすっぽかしてきたチーフを、本気で殴る。
「リングに立ったら、本気で戦え。――私は、諸君と親しくなりすぎた。戦いの途中なのに、ガードを下げてしまった」。
僕は、まだ、誰かに殴られる必要があるのかも知れない。まだ、奪われる必要があるのかも知れない。
まったくお金にはならないだろうけど、ちょこっと新しいこと、始めました。
理解者がゼロであっても、僕はやめないと思う。
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