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2011年7月 2日 (土)

■0702 ミツバチの羽音と地球の回転■

来週水曜(6日)、明治大学の「未来社会の構造1 “Cool Japan”の再構築」に、ゲストとして登壇します。
テーマは「ジャーナリズムのスタンスと大衆文化のアーカイブ作成に向けて」で、主にアニメ雑誌に書くことの難しさや意義について、語る予定です。
でも、脱線しても可とのことなので、けっこうダラッとやるかも。


昨夜は、武蔵野公会堂で、『ミツバチの羽音と地球の回転』の上映会でした。
Mitsubachi02135分ある、と聞いたときは「こりゃあ、最後まで見られるかな?」と不安になったが、ラストまであっという間。やっぱり、興味あるテーマのせいか、満席のお客さんもノリノリ。

正直、エネルギーシフトという言葉には、今の切迫した状況が反映されていない気がして、ちょっと眉唾だった。
映画は、まず、山口県祝島の人々の暮らしをとらえる。とにかく、彼らの明るくのほほんとした暮らし方と山口弁に、ホッとさせられる。

ところが、上関原発への反対運動となると、もうハンパない勢いなんです。
中電が、埋め立てに使うブイを用意すると、おばあちゃん達は座り込み。男たちは舟に乗って、中電の作業船の前に立ちふさがる。
中電の説得のしかたが、またすごいんです。「こんな老人ばかりで、第一次産業しかないんでしょう。島の将来があると、本気で思っているんですか?」――電力会社って、何様なんでしょうね。
それに対して、島民たちは「それで食ってるんだから、お前らに言われる筋合いはない」。
まったく、ポンと正論を言ったほうの勝ちだな。中電は、すごすごと帰っていき、島民たちは「二度と来るな!」

すごいことに、中電は、島の漁業組合だったかな、何の前フリもなく、いきなり5億4千万円を、振り込んできたそうです。その補償金を、ただちにつき返した祝島、カッコいい。


つづいて、映画は、スウェーデンの風力発電、バイオマス発電などを紹介。
『ぼくのエリ』のなかで、「原発が買えるよ」というセリフまであったので、すっかり原発大国だと思っていたら、これが、さにあらず。

スウェーデンには、電力会社がたくさんあり、国民に選択の自由があるのです。
映画の中で、電気自動車にのった人が、「日本だって、電力は自由化されてるんだろ?」「いえ、されていませんよ」「えっ、独占なの?」と、口をあんぐり。

やっぱり、日本が異常なんだよ。節電節電いってるけど、電力足りてるし。→こちら
映画は、ふたたび祝島の人々の戦いと、新しい試みを紹介して、明るく終わります。
まず、守るべき暮らしがあって、それを妨害しようとする敵がいて、その敵を目の前にすれば、がんばって、戦っていけるということ。
イメージ・理念だけで「脱原発」などと言っていても、原発は絶対になくなりません。

会場に、放射線測定会を開いた野村羊子議員がいました。「こういうことも、やってます」と、ちょっと照れ気味でした。
この映画は、原発事故の前に撮影されたので、外に出れば、放射性物質が舞っているわけで……。


帰り道、ペットボトルの水とお米を買いました。2リットルのペットボトルなんて、震災後、初めて買った気がする。(今は水道水を冷やして、飲んでいる)
これらは、さっき、気仙沼へ送りました。詳細はこちら

誰ですか、「救援物資は足りている」などという妄言を信じて、「何もしなくていい言い訳」を正当化している人は?
会社帰りにスーパー寄って、ちょっと余計な買い物するぐらい、誰にでもできるでしょう。


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コメント

ミツバチ行かれてたんですね!私もチケットまで買ってたのに!仕事で行けず。。。母に行ってもらいましたが。
電力会社は過去の価値観に縛られ過ぎて、そしてそれをその土地の人にも強要しようとする。。。3・11以降私は価値観が180度変わって、お金や家や色んなものに縛られちゃいけないって思いました。

あ、子供用マスク今探してます。帰りに吉祥寺ロジャース見てきますねー☆

投稿: くりか | 2011年7月 2日 (土) 19時09分

■くりか様
昨日は、キャンセル待ちの人が列をつくるぐらい、盛況でした。
明日、『六ヶ所村ラプソディー』を武蔵境駅前で上映するみたいですよ。

>電力会社は過去の価値観に縛られ過ぎて、そしてそれをその土地の人にも強要しようとする。。。

まず、電力会社の植民地支配をやめさせないと、原発はなくなりません。
映画にも少し出てきますが、上関原発建設に賛成な島民も、いるのです。交付金をもらったら、もう終わりですね。

じゃあ、そのお金で得られる豊かさって、何なんだろう?と考えてしまいますね。

そういえば、昨日はマスクをしている人が、チラホラ……僕は、自宅のベランダに出るときもマスクします。絶対に、線量高いですから……。

投稿: 廣田恵介 | 2011年7月 2日 (土) 19時40分

>何の前フリもなく、いきなり5億4千万円を、振り込んできたそうです。その補償金を、ただちにつき返した祝島、カッコいい。

今日の昼間のニュースで「上関原発特集」やってたので見てた。

祝島の人達は本気だね。しかも高齢者が多い....
一方、「解離」してるこっちの若者。対照的でなんとも言えない気分になる。


廣田さんのベランダの線量はいくつ?測った?
我が家はマンション4階。暑いので窓は全開、しかもベランダにすのこを敷いていて毎日雑巾で拭いてるけど...そこで遊んでるよ〜うちの子。マスクも汗かくしね、よっぽど風が強いとか線量が高いときには付けさせてるくらい。

投稿: ごんちゃん | 2011年7月 2日 (土) 23時31分

おぉ。。。武蔵境でも!
ミツバチは9日の武蔵小金井にリベンジしようかと計画中です。


交付金受け取ったら。。。そうやって少しずつ感覚を麻痺させていくんですね、まさに麻薬。それを扱う電力会社はまさにマフィアってわけだ。。

マスク暑いけどしてる人けっこういます!自転車ですれ違ったりすると人かに勇気づけられてる☆

投稿: くりか | 2011年7月 2日 (土) 23時31分

■ごんちゃん様
>一方、「解離」してるこっちの若者。

若者だけじゃないよ……。原発に反対し、放射能を怖れるのは、いまだに「変人」です。
東京が一番、「何もなかったこと」にしたいんじゃないかな。

>廣田さんのベランダの線量はいくつ?測った?

いや、機械を持ってない。買ったら、東電に請求書を送ろうかと思うけど。

マンションは4階以上で、ちゃんと掃除しているなら、そんなに怖れる必要はないみたい。
この辺りでは、窪地になっているような場所、トンネルなんかは、マスクつけないと、怖くて通れないね。

■くりか様
そうそう、武蔵小金井がありましたね。昨夜、主催者の方が言っていました。

>まさに麻薬。それを扱う電力会社はまさにマフィアってわけだ。。

その通りです。
相手を、カタギの人間だと思うから、「理解できない……」と思考停止してしまうわけで。
電力会社をヤクザだと思えば、戦い方も、すこし見えてくる気がします。

>マスク暑いけどしてる人けっこういます!

三鷹駅前だと、一日に2人ぐらい、すれ違います(笑)。まあ、吉祥寺より、人が少ないせいもあるけど……。
高校生の男の子がマスクしていて、ちょっと安心しました。ああいう年頃の子こそ、慎重に生きてほしいので。

投稿: 廣田恵介 | 2011年7月 3日 (日) 00時53分

いつも何気にブログ読ませてもらってます。面白いです( ^ω^ )

ぼくも6月に、近くの画廊で「ミツバチ〜」の上映会見てきました。
「六ヶ所村ラプソディ」もそうでしたが、3.11震災前に撮影・上映された映画として見ると、なんだか感慨深いものがありました。
色んなところで上映会やってますよね。今!みんなに見て欲しいです。

明日、「アースデイしが」で鎌仲ひとみさんの講演聞きに行ってきます!楽しみです。

投稿: まこし | 2011年7月 3日 (日) 01時22分

■まこし様
ご無沙汰です!

>3.11震災前に撮影・上映された映画として見ると、なんだか感慨深いものがありました。

そうそう、まさに。
原発事故前から上映されていたのに、僕は、見向きもしませんでしたから。
『六ヶ所村ラプソディ』は未見で、明日も用事があるので、行けないんですけど……。

これから先、どうなってしまうのか、まるで分からないのに、なぜか、希望を託されたような、不思議な気分でした。

>明日、「アースデイしが」で鎌仲ひとみさんの講演聞きに行ってきます!楽しみです。

東京より、文化レベル高いんじゃないですか?
武田邦彦教授の講演を聞いたのは、いわき市だったし、東京がいちばん「平和」です。

投稿: 廣田恵介 | 2011年7月 3日 (日) 01時43分

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