■0627 新潟から■
日曜日、新潟シネ・ウインドの支配人さんが、お仕事で上京してらしたので、一年ぶりぐらいに、お会いした。
この方は、僕があちこちの映画館に『マイマイ新子と千年の魔法』を上映できないか……と相談しているとき、「決して、無視したりはしませんから」と言ってくださった。『ぼくのエリ 200歳の少女』のボカシ問題、映倫のウソについても、映画館の機関紙で、取り上げてくださった。
(←「月刊ウインド」3月号に掲載)
ちょっと話がそれるが、『マイマイ新子』が配給会社から見殺し同然になったこと、『ぼくのエリ』で、配給会社が映倫から脅迫を受けて、やむなくボカシを入れさせられたこと、そのどちらについても、僕は主体性をもって、追求する人が現れるのを、待った。
しかし、アニメファンも映画ファンも、せいぜい嘆き節や恨みごとをネットに書きつける程度で、「いっちょ、配給サイドや制作サイドに、ケンカを売ってやろう」という人間は、あらわれなかった。
みんな、受動的すぎる。
僕が、読売新聞や松屋フーズに、直接メールしたのも、すべて同じこと。彼ら、ユーザーをなめきった企業に、金を払う気はないのです。
映倫が、正々堂々とウソをつらぬいたのも、僕らが黙っていたせいです。
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とはいえ、本日の東京地裁610号法廷(「東電への原発差し止め訴訟・第一回公判」)に駆けつけられない、わが身の脆弱さも、呪うのです。
直接か間接か、酒が作用して、この体たらくなのが、情けない。自分なりに、落とし前をつけられるまで、この話題については触れません。
支配人さんとの会話は、映画から原発の話題におよびました。
この件については、なるべくいろいろな方と話したほうが、いいです。特に、文化を発信する立場の方。「原発は停められたけど、文化も貧しくなった」では、何の勝利でもない気がします。
ここまで、原発や放射能のことを書いていても、僕のところには、アニメ関連の仕事しか来ません(笑)。
別に「うざったいやつ」と思われて、仕事が来なくなったなんてことは、ありません。だから、どんどん発言すべきと思います。
あいかわらず、日本のアニメは面白い。ほかの国には、決してマネのできないものです。日本のアイデンティティとすら、僕は思っています。
「昔のアニメのほうが、面白かった」なんていうのは、オッサンの幻想であって、今が一番、面白い。
……そして、その幻想ですら、楽しいわけであって。
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防府から、またマスクの寄付をいただきました。ありがとうございます。いわき市に転送します。そもそも、防府とつながりが出来たのも、『マイマイ新子と千年の魔法』がきっかけです。何も、ムダにはなっていないのだ、と実感できます。
いわき市との縁も、もとをたどれば、『GALACTICA/ギャラクティカ』だしね。
オタク趣味と、放射能は、僕の中では矛盾なく存在している。
「アニメなんて見ている場合じゃないんだよ!」と、僕が言い出したら、たぶん、僕が狂ったときでしょうね。
しじみ汁と風邪薬が効いてきたようなので、この辺で。
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コメント
>オッサンの幻想
おっさんだけでもないような・・・
今年、更に今季に入ってこれだけいろんなジャンルの力作が勢揃いしても閉塞感、深夜アニメは未来がないと吐き続ける。彼らが見たい作品とはいったいどういうものなのか、もう私にはよくわかりません。
批評の是非以前、まず作品そのものより時代性、文脈云々から入る事の意味のなさに気づいてないのかなあ、と。
オリジナルの良作が並ぶ中「昭和物語」のような作品も、しっかり面白い作品として作られている現在の状況は、かなり素晴らしい時代になっていると言い切って良いと私は思うのですけれど
投稿: Miya-P | 2011年6月28日 (火) 17時11分
■Miya-P様
まったく、おっしゃる通りです。
最初から否定形で入っている人の言い方は、よく分かりませんね。深夜アニメでも、期間限定のショップやカフェが盛んにやっているし、これほどアニメが元気な時代って、ないんじゃないか?と思うんですけどね。
何しろ、シネコンに行くと、必ず何かしらアニメが上映されているというのが、すごい。
技術的にも、あらゆる面で、底上げされていると感じます。
『昭和物語』はいいですね。ノスタルジーだけではなく、意外にプロットがしっかり組まれています。
僕がついていかれないアニメは、他の人たちが拾っているし、明らかに豊かな時代だと思うんですよ。
投稿: 廣田恵介 | 2011年6月28日 (火) 17時27分