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2011年5月31日 (火)

■0531 クリスタル・スカル■

朝から、吉祥寺へ行ってきました。まずは、いわき行きに備えて、取材用デジカメを買い換える。着替えも、少し買う。
30cau0d26sあとは、さらに二箱とどいたマスクを、水先案内人(スターバック氏)に送る準備。袋で届いた分は、手で持っていくことにする。
これから届く分は、後日、当地に送る。

土曜日朝の出発までに、打ち合わせが二件(うちひとつは、飲みを兼ねてますが)、インタビュー原稿も、出発前に終わらせたい。

マスクのお礼を、ひとりひとりに伝えられなくて、すみません。
食品と違って、マスクは腐りません。そして、これからも必要になります。決して無駄にはしません。ありがとうございます。


「冒頭で、核爆発に巻き込まれたハリソン・フォードが、冷蔵庫に入って助かる」シーンが大爆笑、と聞いて、『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』を。
鉛の冷蔵庫から出てきたインディ、モップで洗ってもらって、放射性物質を除去できたということらしい。宇宙人が出てくる映画なので、笑って許してやろう。

舞台は、50年代末。もともと、レトロ(というかアナクロ)な年代設定が魅力のシリーズだったが、とうとう、グッド・オールデイズへ。『アメリカン・グラフティ』より、数年前ぐらいの設定。
そこまで退行しつつも、「インディも、まだまだ若い」と悪あがきする、スピルバーグにルーカス。ラストで、世代交代を拒否したのだから、まったくふてぶてしい(笑)。

06_large今回は、敵・味方とも、ヒロインが良かった。特に敵側の、『アメリ』みたいな髪型のお姉ちゃんは、日本語吹き替えがスターバックの本田陽子さんだからね。

こんなに時間がなくなるとは思ってなかったので、永作博美の『蛇のひと』というのも、借りてきてしまった。
全力で眠ってしまった。永作の、無駄づかいか?


もうひとつ。昨日の日記に書いた、三鷹市のイベント「保育園であそびましょ」について、市から回答が来た。
「保育園の砂場においては、従前より危険物や小動物の糞などの混入がないか点検をするため、週に1度程度砂の撹拌作業を行っております。」

まるで見当違いな答えだが、ようは線量調査なしで、「どろんこ遊び」させると。
危機意識のない親、管轄ではないと言い訳する自治体に、僕はもう、何も言う気はありません。
第一の敵は、政府でも市でもない。放射能ですから。

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2011年5月30日 (月)

■0530 三鷹■

福島県いわき市に持っていくマスク募集、最初は「まあ、2~3人ぐらいかな」と思っていたのですが、二桁の方たちから、「送りたい・すでに送った」メールが届きました。
それで、いわき市への水先案内人の方の提案で、すでに届いているマスクは、まず、その方へ送りました。(荷物の梱包で、やっと役に立ったぞ、読売新聞!)

これから届くものは、なるべく手で持っていきます。
ご協力いただいている方、まことにありがとうございます。『マイマイ新子』のふるさと・防府からも、二便、とどいております。

一泊二日ですが、できるだけ、多くの人と話してきたいと思います。東京よりも、原発に無関心な人もいると聞くので(笑)、そういう方のお話も、聞いてみたい。
まずは、私の中だけでいいから、いわき市と三鷹市をつなぐ「ライン」を引っぱってきて、そこから何が始められるか、考えてみたい。


井の頭公園の、汚染状況が分かりました。→こちら
三鷹市は、こんな気のきいたことはしませんよ? こんなズボラな市が、放射線なんかに興味を持つもんですか。「ニューメリカルテクノロジーズ株式会社」という民間会社が、都内各地を計ったんです。

地図をご覧になれば分かりますが、放射性物質は、水場や土を好みます。
25ca4m2wtfということは、玉川上水も、線量は高いでしょう……。

徒歩30秒のところに、玉川上水の一部を、公園のようにした美しい場所がありまして、いつも、花を埋めにいきます。
以前は、子どもたちも遊んでいました。震災翌日から、水が止まっているので、幸い、子どもたちの姿はありません。

三鷹市が、いかに鈍感か、ご紹介しましょう。
一ヶ月もつづくイベント「保育園であそびましょ」。→こちら
「どろんこで遊ぼう!」だそうです。もちろん、汚染されてない土を使い、線量も測定しますよね? 私は、三鷹市にメールしました。


悲しかったのは、いつも使っているスーパーが、公然と産地偽装をしたこと。
福島産きゅうりが、翌日には「埼玉産」になっていました。上から紙を貼っているだけなので、誰にでもバレバレ。売れるわけがない。

調べれば分かりますが、福島産のきゅうりは、汚染されていません。「検査済み」とでも、朱書きしておけばいいのに。
そこはほら、皆さんの大好きな「大人の事情」ってやつでしょう。みんな、「大人の事情」で黙っている。「大人の事情」で、原発が増えた。

この戦いの相手は、放射能だけではありません。「大人」とも戦わなきゃならんのね。

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2011年5月29日 (日)

■0529 読売醜聞■

福島県いわき市行きのマスク、第一便と第二便が届きました。ありがとうございます。
28308208348このあと、第五便まで来る予定ですが、「多すぎる」なんてことは、ありません。手で持っていけない分は、荷物として送ります。

これは、仙台で被災した友人から聞いたのですが、一度にまとめて送るより、忘れた頃に追加してもらったほうが、助かるそうです。
それは、募金についても同じことだそうで、一年後にスッカラカンでは困るので、長期的につづけるべきです。

東日本にとどまる以上、全員が低線量被曝と、長く戦うことになります。

――どうでもいいことですが、私には、お気に入りのコンビニ店員がいます。
昨日、その子がマスクをしていたので、ちょっとホッとした。店内でしてたんだから、普通のカゼかも知れないけど、だとしたら、屋外でも着けてるでしょ。


さて、「購読契約を解除させてくれない」ことで有名な、読売新聞の話題です。

実は、あれから、原発記事を一面トップに持ってきたり、東電や政府を批判するような記事も散見されたので、「もう一年ぐらい、いいかな」と様子見してたんです。
28campygu2ところが、この社説。「安全性高めて原発利用続けよ」
だから、いま現在、安全じゃないじゃん。アホですか。

しかも、この社説、無記名なんです。だから、「執筆者の名前を教えろ」「なぜ、こうまで原発を支持するのか、理由を教えよ」とメールしました。
ダメ押しに「今日中に返事がなければ、解約する」と。
でも、それが読者センターの関口さんの、気に触ったみたい。

「廣田様からご報告いただいた事実関係から判断する限り、販売店側に解約に応じなければならない事情は伺えず、販売店側は解約を拒むことが多いかと考えます。」と、いきなり解約の話からです。そっちが本題かよ!

最後に、捨てゼリフのように「原発に関する廣田様のご意見は、読者のご意見のひとつとして、今後の紙面作りの参考にさせていただきます。今後も読売新聞をよろしくお願い申し上げます。」
しょせんは解約できないとタカをくくっているから、6年間も購読してきた読者に、こういう口をきけるわけだ。

一ヶ月3,925円×12ヶ月×6年。計28万2,600円を払ってきた。


すぐに、販売店に電話し、配達のおじさんと話した。
「あなたが悪いんじゃないよ。記事が、ひどすぎるからです」と、俺は、おじさんの笑顔を見られないまま、説明した。「読売本社にも連絡してみたけど、最悪の対応だった」。

「内容が好きじゃないなら、仕方ないね。私から、販売店へ話しておきますよ」と、おじさんは笑顔のまま、去っていった。
あれ? 解約できたみたいだよ、読売本社の関口さんよ。

ただ、読者も、配達員も、イヤな思いをした。その事実だけは、決して消えない。
僕もう、どこの新聞も、定期購読しない。こんなやりとりは、もうウンザリだ。

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2011年5月28日 (土)

■0528 王立宇宙軍■

初めて、ドリパスでチケットを購入し、池袋テアトルダイヤへ。
26307516620たぶん、劇場で見るのは大学以来の、『王立宇宙軍 オネアミスの翼』。
公開時は、タイトルが逆で、『オネアミスの翼 王立宇宙軍』だった。

87年の公開初日は、今でも付き合いのある友人たちと見に行って、それから後は、一人で行ったり、女の子を誘ったり……で、計6回見た。
でも、僕の第一印象は「えっ、これで終わり?」「がっくり、期待はずれ!」だった。

なぜなら、僕が一番盛り上がっていたのは、「Bクラブ」誌に、「監督は24歳の新人」だとか、情報がつぎつぎと載り、編集者が「これは君たちの映画だ!」とアジり……つまりは、大学でモヤモヤと「てっとり早くプロになりたい!」と思っている若造を、あの手この手で刺激しまくってくれていた頃だから。

何より、『王立』というプロジェクトに、心酔していたのだ。


だが、あれから、私も歳をとった。

44歳バツイチの目から見た『王立宇宙軍』は、どうなのだろう? 主人公のシロツグが、孤児のAf1_04_2マナを養う少女、リイクニと食事するシーンは、まるで「家族」にしか見えない。
僕も、小さな子を連れた女性と付き合っていたことがあるので、すごく生々しく感じた。
その擬似家族の中にあって、シロツグは、恋愛というファンタジーを、何度も何度も、打ち壊される。それが、家族というものなのだろう。

遊郭の風景も、リアルだった。僕が、夜の街で遊ぶようになったからね(笑)。
殺し屋に追われたシロツグとマティが、昼間の遊郭に逃げのびてくるのも、とても分かる。そこぐらいしか、逃げ場所を知らないのだろう。あと、ヘリで旅立つシロツグが、ネオンきらめく遊郭を見送るシーンも、素晴らしかった。
何しろ、彼は最初は、遊郭を「見上げる」ほど、小さかったのだから。

シロツグがレシプロ機で練習飛行するシーンも、「わかるわかる!」という感じ。僕は、スカイダイビングのときに、セスナ機に乗せてもらって、操縦桿も握らせてもらったから。
実体験が、どんどんフィードバックされていく映画なんだ。「歳とって、よかった」と思えた。


しかし、何より感激したのは、シロツグが宇宙機の中で祈るシーンだ。

「我々に、どうか、お許しと憐れみを。罪ぶかい歴史のその果てに、暗闇をおかないでください。絶望の中でも、ゆるぎのない、ひとつの星を与えておいてください」。

――作品は、時代を越えられる。
リイクニが、漠然と口にしていた「私たちの子孫は、星の世界で、平和に暮らすのでしょうね」。そんな夢物語に、下心丸出しだったはずのシロツグは、物理的方法で、足がかりをつくってしまったのだ。

論理と現実のただ中で、奇跡は生じる。
この映画の中で、貧困や戦争や、人の原罪が解決されるわけではない。しかし、だからこそ見るに値するのだ。

(C)BANDAI VISUAL/GAINAX

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2011年5月26日 (木)

■0526 アニメスタイル■

今朝は、「月刊アニメスタイル」が届きました。
26ca6wv6b0僕が、この雑誌を、手ばなしで誉められるのは、編集長の小黒祐一郎さんと、そこそこ距離があるからです。

僕は35歳のころに結婚して、妻との約束で、ゲーム会社に入った。その時期は、兼業ライターだったわけですね。
一日も早く、専業に戻りたかったから、スタジオ雄に営業に行ったんですよ。そしたら、『千年女優画報』のインタビューまとめを、確か10ページぐらいだけど、回してもらえた。
仕事したのも、会話したのも、その時ぐらい。

次が、『マイマイ新子と千年の魔法』の署名活動をやってといるとき。
小黒さんが企画した「公開宣伝会議」に、呼ばれたんですね。ただ、その頃には、もう各地の映画館へ上映できないか、具体的な話を始めていた。
だから、あの手この手で出なくていい言い訳を考えたんだけど、とうとう小黒さんご本人から、出演依頼メールがあった。素直に「今、こういう活動もしてますので」と話したら、納得していただけた。
だけど、そんだけだよ(笑)。

「月刊アニメスタイル」を出すと聞いたときも、「……だって、おもちゃカテゴリでしょ」と、割とひややかだったと思う。


だけど、本をひらいた瞬間、2000年ごろの空気が、ぶわっと香って。ぱらぱらっとめくるだけで、フォントなのか級数なのか段組なのか、確かに「あの頃のアニメスタイル」なんだよ!
これはもう、崩せない。マネもできない。

しばらく、食えもしない実写業界に出入りしていて、なりゆきで『ガンダム』の記事でデビューして、それでも片足を、実写の世界に置いていたころ。「アニメスタイル」は、何人に見せて歩いたか、覚えてない。見せて、どうしたかったのか。
やがて、ゲーム会社の同僚たちに貸したら、戻ってこなくなってしまった。彼らが役に立ててくれたんなら、それはそれで嬉しい。

本って不思議なもので、それが部屋にあるかどうかでも、気分が変わるじゃない?
一字一句読まないと、その本の価値が分からないなんて、それは子どもの言い草であって。本というのは、「持つ」ことによって、自分を豊かにするもの。
だから、読みさしのまま、「いつか読んでやろう」でも、構わないはず。誰でも、一冊か二冊は、そういう本を、本棚に眠らせてあるはずだよ?

「読者でいられることの幸せ」を感じさせてくれる本。
こういうこと書くと、「お前、こんなにヨイショして、仕事が欲しいだけだろ」とか言われるんだけど、それじゃ読者でいられなくなっちゃうじゃん。


閑話休題。来月早々、福島県いわき市に行ってきます。

私の友人・知り合いレベルの方に、お願い。
僕も、当日までに買いためるつもりだけど、マ26caqy1zwzスクをいっぱい持っていきたいんです。
普通に、薬局に売っているマスクで、構わない。ただ、高くて高性能のものより、使い捨てのものが、沢山あったほうが、いいそうです(写真参照)。

なに、俺の住所を忘れた? メールください。教えます。6月3日必着だと、ありがたい。
よろしくお願いします。

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2011年5月25日 (水)

■0525 フルアーマー■

電子書籍のプレゼンのため、大泉学園のアニメ制作会社へ。
25catqbj5c 盟友、レナト・リベラ・ルスカ講師、コーディネートして下さっている株式会社QPR取締役の小泉恵二氏も、一緒です。

スタジオ名は伏せますが、やはり現場の方の言葉は、生き生きと実感があります。ポロッと出たこぼれ話が、すでに面白い。
極端にいうと、今まで「こぼれ話」として切り捨てられてきた情報を、あらためて取材し、業界の構造、システムの面白さに迫るような、そういう本になります。

僕だって、業界については、知らないことが沢山あります。それらをスルーせずに、読者と一緒に、賢くなりたい。

昨日のプレゼンでは、先方から具体的な作品名(けっこう話題になった作品)や、金額の話も出たので、これからは、あまり書けることは減ってくるかと思いますが……企画は、進んでおります。


プレゼン後、ちょっと池袋に寄ってから、神田へ。
その日、初めて会う方と、しこたま飲んで、帰宅しました。その方は、私の百倍も千倍も、原発と放射能に詳しいので、話は弾みました。
25caytpqc0(←フルアーマー枝野も愛用していた、タイベック化学防護服を、頂戴しました)
その方は、あまりにも事情通なため、「ここだけの話」が多かったので、ブログには書きません。
しかし、とりあえず、東京の方たちもマスクをしたほうがいいですよ。

最近、三鷹駅から吉祥寺駅まで、なるべく歩くようにしています。
そこからバスに乗って、大泉学園に行き、さらに池袋、神田とまわったわけですが、ちょっと面白いことに、気がつきました。
都心に近づくにしたがって、マスクしている人の数が、増えていくんです。

玉川上水ぞいを歩いていたら、小学生の集団とすれ違いました。引率している先生も、児童たちも、マスクをしていません。
教師と親が、積極的に情報収集して、意識を変えないかぎり、こうした光景を、僕は何度も見ることになるでしょう。

だから、三鷹市には、独自に線量調査をしてください、とお願いしてるのです。
国や自治体がしっかりしてれば、僕はデモにも参加しないし、署名だってしてないよ。


友だちが、母に供えてくれた、七色に変わる花。
25atbq4v1買ってきてもらったときより、綺麗に咲いてくれた。嬉しい。

最近、「実は母は大怪我をしただけで、生きてた」……と妄想するようになった。
退院してきて、父のことを「あんにゃろー、ただじゃおかない」と息巻いているところを、想像する。

公判は、いっこうに開かれる気配がない。母の仇をうつまでは、やはり死ねない。

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2011年5月23日 (月)

■0523  Febri ■

キャラ☆メル Febri vol.6  25日発売
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●「渋キャラオヤジ列伝」第一回
オヤジというか、やや年長の男性キャラの魅力を語りつくす連載。第一回は『STAR DRIVER 輝きのタクト』のヘッド。
シャアに匹敵するぐらい、無様な男なので、いろいろと遊ばせてもらいました。

思えば、この連載も、かなりの無茶ぶりで、コンセプトを立てたのは編集。キャラ選択も、編集。なんだか、「EX大衆」のグフ特集と似た流れです。
……まあ、若い編集者の無茶に付きあわねば、僕みたいな40代の存在価値もないのでね。なんでも、やりますよ!


三鷹市が、独自に放射線量の測定をしてくれない件について。
「シカトつづけるなら、市民税、払わねーぞ」と脅しをかけたのが効いたのか、「三鷹市生活環境部環境政策課長 岩崎好高」氏から、返信がありました。以下、抜粋。

「現在、都内における環境中の放射線量については、東京都健康安全研究センター(所在地:新宿区)が年間を通して測定を行っております。その測定値では、健康に影響を与える数値ではないとの評価がされております。
 また、正確な放射線量の測定を行うためには、高度な技術と設備・機器が必要ですが、三鷹市をはじめとする多摩の各市は、上記センターが有しているような設備等がありませんので、東京都の測定結果及び判断結果をもとに状況の推移を見守っているところです。今後、三鷹市で何ができるか検討してまいります。
 さらに、監視体制を充実するために、三鷹市を含む多摩地域で放射線量の測定を行う体制を整備するよう緊急な取り組みを東京都や国に対して要望しているところです。」

……前向きにも、後ろ向きにもとれる内容ですね。
別に、モニタリング・ポストなんか設置しなくても、ガイガーカウンターで、市内の公園や学校を調べて回るだけで、だいぶ違うでしょうに。


本日は、国会と文科省でも大きな動きがあり、どちらもUstreamで視聴しました(テレビでは、放映してくれねーんだもん)。

参議院行政監視委員会に、参考人として、「異端の原子力科学者」とまで呼ばれた小出裕章・京大助教が呼ばれました。
他には、エネルギー財団の発足で人気者となった孫正義社長、元原子炉設計者の後藤政志さん、地震学者の石橋克彦さん。
もちろん皆さん、政府に不利な発言しかしません(笑)。

文科省のほうでは、福島のお母さんたちがバスで乗りつけ、20ミリシーベルト撤回直談判。それについては、シネマトゥディの記事が詳しいです。→こちら
交渉はうまく行かなかったのですが、もう暴動寸前の熱気でした。いま、17時ですが、まだ人が増えてるみたい。


まあ、どう思われてもいいんです。もはや、福島だけの問題ではないけれど、関心のない人は、ずーっとないままだから。
それは性格だから、変えられない。救えない。

昨夜、福島第一4号炉から白煙が上がっていました。風向きは、関東直撃。
私は、昨日から喉が腫れ上がっているので、マスク着用で、買い物に出ました。駅前でマスクしているのは、女性だけ。
家庭でも、「夫が危機感をもってくれない」と、原発離婚が増えているとかいう都市伝説も聞きます。

僕はもう、何も強制はしません。自分の住む町を守りたい、それだけです。

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2011年5月22日 (日)

■0522 放蕩■

二日酔いで伏せっていると、『マイマイ新子と千年の魔法』の花瓶と茶碗が、防府から送られてきた。
303091863花瓶は、「一輪挿し」というものらしく、新子が大小二種類。貴伊子が、一種類(ちゃんと髪どめも再現)。お茶碗は、ひづるだけでなく、波紋もきれいに描かれてます。

このお茶碗に、炊きたてのご飯を盛ってみたいな……と、手で触りながら、考えてしまう。それだけ、暖かみを感じる。
「庶務課の藤原」さん、いつも、ありがとうございます。

手紙には、貴伊子と藤原さんの似顔絵が描かれていて、それがまた、愛らしくて良かった。
この映画は、どれだけ人の心をざわめかせるのだろう。あらためて、すごい作品に出会ってしまった、と思い直す。


金曜夜は、若い友人と会って、酒。吉祥寺駅まで、歩いてみた。
Caolt9d4三鷹~吉祥寺の間には、小学校時代の同級生たちが、今でも住んでいる。
クラス会を開いたスペイン料理屋は、同級生のひとりがプロデュースした店だ。今夜も、お客さんがいっぱいで、何だかホッとする。

その町を歩くことは、すなわち、愛しむということ。
いつの間にか、この町は、放射能という目に見えない幽霊との戦争に、巻き込まれてしまった。

何がどう変わったわけでもないところが、怖ろしい。


だから、というわけではないのだが、よせばいいのに、帰りに吉祥寺で下車して、キャバ嬢に「今から行く」とメールしてしまった。一時期、タクシーで朝の玉川上水を走り、三鷹駅前で別れることをくり返していた、そんな子だ。
しかし、店が混んでいたせいか、一人で待ちつづけるはめになった。

なので、もう一軒、ふらふらと黒服に誘われるままに。
一人目の嬢は、根が真面目なのか、きびきびしていて、息苦しい。2人目は、とにかく間が抜けていたので、指名して、ドリンクもおごる。リラックスしたい。バカになるために、来ているわけだから。
しばらくすると、嬢はポケットからカラオケのチケットを出して、「こんなのがあった。歌っていいよ」と、間の抜けたテンポでいう。
ムーンライダーズの『ダイナマイトとクールガイ』を歌った。なげやりな気分のときは、いつも、この曲をうたう。


普通のお店が閉まろうかという時間、さらに駅前をふらついていると、必ず違法なお店につかまってしまう。

その店は、店名こそ「スナック」だが、中にはベッドと脱衣籠がある。つまり、そういうお店。確か、一年ぐらい前にも入ったことがある。そのときの嬢が、また付いてくれた。相手も、僕のことを覚えていてくれた。帰りぎわ、「一緒に、シャワー浴びようよ」と、誘ってくれる。ただ、それだけのことが、嬉しかった。

「状況が悪化したら、すぐに、この町から逃げるんだ」と、彼女たちに言いたかった。
僕は、ふるさとを捨てていくには、歳をとりすぎてしまったようだ。

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2011年5月19日 (木)

■0519 放映自粛■

昨夜は、友だちが三鷹まで来てくれて、深夜のファミレスで、オモチャ談義。
19ca36ye4m このレゴ作品を見れば、誰が訪ねてきたか、分かる人には分かってしまう。次回のスーフェスで何をやろうか?なども、話し合う。

こうして深夜を過ごしていると、原発や放射能のことを忘れられるなあ……などと思えたが、実はそうでもなかった。
まるで、ついさっき、たしかに幽霊を見たのに、「俺、幽霊を見たんだよ」と言い出せないような、異様な気分。

『ゲド戦記』で、ゲドが呼び出してしまった自らの影に脅える、脅えるあまりに竜退治に出かけて、気をまぎらわす、あの気持ちが分かるような気がした。


スーパー!ドラマTVで再放送中の『ギャラクティカ』シーズン3の、あるエピソードが「放映自粛」された。
第10話『死の航路』である。

故郷を核攻撃で失った人類は、船団を組んで新天地を目指す。
しかし、食料庫が汚染されてしまう(どのような汚染かは、詳細に語られない)。
432468幸い、藻類の豊富な惑星が見つかる。藻類は、貴重なタンパク源である。
しかし、その惑星は、放射線の渦巻く、過酷な環境の星団をこえた先にあるのだった。

そして、その放射線星団は、あまりに広大だ。ギャラクティカのパイロットたちが、一隻ずつ、民間宇宙船を先導するのだが、なんと一人につき五回も往復せねばならない。被曝は、必至だ。

そこで、パイロットたちには、被曝の限界値を示すバッジが配られ、これが真っ黒に染まった者から、任務を解かれる。
ところが、己の過去に罪悪感を持つ一人のパイロットが、限界被曝量を越えて、放射線の中を飛びつづける――。


『ギャラクティカ』の世界には、「耐放射線薬」(注射式)などというトンデモ発明品があり、この『死の航路』にも、登場する。
しかし、そんな珍発明を吹き飛ばすほど強烈なのは、コクピットから駆け下りるなり、パイロットが嘔吐するシーンだ。このエピソードでは、明らかに放射線は「危険なもの」「長時間浴びると、死に至るもの」として描かれている。

誰でも、フィクションを見ている間ぐらい、現実を忘れたいだろう。
しかし、あらゆる種類の麻薬、人身売買まで描かれる『ギャラクティカ』は、現実を忘れさせるどころか、忘れたかった現実を、視聴者につきつける。
反面、その「現実」は加工されたものなので、放射線障害の描写も、正確なものとは言いがたい。どう解釈するか、たいへん難しい。

何より、これだけ汚染の広がっている日本の状況が、あまりにも異常だからだ。
スーパー!ドラマTVの考査が、「被曝」という言葉に反応してくれただけでも、賢明とすべきなのかも知れない。
『死の航路』を見たい方は、レンタル店でDVDを。おそらく、このエピソードは、日本の電波には乗らなくなると思う。この先、ずっと、この国は放射能と戦うわけだから。

Film © 2006/2007 Universal Studios. All Rights Reserved.

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2011年5月18日 (水)

■0518 井の頭■

三鷹駅南口から、「風の散歩道」を歩いて、井の頭公園へ。
18cayhy8kwこの近辺は、僕が小学校のころに、写生にきたときと、何も変わらない。いまや、ジブリ美術館のほうが新参者である。むろん、歓迎すべき新参者だ。

原発事故後、初めて井の頭公園を訪れたときは、「こんな美しい場所を汚染させて、なるものか」と思った。
しかし、「母乳調査・母子支援ネットワーク」の厚生労働省内での記者会見で、わが三鷹市に在住のお母さんの母乳から、放射性セシウム137が見つかってしまったよ……。→詳細記事

三鷹市では、空間放射線量すら測定していない。そんぐらい、やってくれよ。


そんな事件をつゆ知らず、井の頭公園を横断して(赤ちゃんを連れたお母さんが、いっぱい)、ヨドバシカメラへ。取材用デジカメを、品定めするためだ。
18cac3pfx2ついでに、プラモデルを買ってしまう。「EX大衆」のグフ特集に刺激されて、HGUCのグフカスタム(フライトタイプは売ってなかった)。
それと、『ボトムズ』サンサ編に影響されて、アクティックギア3体セットを、ヤフオクで購入。

プラモデル作っている間は、いろいろ忘れられるのかな?
もともと、俺の趣味ってなんだっけ。キャバクラも、最近は行ってない。アニメも、好きで見ているのは、2~3本かな。

僕は、アニメに対しては局部的に熱心だけど、アニメに縛られてはいない気がする。
おそらく、アニメが見られなかったら、心が枯れていく。だけど、その場かぎりで、蕩尽してはいない。

アニメがないと、寂しい。
だけど、アニメだけでも寂しい。


福島県いわき市へ、取材に行けることになった。
しかし、いざ、「フルアーマー枝野と同じ装備をせねばならない」と聞かされると、それだけでビビってしまう。そこまでの恐怖を押していく、対価とは何なのか。

正月に母が殺されたとき、母と同じように、胸に2本の包丁を突き立てられて死にたいと願った。彼女を助けられなかった罪悪感が、そんな願望をいだかせる。
しかし、いざ防護服を渡します、行けるところまで行きますよ、と言われると、足がすくむ。それもまた、新たに上書きされた罪悪感なのだろう。

母の味わった恐怖と苦痛に比べれば、数年後に病気で死ぬことなど、気にしてはいられないはずなのだが。

そしてまた夕方がきて、夜が来て、ほぼ間違いなく明日もやってくる。

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2011年5月17日 (火)

■0517 駅前で■

用事があったので、駅の北側へ。雨が降っている。
中学生たちが、列をなして下校していた。よく分からないが、集団下校だろうか。

傘をささずに、横断歩道を渡る女子高生がいる。せめて、帰ったら、シャワーを浴びたほうがいいよ……。

スーパーの出口のところに、二歳ぐらいの男の子がいた。お母さんに、フード付きのレインコートを着せてもらってるのを見て、ホッとする。
その子に雨粒があたらないよう、背中を向けて、自分の傘を折りたたむ。

「東京なんて、安全地帯のくせして、神経質だ」と言われる。
くやしいことに、細胞分裂のおわった、僕のごときオッサンが、一番安全らしい。そうでなくとも、守るべき家族すらいない。
任務があるとしたら、仕事ぐらいなものでしょう。仕事は、少なくとも、自分のためだけのものではない。社会で、廻してもらえるものだから。


しかし、遠距離から難癖をつけてくる人は、まだいい。
今までロクに情報を集めてこなかったくせに、「どうしたらいいのか」とおろおろしはじめた人間が、いちばん腹ただしいよ。

そういう発言を、昨夜、mixiで見てしまって、俺は泣きましたよ。「こういう人たちは救えないどころか、何かあったときに、一番邪魔になるんだ」と。
誰かのために、命を差し出そうなんて、思っちゃいないだろう?
自分の役たたず度数ぐらい、計っておこうぜ。中年未婚一人暮らしの俺は、かなり役たたずだよ。

深夜、ツイッターで嘆いていたら、「未婚女性だって、がんばります」という方がいた。「子供を生める人は、がんばりすぎないで」と返したら「原発がすべて止まらないと、落ち着きませんから!」
ごんちゃんも元気だ。
駅前のスーパーでは、80歳ぐらいのお婆さんと、レジのおばちゃんが、笑顔で天気の話をしていた。女性は強い。


ベランダに出してあった鉢植えが、つぎつぎと花をつけている。
17ca38rbk8ここはマンションの9階だから、放射線量が少ないみたい。それもまた、くやしくてね。

悲観的に準備して、楽観的に遂行せよ――詩でもつぶやきながら、「余生」ってやつがあれば、それをゆっくり楽しみたかった。

そろそろ、仕事に戻ります。

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2011年5月16日 (月)

■0516 読売■

読売新聞が、解約させてくれない件、続行中です。
本社に「販売店が、ごねて解約させてくれない」とメールしたのですが、「しかしながら、新聞購読はお客様と販売店との契約によるもので、購読の解約につきましても、販売店とお話ししていただくしかありませんので、販売店に直接お話しください。」(読売新聞東京本社 読者センター)

読者センターという名前のわりには、読者を助けてくれないんだな! どこかの国の政府みたいだぞ。
末端の販売店に丸投げしちゃうところは、東電そっくりだしな。

読売は(福)さんの記事はあるし、購読したいよ。原発に優しい紙面にさえ、しなければな。ことの本質は、そこだろう。
なのに、販売員のおじさんは、ビールや洗剤を持ってくる。これじゃあ、発電が真の目的ではない、原発ビジネスと変わらんよ。本質から、外れすぎている。

こういう、昭和からつづいていた悪習慣は、どんどん潰していかないと。明日、販売店に乗り込んで、何がなんでも解約だ。


読売の読者センターもそうだけど、自分の机の上から問題が消えた瞬間、「ああ、仕事おわった」と安堵してしまうのが、間違いなの。目の前から消えても、社会のどこかで、廻りつづけているのが、仕事ってもんでしょう?

僕らの仕事もそうで、原稿が終わったら、いちおう、自由な時間は得られるよ?
だけど、僕の原稿を編集がチェックし、必要とあらば版元に回し、デザイナーが誌面に組んで、印刷所が待っていて……と、本屋に並ぶまでの二週間、いろんな人たちが廻しているわけ。
これを理解できないライターは、自分の名前が本に載った、載らないレベルで一喜一憂する。

必要なのは、そんな自意識よりも、全体のことを考えて、シメキリを遵守するライターだ。
僕は、ツイッターやブログで時間つかっているように見えるだろうけど、シメキリに遅れたことは、ないはずだよ。


レンタルで『ルー=ガルー』。
Wp01_icon02_2少ない線で、カゲ色がBLだったりして、いい雰囲気の絵なんだけど。
未来の東京が舞台なんだけど、なぜか洋館が多くて、夜の町を少女たちが猫のように歩き回るさまは、稲垣足穂の短編のよう。

こういう、ちょっと残念感のある作品は、どうしても憎めない。

(C)京極夏彦/ルー=ガルー製作委員会

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2011年5月15日 (日)

■0515 アニメーション業界ガイドブック■

一月以来、多くの人たちが、母に花を供えにきてくれました。
花が枯れてしまっても、葉が元気なものはベランダに出して、毎日、水をやっています。
Caw1m67o光合成のおかげか、枯れたはずの花が、つぼみをつけはじめています。

血の色のカーネーションも、ベランダに出しました。母が嫌がっているのが、とてもよく分かったので。
本当は、生き物をベランダに出したままというのは、よくないんでしょうけどね……。


「元・電子書籍」の企画で、たいへんお世話になっている、株式会社QPRの小泉恵二さんから、プレゼンの参考資料として「アニメーション業界ガイドブック」が送られてきた。
15carc9fyyこの冊子は、財団法人デジタルコンテンツ協会が発行したもので、基本的には、アニメ業界に入りたい学生向けのもの。
これが、ナメられない。原恵一監督のインタビューは載っているし、色彩設計や撮影監督へもインタビューしている。彼らの「一週間のスケジュール」なんていうものまで、掲載されている。

もちろん、キャラありき、作品ありきでも構わないんです。だけど、僕らは「仕事」という面から、あらためて、アニメ業界にアプローチしたい。
その願いは、12年間、業界周辺をうろついてきた、僕の実感から出ている。アニメは、とにかくまず、「仕事」として面白いんだ、ということを伝えたい。


三鷹駅前。この小さな町を、愛している。玉川上水ぞいのベンチで、静かに本を読んでいる人を見ると、ホッとする。

今日は日曜なので、親子連れも、いっぱい歩いていた。子どもたちは、とてもはしゃいでいたけど、見るのが辛い。その理由は、書くのも憂鬱です。

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2011年5月14日 (土)

■0514 東電~中電■

原稿も終わったことだし、そろそろデモろうかと思い、東電前アクションに参加。
しかし、これは最近流行のパレード的なデモというより、昔ながらの「団体交渉」ですね。だから、以前から反原発運動をしている人たちも、多かった。

まずは、新橋駅前に集合(マイクで説明している子が、えらく可愛かった♪)。東京電力本社ビルは、14caqxb59r 駅から徒歩数分。申し入れ書を、数人の希望者が、東電の担当者に渡すはずであった。
(希望者の中には、80歳をこえたお婆さんもいた)

ところが、現場に現れるはずの東電の担当者が、出てこない。だいぶたってから、広報担当が出てきて、担当者が出てこられない説明を、モソモソと喋っている。
――ここで、俺のカンは当たったんだよね。東電って、別に悪の権化ではないんだろうなって。単に、「仕事がド下手なばかりに、周囲に迷惑まきちらすおバカさん」。
実際、主催者は「この後、中電支社に行く時間がなくなる」と怒っていた。ようは、そういうことです。ただ一人の担当者がサボったばかりに、みんなが迷惑するの。仕事がとどこおるときには、必ず、そのようなアホが、どこかに挟まっている。

福島第一が、このような状況なのは……あるいは、政府もそうであろうが、彼らが「お仕事できない」からです。何の陰謀もないんですよ。隠蔽じゃなくて、単に「言ったら怒られるから、黙ってよう」なんです。
それが、情けなくてね。


そして、信号を渡ったところにある、中部電力東京支社(日本プレスセンター)へ移動。
こちらは、交渉するための担当者が2人、直立不動で、皆さんの申し入れ書を聞いたり、 14cac6b2zu_3質問に答えたりしていた。好印象。
東電とは、大違いだな……と思ったんだけど、「ふざけんな!」と文句を飛ばしている人もいる。なんだかなあ。

東電前で「警官隊は、東電と国民と、どちらを守るのか」と、福島から参加した方が、怒っていた。
その瞬間、警官隊の顔つきが、クワッと変わったんです(笑)。僕も、それは、お門違いの言いがかりに思えた。

だから、デモって、一枚岩ではないです。それは、行ってみないと分からない。
「デモなんて、ガス抜きでしょ」とツイートしているゆとり(中年でも、ゆとりはゆとり)がいたけど、「身体を使う」ってことを、忘れてはダメ。
ガス抜きどころか、デモすれば、身体は必ず、疲れるわけで。「自分の主張なり、不満なりが、その疲労に見合うかどうか?」って話です。


ちょっと面白いネタでは、僕が出かける前、30秒で書いたプラカードを「かわいいね」と笑われてしまったこと。もっと迫力ないと、あかんよね。
もうひとつ、大学生らしい人に「明治大学では、お世話になりました」と挨拶されたこと。……覚えがない。どうも、僕と似た人が、明大で講義でもしたらしい。

でも、実は、来月に明大・商学部で、講義するんです。テーマは「アニメ・ジャーナリズム」。
雑誌では、絶対にとり上げられないテーマを扱います。詳細は、後日!

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2011年5月13日 (金)

■0513 グフ■

EX大衆 6月号 発売中
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●「グフの全て」構成・執筆
どこまでニッチになれば、読者は着いて来られなくなるのか?と、やや実験精神のある企画の第一弾。カラー5ページ、グフのことしか書いてません。
イラストレーターの天神英貴さんが、「グフの魅力について」語りたおした上、ガンプラの箱にサインまでしてくれました。これは、読者プレゼントになります。

この企画の担当者は、ファースト・ガンダム世代ではありません。アニメファンでもないし、「教養として」ファースト・ガンダムを見た程度の若者です。
それゆえに、こちらの予想を裏切る大胆さもあれば、分からないところは「どうするべきか」と、素直に聞いてきました。
これがもし、40代同士で安心しながら進めていたら、かなり視野狭窄になったと思います。そもそも、「グフだけで5ページ」なんて、怖くて出来なかったでしょう。


「若者には、安心して任せられない」という発想が、そもそもダメだと思います。
なぜ、そういう思考になってしまうかというと、自分が、まだまだ若いつもりでいるからです。「若者に追い上げられている」などとは、信じたくもないんでしょう。

自己啓発書で「40代からスタート!」「50代からでも遅くはない!」などの惹句がありますが、すべて、焦りに焦ったオッサンを安心させるための方便です。

40代は、とっくにオジサンです。自分では「まだまだ若い」と思っていても、当の若者から見れば、ただのオジサンです。
自分が「老い」を引き受けた瞬間、若者にとって、自分はまだ価値ある存在でいられるのだと、若い編集者と仕事するたびに思います。

もちろん、「あ、こいつはダメだ」という人もいるよ? だけど、それは年齢性別、関係ないからね。


読売新聞の、原発記事の地味っぷり、東電擁護っぷりに嫌気がさして、解約の電話を入れた。ダメ、解約させてくれない。
「いま、担当者を向かわせているから、直で話してくれ」という。ようするに、情に訴えて、解約させまいとしてるんでしょ。俺は、配達してくれるおじさんは好きで、いつも道ですれ違うと、挨拶してるんですよ。

どうして、そういう、本質とは無縁のところで、カタをつけようとするかな?
東電の土下座行脚じゃないんだからさ。

明日は、ちょっと取材気分で、東電前アクションへ参加。その前に、救援物資をどこかで送らないと。
そして、夜は人と会うかも知れないので、その場合は、ブログお休みです。

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2011年5月12日 (木)

■0512 電子書籍■

盟友、レナト・リベラ・ルスカ講師と待ち合わせて、電子アニメ誌の打ち合わせへ。
12ca6tyaa3写真は、いつもお世話になっている、明大・木村乃准教授のオフィス。
「電子書籍」としてスタートしたものの、紆余曲折の果て、第0号は紙の本になる可能性が、高くなった。
ただし、この本については、出版社は介しません。だから、紙の本になっても、書店で売ることにはならないだろうと思う。

それでも、地域密着、「現場の空気を伝える」コンセプトは、変わっていない。
……どうも、この企画について書こうとすると、硬くなってしまう。ふだん、あまり関わらない方たちの援助を受けているのと、あと、失敗するのが怖いせいかな。

版権イラストが売りの雑誌が、あるでしょう。原画掲載に、重きをおいた本もあるでしょう。ウチは、そのどちらでもない、まったく別の面白味があるんだ、ということはハッキリと言えます。


で、このような状況の下地をつくってくださった木村先生によると、僕は、ツイッターやブログでは、発言や雰囲気が、かなりオタクっぽいらしい。……オタクは、趣味ではなくて、性格だからね。やっぱり、隠しても隠しきれるものではない(笑)。
けっこう、それが今日の打ち合わせの、本質だったりしたかも。

『ザンボット3』を「合体ロボット物だと思わずに、見てみろよ!」と宣言するのは、あの当時、カウンターであった。ロックであった。
では、『セーラームーン』はどうなのか。大人が良いと思っていても、こっそり伝えるべきじゃなかったのか?など。
人は、どこからオタクなのか。何歳まで、オタクでいられるのか。

『ガンダム』で、「合体シーンなんか隠せ、映画版では削ろう」となったのに、今、一番の売れ筋が、ガンダム顔をしたロボットになっている。そこに、何らかの倒立・倒錯があったのだと、僕は思っている。
ある世代からすれば、Gアーマーあっての『ガンダム』だったりするので、その視点も、おざなりにしてはいけない。批判をふくめても良いから、年若い世代の感覚も、認めていくこと。

若さだけは、誰にも否定できない強みだからだ。


なんと、メビウスモデル製「バトルスター ギャラクティカ」完成品を譲っていただいた。
12ca0cm672……ホントにね。余裕のある方は、レンタルで『ギャラクティカ』を見てください。第一巻だけで十分。
いまの日本人が見なくて、誰が見るの?と、心の底から思う。

このギャラクティカは、清潔感ある仕上がりが良いが、梱包が、これまた賢い。僕には、欠落した才能だ。


打ち合わせからの帰り、またもや、救援物資を買い集める。
以前なら、協力を呼びかけたと思うが、わざわざ「偽善者」と呼んでくださる方がいるので、リンクなどは貼りません。

全員に、勇気があるわけではない。少しの勇気をもつ人が、少しだけ動く。ただ、それだけのこと。

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2011年5月11日 (水)

■0511 ダーガー■

今日は、東京地方の風向きがよろしくないとの情報(もちろん放射性物質の飛散状況)だが、寒さはたいしたことないので、原宿へ。
11caakk2x2ヘンリー・ダーガー展。場所のせいか、女性客、多数。
初めて見る絵ばかり、しかも大型の絵が多かったので、かなり満足。花の絵が多いと、一気に「イヌカレー」度が増すね。

あと、やっぱりダーガーは少女たちを描きたかったので、そこを中心に見るのが正しいと思う。明らかに、可愛く描こうと賢明になっている。
だから、少女の絵がまったくない、騎兵隊の絵なんかは、写真のコラージュですませている。それは、「あとで、少女を描くぞ」という前提があるから、やむなく作成したのだろう。

やっぱり、ダーガーの作品は同人誌、いや、巨大なズリネタなんだ。
だから、なんだか白くて清潔な空間に、キレイに並べなくていいんじゃないかな。俺としては、あのダーガーの部屋を再現し、そこに作品を展示してほしかった。
それを考えると、ジブリ美術館は、やっぱり画期的だよ。


せっかく原宿まで来たので、キャットストリートに移転してしまった、キディランドへ。
Ca8lfhd1キャットストリートは、稲垣足穂の小説に出てきそうな路地で、かなり好きだな。

ディズニー・プリンセスと王子様が、ブリスター・パックになったセットがあって、夢心地。安かったんだけど、置き場所がないんだよね。
もう忘れかけていた『スター・ウォーズ』も、結構いいのが出ている。リボルテックのガンバスター、エヴァンゲリオン、いろいろ欲しかったけど……地震で崩れるかも知れないな、と思って、手ぶらで帰宅。

部屋中に、いっぱいオモチャがあった『ブリスター!』のような日々は、もう帰らない。


震災から、二ヶ月が経過。福島第一、例のごとし。

いつもなら、年20ミリシーベルト撤回要求の署名リンクを貼るところだけど、署名したい人は、自分で探すよね。
20ミリシーベルト問題に触れると、イモづる式に、いろんな問題に直面する。誰でも、一時は、正気をなくすと思う。大本営発表を信じていたほうが、そりゃ楽ですよ。
問題意識をいだいたら、どうしても、周囲の楽観とぶつかることになる。

菅総理が、原発政策を白紙にすると言い出した。しかし、すべての原発を廃炉にすると決めたわけじゃない。さて、どうするか?なんですよ。
20年も30年も、ずっと主体性なく生きてきた人に、「自分の意志で動け」といっても、無駄なこと。どこかで、線引きをしなくてはね。

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2011年5月10日 (火)

■0510 オタクライター■

母の祭壇には、陽が当たらないため、植物がしおれやすい。
10cawsuvp3やむなく、本日も玉川上水に、花々の亡き骸を埋めにいく。庭いじりしている人なら、分かるだろうけど、スコップで掘るだけで、ぶわっと土煙が上がります。
そうこうするうちに、雨。場所によっては、黄色い雨だそうですが……44歳の私はいいけど、子どもたちは、濡れないにこしたことない。

さて、子どもたちに強要されている「年20ミリシーベルト」という厳しい基準値を撤回させましょう!→署名
しかし、私がいくら広めても、ママさんたちの情報端末は、携帯がメイン。家事で忙しいだろうし、なかなか情報が伝わらず、歯がゆいです。


先月の記事を引用して、大変恐縮ですが、また『フラクタル』の話題です。

東浩紀「はっきりしてるのは、おれは今回、いろいろ言ってるアニメライターよりはアニメ業界の中に入ったよ。そしていろいろ思ったよ。でそれをよく分からんオタクライターに批判される筋合いはないと思ってる。」(http://bit.ly/i1LdaL

12年間やってきた実感では、「アニメライター」なんていう、便利な職業はないですよ。
もちろん、そう名乗っている方もいるけれど、たまたま、アニメ系の本に多く書いてます……という感じではないかな。

でもね、「アニメライターよりはアニメ業界の中に入った」、これは大間違い。僕らの仕事を、甘く見るなよ? 少なくとも、俺は東氏より業界のことを知っている。名前は出ないけれど、アニメの企画だって、何度か手伝っている。
来週も、あるアニメ会社に取材に行くけど、それは「業界の仕組みを知る」ということ。知ってないと、質問なんかできないはず。好奇心も不可欠。

僕は「よく分からんオタクライター」で結構だけど、批判する筋合いはある。それは、『フラクタル』が好きだから。


あんまり腹が立ったから、『フラクタル』BDの特典を、開封してしまった。
10cagdl41iつまりね、こういう特典をつけるにも、メーカーの人たちは予算とにらめっこして、知恵をこらすわけですよ。僕らが、最も多く接触するのは、プロダクションやメーカーの広報さん。
『フラクタル』の場合、さらにKプレスというプロモーション会社がついている。僕は、別作品で何度か、お付き合いがありました。

でもね、こっちが本気になればなるほど、衝突もするんです。
それを「ここんとこ我慢するから、次回は、こっち取材させてくれ」式に、謝ったり謝られたりしながら、仕事つづけていくんですよ。
それはね、作品や業界を応援するためなんです。ダラダラと言いたいこと垂れ流して、現場やメーカーの仕事を踏みにじるためではない。


アニメ業界だって、完璧ではないですよ。だから、ケンカにもなるわけで。
だけど、「よく分からんオタクライター」は、ちゃんと業界の中に入っているよ、東サン。あなたが、知ろうと努力してないだけ。

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2011年5月 9日 (月)

■0509 フラクタル■

今から、原稿の直しがくることを想定しても、映画一本ぐらいは見られるだろうと思い、TSUTAYAで『川の底からこんにちは』。
C0191977_22514749もちろん、映画のために捨て身になってくれる、満島ひかりには好感を持っている。でも、こんな「ほら、面白いでしょ?」と言わんばかりのキービジュアルしかなくて、まことに残念。

昔、『良いおっぱい悪いおっぱい』という映画があって、女優に「ウンコがさあ」と平気でしゃべらせて、何か、大胆なことをやったつもりでいるわけ。
『川の底からこんにちは』も同じ。「こんな美人に、こんな恥ずかしい、アホなことやらせるなんて、すごい映画だって思わない?」と。
PFFスカラシップ作品なので、そんなに腹を立ててもいけないんだけど。


今日は本当に、文句しか出てこないんだけど……。

ストーリー原案という立場でありつつも、『フラクタル』の山本寛監督を「引退しかない」などとコキおろした東浩紀という人は、僕ら『フラクタル』ファンのことを、どう思っているのだろう?

僕は、彼が明け方に、泥酔してツイートしたものをリアルタイムで見たんだけど、誕生パーティーの様子を中継していたらしい。→こちら
リンク先に「フラクタルの部分で"そこだけ切り取らないでね"と東氏が言ってたので」との注釈があるけど、甘ったれてはいけません

僕が雑誌に書いた記述なんて、一行だけ抜粋され、曲解され、ネットで「こいつ許せない」とか書かれてますよ。でも、それは読者の権利だし、反論はしないよ。
何歩かゆずって、昨夜というか今朝の東氏は、パーティーで酔っ払って「オフタイム」だったかも知れない。僕のブログもツイッターも、オフタイムですよ。だけど、発言の責任だけは追求されるわけ。
文章をてきとうに要約されて「フリーライターなんて、楽な仕事なんだろうなw」とも、書かれたよ。一度や、二度ではないです。

傷ついたけれど、だけど、「そこだけ切り取らないでね」なんて甘ったれやしない。いいように曲解される覚悟ぐらいはもって、書いてます。
それが「発言することの代償」でしょう。


僕は、『フラクタル』の第二巻も予約しているよ。むちむちのフリュネの肉感を、画面から感じたいから。
ファンっていうのは、しぶといからさ。ものすごく不快になったけど、キャンセルはしない。

なにより立腹したのは、この東って人が、『フラクタル』の何百人というスタッフの仕事に、しょんべんを引っかけたこと。
ワンクールとはいえ、テレビアニメって、たくさんの演出家、制作進行が集めてくる動画や仕上げスタッフが、納品日に向かって一斉に動かないと、絶対につくれないんです。ひとりでは出来ない。「自分のためだけ」にはつくれないのが、商業アニメというもの。

それを「僕は『フラクタル』の負け組ですから」と言われてしまったら、番組に穴をあけまいと奮闘したスタッフの努力は、どうなるの?

僕ね、原発関連以外で、こんなに腹がたったの、初めてかも知れない。
一度でいいから、動画用紙に、鉛筆で線を引いてみなさい。出来上がったものをバカにするのは、とても楽チンなんだよ。

こんな言われ方をされて、僕は涙がでるぐらい、くやしい。


自分のためだけに生きる人間は、これからの世界に必要ありません。

そこで、年20ミリシーベルト撤回要求です。→署名
「自分は、誰を助けられるか」「何の役に立てるか」を考えましょう。考えないと、菅や枝野のようになっちまうぜ……。

(C)PFFパートナーズ=ぴあ、TBS、TOKYO FM、IMAGICA、エイベックス・エンタテインメント、USEN

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2011年5月 8日 (日)

■0508 母の日■

母の妹さんに、わずかばかりの遺品を郵送した。「カーネーションを供えてあげてください」とメールが来たので、駅前の花屋で買う。
母の日にプレゼントしたことなんて、一回ぐらいしかなかった。失ってみて、初めて思いやる。

しかし、うっかりと、赤いカーネーションを買ってしまった。赤は血の色だから、花を買うときは、注意していたつもりなのだが、何か、鈍りはじめているような気がする。
とりあえず、謝りながら、供えた。

今日は、もう揺れないと思うので、祭壇にろうそくを灯す。


『ギャラクティカ』に登場するキャラクターに、聖人君子はいない。
Imagescaaczuz6カール・アガソン中尉は、初登場時、キャンディをくわえながらカードゲームに興じ、だらだらと女の話をするような軽薄ぶりだった。

しかし、各都市が核攻撃にあったというニュースが飛び交い、自らキノコ雲を目撃するにおよんで、彼はもう、気楽なパイロットではいられなくなる。

子供たちを優先して助けたばかりか、自分の席を、高名な科学者にゆずる。
「世界は、もう終わりだ。俺なんかより、もっと役立つ人材が助かるべきだ」。今の僕には、その気持ちが分かってしまう。

昔から、特撮番組でも、「女子供は助けろ」みたいなセリフがあったでしょ。
「どうして? 大人の男の人はどうすんの?」って思っていた。最近わかってきたけど、大人の男の人は、ろくなことしないから(笑)。女子供には、変化する可能性があるけど、男には、柔軟性がとぼしい。
頑固で、意固地になっていく人のほうが、圧倒的に多い気がする。

アガソン中尉は、無理やり助かろうとしたオッサンを銃で撃ったけど、その気持ちも分かる(笑)。


総理大臣がつっぱねてくれたので、「年20ミリシーベルト撤回要請の署名」、第二回が始まっています。→こちら
前回署名してくださった方も、お手数ですが、お願いします。
今度こそ、菅にYESと言わせよう!

twitterで見かけた、ガンジーの言葉です。

「あなたのおこなう行動が、ほとんど無意味だとしても、それでもあなたは、それをやらなければなりません。それは世界を変えるためにではなく、あなたが世界によって変えられないようにするためです。」

Film © 2006/2007 Universal Studios. All Rights Reserved.

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2011年5月 7日 (土)

■0507 エンジェルウォーズ■

友だちに誘われて、新宿で『エンジェルウォーズ』、見てきた。
001これは80年代のOVAなんだ、と思えば、邦題にも腹は立ちません。
ストーリーが面白くなければ、「これは映像を楽しむ映画なんだ」と、さっさと頭を切り替えればいいだけの話です。

――それでも、少女の肉体を使ったバトルを堪能したければ、『ハイキック・ガール』の方がいいよ、と思えてしまう。
好みの問題なんだけど、ここまでCGでアクションをつくってしまうと、それはもう、予定調和でしかない。実写に特有のアンビギュイティ(曖昧さ)が、画面から排除されてしまう。
しかし、あらかじめプレビズを作成し、そこから素材を集めていく方法は、アニメーション制作に似ている。じゃあ、なんでアニメは面白いんだ?という話になる。
やっぱり、「絵」というものには、リビドーが混入してしまうんじゃないだろうか。

洋画を見るときは、あまり女優には興味がいかないんだけど、『エンジェルウォーズ』は、ロケット役のジェナ・マローンが、非常によかった。


鑑賞後、友だち2人と酒。
新宿で帰っていった一人が、別れ際に「お前、がんばれよ」と言ってくれた意味が、今ごろになって分かる。

三鷹で、さらにもう一軒。ここで、物持ちのいい友人が、私が高校一年のときに描いたイラ07ca74hramストの、カラーコピーを取り出す。
エアブラシを使いはじめた頃で、星なんかは、マスキングして描いた形跡がある。添付されていた手紙には、「カラーコピーでは色がにごってしまう」と、言い訳が書いてあった。
他には「これから『幻魔大戦』を見に行く」と書いてあるので、83年のことだろう。

あまりムラムラして描いた記憶も痕跡もなく、どちらかというと指をしっかり描くことに、気を使っていたはず。肩の入り方とか。
逆をいうと、指や肩で色気が出ることを知りはじめたわけで、それなりのリビドーはあったのかも知れない。


浜岡原発停止への道筋ができたが、まだ油断はできない。

東京にコンプレックスをもつのは自由だけど、原発をダシにして、都民をねちねちといたぶるのは、やめていただきたい。
3月15日、東京にけっこうな量の放射性物質が降ったことは、「15日 東京」でググれば、情報が出てくるのに、「たいした量じゃない」などと言われてしまう。
「都民は、子供も汚染野菜を食え」などと言っている人もいた。

確かに、「どうしょうもない街だな」と思うこともある。
だけど、玉川上水ぞいに歩き、井の頭公園を散歩していると、「こんな綺麗な場所を、汚したくない」と心から思う。
母も私も、この町に生まれ育った。誰だって、生まれ故郷は愛おしいはず。

昨夜は、くやしくて泣いてしまった。

(C)2010 WARNER BROS. ENTERTAINENT INC. AND LEGENDARY PICTURES

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2011年5月 6日 (金)

■0506 無関心■

葉っぱを残して枯れてしまった花を、ベランダに出しておいた。
25caphtera毎日、水をやっていると、驚いたことに、また花を咲かせてくれた。こういう些細なことが、少しずつの慰めになる。
(これは少し前の写真で、今はもっと花が増えている)

昨日は、玉川上水のほとりに、しおれた花々を埋めにいった。
彼らは、「死んでいく」ということを、しっかりやってくれている。その亡き骸が土を強くし、まだ元気な木々の役に立ってくれていると、僕は信じる。

命とは、消滅するのではなく、循環していくもの。


嬉しいことに、「廣田さんの仕事なら、当社は問題なく……」と、相談にのってくれる方たちがいる。彼らを裏切るまい、という気持ちになれる。
いま書いている原稿も、「廣田さんなら書けるでしょう」と、いきなり連載にしてくれた。裏切れない。

昨日のつづきになるが、二月は悪夢におびえて、寝るのが怖いぐらいだった。
その頃、険悪な仲になった某誌が、「アンタにもいろいろあるんだろうけどさ」という言い方をした。「いろいろ」とは、正月の事件のことである。
僕も相手には悪い態度をとったと反省はしていたが、母の死と父の殺人を「いろいろ」で片づけられて、気分がいいはずない。
それが最後の電話で、十年つづいた縁が、切れてしまった。

事件があってもなくても、いずれは切れる縁だったのだろう。
しかし、事件をからめて責められたことは、死ぬまで忘れない。他人の同情心など、一ヶ月ももたない、と実感した瞬間である。


『ガンヘッド』『純喫茶磯辺』と、俺の大好きな映画で名演技を見せてくれたミッキー・カーチBdcam_20110506_141900921スさんが、昨日は「世田谷エネルギーシフト55パレード」に参加したという。そして、今日から仙台市、石巻市を回るらしい。
ツイッターで、ミッキーさんをフォローしていれば、分かる(笑)。その口調が「バンチョー」そのままなので、やっぱり嬉しかった。

もうひとつ、千葉麗子さんが「オペレーションコドモタチ」というイベントに、飛び入り参加したこと。これもリアルタイムで見ていた。

年20ミリシーベルトの問題は、ほとんど誰も口にしなくなってしまった。
今の僕の敵は、「無関心」。僕より声の大きな人たちが、無関心のぬるま湯にひたっているのを、僕はちゃんと見ている。

(C)東宝・サンライズ

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2011年5月 5日 (木)

■0505 悪夢■

正月の事件が、深いところで、自分の人生に影を落としている。

たまに父の夢を見るが、例外なく、悪夢だ。昨日は、まだ家族が四人いたころの夢で、二十年前に死んだ飼い犬が出てきた。
犬は、父の座っている寝室に入る。僕は、「どうして、そんな危険な男のそばに行くんだ。殺されてしまうぞ」と呼びもどしたいが、声が出ない。そういう夢。

一月いっぱいは、とにかく事務的な手続きが多くて、逆に、気がまぎれた。
悪夢がはじまったのは、二月からだ。
父が起訴されない可能性がある……と聞いたときは、何のために自分を奮い立たせてきたのか、母は何のために殺されたのか、無力感に押しつぶされそうになった。

家に帰るなり、その場にへたりこんで、意味なく泣いたのを覚えている。


僕は、死に場所を探している。
別に、富士の樹海に入りたいとか、そういうことではない。
仕事は積極的にうけ、企画の提案もバンバンしていく。それはつまり、やれることは全部やっておく、という意味だ。「やれることなのに、やらない」のは、それこそ、死んでいるのも同然だから。

ただ、今はベースをつくり、いずれは引き継いでくれる世代をさがす。
『ガンダム』のオープニングの「子を産み、育て、そして死んでいった」の「死んでいった」をやろうとしている人を、僕は、ほとんど見たことがない。

いつ、そういう気持ちになれたのかというと、たぶん3月11日の、ちょっと後ぐらい。
原発事故が起きた。この事態の中に、自分の死に場所がある。
父親の刑が執行されたら、もっと踏ん切りがつく。

いかにも甘っちょろく見えて、叩きやすいと思うんだけど、俺はファッションで「反原発」と言いだしたわけじゃない。
自己実現欲求なんて、母の血のにじんだ遺体を見たとき、消えうせたよ。あの日、すべてが白紙になったんだよな。


明日は、小学校時代の旧友2人と、『エンジェルウォーズ』を見に行ってきます。
連休とはいえ、こんなにすごい勢いで友だちと会うのは、ひさびさです。

たまに、地の底に落ちたような気持ちになるが、彼らが音楽を奏でてくれる。

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2011年5月 4日 (水)

■0504 かんなぎ■

東北の友人から、電話があった。
当地の人に聞かないと、分からないことが沢山ある。まず、救援物資は、真っ先に西日本から送られてきた、とのこと。その点、大きな被害もないのに、輪番停電に踊らされていた東京は、役立たずですね。

また、大きな町では復興のために、大量の人員が送り込まれてきているので、景気はよくなるかも知れない、と。しかし、避難所生活を強いられている人たちは、まるで先の見通しが立っていない。
よって、義捐金は今すぐではなく、一年後ぐらいに送ってもらえると、みんな助かるのではないか、とのこと。


山本寛監督の「七ケ浜町復興市」参加について、昨日は言葉が足らなかったかも知れない。
ようは、ここまで、現実に対して主体性を発揮できる人でないと、監督業などできるものではない。アニメというのは、夢を見ていれば出来るわけではなく、身体をつかった手作業の集積なんだ、ということですね。

いま、TOKYO MXで『かんなぎ』が放映されているけど、ちゃんと一迅社が提供していて、Imagescaeg8exf 実に頼もしい。僕は「メイキングオブ マイマイ新子と千年の魔法」で初めてご一緒したけど、今後も一迅社さんとは、仕事しますからね。

そういうスポンサーの件も含めて、やけに律儀なつくりなのが『かんなぎ』の良さです。
正直、自分はターゲットから外されているので、見ていて気恥ずかしさがあるのですが、その分、若い視聴者のほうを、しっかり向いているということじゃないかな。

山本監督は「神道アニメ」という言い方をしていたけど、目には見えないはずの、いわば異界の存在を、いかにして受容するか。
それはアイドル扱いでも、ネットを使っても、別に構わないじゃないか、という前向きなプロットね。あまり観念的な話はしたくないんだけど、根底に「相手を許す」寛容さがあるような気がして……山本寛の寛は、寛容の寛じゃないか、とも思ったり。

読みは「やまもと ゆたか」です、念のため。


次は「不寛容」な話題。
年20ミリシーベルトの放射線量を、子供に強要する問題で、このブログでも反対署名を呼びかけました。ところが、菅直人総理は、撤回要求を拒否。→こちら
この男は、裁判にかけるべきですね。

僕だって、この人たちが、もっとしっかりしていれば、原発反対なんて言わなかったかも知れない。

(C)武梨えり/一迅社・アニプレックス

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2011年5月 3日 (火)

■0503 ヤマカン■

昨夜は、友人と会って酒、朝までカラオケでした。
03cahukuz1もともとは、東北で被災した共通の知り合いに、「何か、物資を送ろう」と集まったのです。
ダンボールと梱包材、テープなどを使って作業。デザイナーの友人は、こういう時の判断が、合理的です。買い物したスーパーからハサミを借りてきて、テキパキとコンパクトにまとめ上げる。僕は、そういう作業が、からっきしダメなんです。

だから、こういうときに、その人の意志の強さが、能力となって現れるんだと思います。
デザイナーだから、得意なイラストばかり描いたりして、楽なもんだろうと考えてはいけません。頭の中のイメージを、具体的な作業に落とし込んでいくわけですから。


同じことは、アニメ監督の山本寛氏の活動にも言えます。→こちら
「さっさと、本業のアニメをつくれ」という批判があるとしたら、それは作家というものをナメています。

そもそも、アニメであれ実写であれ、「企画」というものは、メーカーからの要望があって、はじめて成立するものです。「ヤマカンが好き勝手にやっている」などと幼稚なことを考えないように。
1クール二億円というお金は、個人が遊ぶためにあるわけではない。プロデューサーがコントロールしてるんだ、程度の意識は持ってほしい。

というかねえ、俺がグレメカ誌でアニメ監督にインタビューしつづけてきたのは、そういう部分を見てほしい、と思ったからであって。
新房昭之監督だって、「作品が売れたらスタッフの手柄、売れなかったら新房の責任」と言ってるんです。実質はチームプレーだけど、監督は看板をしょってるんです。

俺は、『かんなぎ』のふるさと振興を応援に駆けつけるヤマカン氏の姿を、本当にまぶしく感じる。
彼の行動だって、作品の一部じゃないか、と思えてくる。 今夜は、心して『かんなぎ』の再放送を見ます。


敦賀市の選挙のことは、前にちょっと書いたと思う。
その敦賀原発で燃料漏れがあった。→こちら

選挙では、原発のことを口にすると、「耳に痛いこと言わないで」と避けられたという。そういう土地柄なので、一度、訪れてみたいと思っていたが、さっそく事故ったか。
だから、原発はやめれって。

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2011年5月 2日 (月)

■0502 ギャラクティカ■

毎晩、へとへとに疲れて、ぶっ倒れるように寝るのですが、今日は8時半に目が覚めてしまったので、少しだけブログを書くことにします。

例の「川崎市が被災地の災害廃棄物を受け入れる」件。
気になって仕方ないので、川崎市・環境局施設部処理計画課に、電話してみました。相手も慣れた様子で、「まだ何も決まっていない」「決めるにしても、(放射性物質輸送の)法的根拠がない」「どの省が管轄するかも、決まっていない(環境省ではない)」。

4月中旬時点で、市がトーンダウンしていると聞いていましたが、明らかに及び腰でした。これなら、覆せます。
関東地方の皆さんは、ひきつづき抗議と質問のメール、電話を。礼儀ただしくね。


しかし、こういう行動に出る人は、女性のほうが多い気がする。
男性は、かたくなです。「俺は間違っていない」と、それまでの態度を崩そうとしない。母を刺殺した、うちの父親が、まさにそう。
ゆがんだ父性ですね。乱暴で、強気な意見を吐いたほうが「男らしい」「硬派」と信じ込んでいる。

『ギャラクティカ』のアダマ艦長がすばらしいのは、「信念にもとづいて行動する」とムッツリAdama しておきながら、しょっちゅう、態度を変えるところです。
特に、女性に助言されて、考えをコロッと変えることが多い(笑)。

世間では、考えを変えることが、悪いことのように言われていますが、世の中がこんなに激動しているのだから、柔軟に対応しなければダメです。
「今までも原発は危険だったのだから、これからも危険と隣りあわせで生きるべきだ」などと、開き直らないでいただきたい。


故郷を核攻撃され、えんえんと流浪の旅をつづける『ギャラクティカ』は、今の日本と深く通じるところがあります。

政権が変わってから、5万人に減った人類は、一時的に、ある惑星へ入植します。
Untitled_2仮設された町で、整備班の班長だったチーフ・チロルは、労働組合を組織。
さらに、惑星が敵の占領下におかれると、彼は反政府グループの一員として、活躍をはじめます。

私は、この時のチーフ・チロルと、政府内から機密情報を流しつづけるゲータ中尉の会話が大好きです。
「やれることがあったら、考えてみる」と弱腰なゲータに、チーフ・チロルは「やれることがあったら、やれ!」

フィクションから学べることは、とても沢山あるのです。

Film (C)2006/2007 Universal Studios. All Rights Reserved.

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2011年5月 1日 (日)

■0501 楽観■

全6ページの原稿のシメキリが、十日後に迫りました。たぶん、構成も自分でやらなきゃならない様子なので、のんびりとはしていられません。

明日は、「被災した友だちを何とか支援できないか」との相談を受け、第一回の物資搬送です。
そんな悲壮な雰囲気ではなく、アニメ業界の方からも応援してもらい、楽しくやっています。しかし、この仲間と気楽に呑んだりできるのも、これが最後かな……という気が、しています。

先日のスーパーフェスティバル、そのあとの呑みも、同様。こうやって最後の日々を、神様に与えてもらっているんだ……と、不思議な気持ちです。
伊丹十三は、「悲観的に準備し、楽観的に遂行せよ」と言いました。悲観的、感傷的なのは、僕のクセみたいなもんです。

楽観的といえば、まだアニメを見る気が満々であるとか、そういうことかなあ。今日だったら、『花咲くいろは』があるから楽しみ、とか。
このまえ、某社の編集長に「どんな企画でも、持ってきてくれれば、見るよ」と励ましてもらったので、仕事もやる気あるし。


さて、皆さんがたいして興味を示していない、放射性物質の付着したガレキを、川崎市が受け入れるという人災。
先週木曜、環境省に電話した方がいました。録音されてます。→こちら

……どうですか。このグダグダっぷりでも、まだ「国が間違ったことをするわけがない」と信じつづけますか? 「放射性物質が混じっていても、一般ゴミとして燃やしてしまう可能性がある」と、はっきり言っているわけですが。
黙っている人は、「まあ、しょうがない」という態度? あなた方が黙っているから、こういう異常な事態が、異常なまま、進行してしまう。

この件については、非常によくまとめてらっしゃる方がいました。→こちら
めぐりめぐって、「市民が悪い」という結論にいたっている(笑)。でも、この記事は半月前だけど、上の電話は四日前だからね。


しかし、目に見えない不安から「原発うつ」を発症する人が多い中、「見ざる・言わざる・聞かざる」に徹して、だんまりを決め込んでいる弱い人たちを、責められないです。
(ジャーナリストの端くれならば、何も言わないのは罪だと思うけどね……)

僕は、中学~高校と、学級委員や生徒会役員を、すすんでやりました。
高校に入ると、内申書を有利にするために立候補するヤツも出てきましたが、僕が立候補した理由は、簡単。
教師と、交渉しやすいからですよ。文化祭でも何でも、不満があれば、教師に直談判できる。

だけど、「あいつ、目立ちすぎだ」と陰口をたたくヤツもいたわけ。
今だって、そうだよ。『マイマイ新子』の署名活動なんて、どれだけ叩かれたんだよ。
『ぼくのエリ』で、配給会社と映倫に質問をぶつけたけど、あれだってファンから「甘い」と言われたんだよ。

「だったら、お前らがやれ!」とは言わない。彼らには、できない。できないから、文句をとばす。それはもう、彼らの性格だから、変えられない。
原発事故で意識を変えない、現状維持に固執する人は、はじめから変化が嫌いなんだよ。もともと、変化を怖れる性格の人が、現状を容認している。
俺は、そういう人たちには、何も期待しない。

ただ、自分だけが歩ける道を、歩いていくだけだ。
明日は、ブログお休みです。

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