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2011年4月18日 (月)

■0418 AKIRA■

気がつけば、4月も、もう後半。
18caj5gf9jイラストレーター、天神英貴氏の取材、終了。
(左は、氏が趣味で描いた有名なおっさんキャラ)

「アイレベルを、自分の眼の高さに置く」。それは描画テクニックの話だけれど、思想でもあるよね。「いつも、自分から見える場所を探している」。
この人の言葉には、ジョークはあっても、ウソはない。

後半は、やはり震災の話になった。
担当編集氏が、高円寺デモに参加していたと聞いて、ちょっと驚いた。他の編集に落とされた企画を、この人なら拾ってくれるかも知れない。


昨夜は、チャンネルNECOで『AKIRA』が放映されていた。
アキラは、覚醒の「覚」と書くのだと思うが、おぼろげに、その意味が分かったような気がする。単細胞生物以前、空気や水にまで「覚」が宿っている、という発想は、やはりLSDでも服用しないと、出てくるアイデアではない。
Akira0122原作漫画は、その辺がもうちょっと露骨で、薬を使って能力をコントロールしていた鉄雄が、あるときから「もう薬は必要ない」段階へいたるのは、まさしくサイケデリックス(精神展開薬)だと思う。

いま気がついたけど、原生生物以前の根源的な「生命」に思いが至ったからこそ、大友克洋は『蟲師』を撮ったのかも知れない。


以前に、ケイたちが施設に侵入するシーンのカット割りについて書いたと思う。
今回は、地下水道で、フライング・プラットフォームに襲われるシーンを「上手い」と思った。まず、このメカのデザイン自体、たいして強そうにも怖そうにも見えない。だけど、「来られたらヤバイ」という危機感を出さないと、いかんわけですよね。

そこで有効に使っているのが、光。フライング・プラットフォームはサーチライトをつけているので、光の触れた部分は、明るい色で塗られる。その面積が広くなると、「危ない」となるわけです。
サーッと天井をなでた光が、次には金田たちに当たる。それまでカゲ色だったのに、急に明るい色になり、「来るぞ!」というセリフが入る。このカットに、フライング・プラットフォームは、まったく映っていない。だけど、ジョーズの背びれのように、「ピンチの信号」として光が使われている。

そして、フライング・プラットフォーム自体が光を発しているので、画面の中央にいるのに「よく見えない」というのもポイント。
セル画時代のアニメの制作(特に撮影)には、想像を絶するものがあるけど、こういう部分を、よく見なくてはね。


そして、石棺されたアキラと、そのエネルギーを「自由に扱えるようになる」と楽観する科学者。怖いですね。
政府がアキラの存在を隠蔽しているのに、民間ではダダ漏れになっているというのも、今の日本によく似ています。「来年はオリンピックなんだ!」と叫ぶ政治家も、誰かさんに似てますな。

(C)1988マッシュルーム/アキラ製作委員会

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