■0416 家族■
今日は、母の祭壇をつくってくれた友人が、大胆なリニューアルに来てくれました。
前々から、火葬場で渡された白い布につつまれた木箱(骨壷を入れるやつ)が辛気臭くて、「何か新しい入れ物をつくりたい」と相談していたのです。友人はなんと、屋久島で木工品をつくっているご両親にかけ合ってくれて、屋久島製の木箱が送られてきたのです。
「アンティーク家具のような感じにしたい」というオーダーにも、しっかり応えていただけました。友人のアイデアで、正面にはネックレスなどの遺品を架けられる突起があります。
この雰囲気に合わせて、春らしい色の布を選んできて、桜の花びら(の模造品)をテグス糸に貼りつけ、天井から垂らすなど、いろいろ飾ってみました。
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さて、もうひとつの目玉は、友人が旦那さんと2人の娘、ひとりの息子を連れてきたことです。
旦那さんとは、10年ちょっと前に『ガンダム』の同人誌に参加してもらって以来の再会です。 三鷹市民特権で、チケットを入手してあったので、旦那さんは、3人の子供を連れて、ジブリ美術館へ。残った友人は、買いこんできた花々を、丁寧にコーディネートしてくれました。
20代の頃、2歳ぐらいの男の子を連れた女性と、付き合っていたことがあります。
彼女は、母子家庭の交流会や勉強会に出かけることが多く、私はたいてい、その2歳の子供と近所を散歩したり、時には電車に乗って、つげ義春の漫画のように、行くあてもなく時間をつぶしていたものです。
見知らぬ家に来てしまい、手持ち無沙汰にしている2歳の長男くんは、小さい頃の私にも似ている。彼だけなら、ちょっと感傷的な気持ちにもなれたのかも知れない。
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しかし、上の姉妹は、すごかった。面白いんだけど、疲れる(笑)。
なぜか俺は、ずっと「社長」と呼ばれていた。銀座のクラブじゃないんだが。
まず、なぞなぞを出されたのだが、ものすごく範囲がアバウトで、まず絶対わからない。「穴が空いてるけど、使えるボールってなーんだ?」と問いを出されるので、これでも必死に考える。聞こえないフリをすると、怒られるからである。
答えは、五円玉。「玉」だから、ボールと同義らしい。ちょっと、クラッとしてしまう。
次女が、「ゲームやるから、見てて」と言って、父親のiPhoneで遊びはじめる。ちゃんと見てないと怒られるので、たまに感心しながら、見入る。
と同時に、長女が絵を描いてきて、「どれが上手いか、印をつけて」と迫る。印をつけると、「どうして?」と聞かれる。何とか理由を考えるが、その間、決してゲーム画面から目を離してはいけない。
2歳の長男くんは、ひたすら自由行動なので、私に対する無茶ぶりは、一切しません。
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2011年元旦をもって、廣田家は消滅しました。
35歳のときに結婚して始まったはずの、第二廣田家も、三年後の離婚をもって消滅しました。
ほかの家のお子さんは、たった一日の付き合いだから、かわいく感じるのです。「これが毎日だと、ヘトヘトだよ」と言われれば、それは確かに分かる。
しかし、次女の子が発した「今日、お泊りするの?」という一言で、40年の月日が巻きもどされ、自分にも、そんなことを親に聞いたりした頃もあったのだ、と思い出してしまった。
祖父の家に泊まった夜、お婆ちゃんが毛布を持ってきて、みんなでひとつの毛布にくるまりながら、テレビで『蝿男の恐怖』を見たことを思い出します。
あの時、お婆ちゃんには、私がどう見えていただろう。あの時刻、母はどこで何をしていたろう……などなど、余計なことに想像が広がるのです。
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コメント
今日は本当にお疲れさま。
疲れたでしょう?(笑)
賑やかなのが好きな人だったと言っていたから、一度は子供達連れて行きたかったのよ。
きっとお母様、喜んでくれたよね?
今度は、できれば夏にK太郎だけ連れて行こうかな?
投稿: ごんちゃん | 2011年4月17日 (日) 00時24分
○んちゃん(一応伏せ字)と一緒に藝術センスあふれる祭壇でしょうね。
お母様もお喜びでしょう。
社長は両手に可愛い花で春爛漫な一日でしたね(笑)
紙風船だと思ったら、五円玉とは…
投稿: kyasリン | 2011年4月17日 (日) 00時35分
あっ、せっかく伏せたのに先にごんちゃんが(爆)
投稿: kyasリン | 2011年4月17日 (日) 00時36分
■ごんちゃん様
ひょっとしたら、「子供に合わせた態度」をとらなくちゃいけないかな?と緊張していたら、まったく、そんな必要はなかったという(笑)
姉妹の力関係が、なんとなく感じとれて面白かった。
>今度は、できれば夏にK太郎だけ連れて行こうかな?
それも面白いなあ。とりあえず今日は、ガンプラのパーツに興味を示していたけど、本当は何が好きなんだろう。
■kyasリン様
そう言えば今日、あなたの話題が出たんですよ。「いつか、祭壇を見に来るんだよね」って。
いま、花がすごい状態になってます。「何万円かかったんだよ」ってぐらいに。
>社長は両手に可愛い花で春爛漫な一日でしたね(笑)
可愛いけど、聖徳太子みたいに、一度に2人(旦那さんも入れると3人)と会話しなきゃならないんですよ。
一枚目の写真にある、折り紙の花は、長女の子が作ってくれたものです。
こういうところは、さすが女の子です。
投稿: 廣田恵介 | 2011年4月17日 (日) 01時15分
そんなことがあったんですね!
木箱、良い雰囲気ですね。オシャレなハワイアンジュエリーのお店のディスプレイにありそうな。
新しくなって、ご先祖様も喜んでるんじゃないでしょうか?
長女次女とのからみ、K太郎のマイペース、情景が目に浮かびます。笑
ちなみに僕はK太郎のファンです。
投稿: まこと | 2011年4月17日 (日) 09時49分
■まこと様
木箱、実際はもっと凝ってます。微妙なところに角度がつけてあったりして、彩色も綺麗だし。
>新しくなって、ご先祖様も喜んでるんじゃないでしょうか?
それはもちろんだけれど、この部屋が、あんなにぎやかだったことは、かつてなかったので(笑)
そっちの方が、楽しかったんじゃないかと思います。
俺は、わりとみんなが集まっても、ポツンとしている子供だったので、K太郎くんのマイペースぶりは、よく分かるような気がしました。
投稿: 廣田恵介 | 2011年4月17日 (日) 09時59分
>ガンプラのパーツに興味を示していたけど、本当は何が好きなんだろう。
いつも、トーマスと電車のオモチャを持ち歩いてる。萌えポイントは「回転するもの&回るもの」らしく、ハンドル、タイヤ、ナット、ねじ、カギ、コマ、などに反応します。
投稿: ごんちゃん | 2011年4月17日 (日) 21時09分
■ごんちゃん様
そうか。
次に来るとき(あるいは行くとき)は、何か考えておこう。
投稿: 廣田恵介 | 2011年4月17日 (日) 21時40分