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ファミリー劇場で、『装甲騎兵ボトムズ』を見ている。もともと通好みのデザインのロボを、さらにモノトーンで見せて、「ここまでやってプラモデル、売れるの? っていうか、4クールの制作費、金型代で回収できるのか?」と、改めて唸る。
だって、4クールの30分アニメって数億円のプロジェクトですよ? フックが「リアルなロボット」だけで、後は問わないというのも豪胆だよね。
『魔法少女まどか☆マギカ』が成立した背景には、『ひだまりスケッチ』シリーズのヒットがあることは明白だ。『ひだまり』が3期あるのは、最初から仕込んだんじゃなくて、DVDの売り上げが良好だったから。
だから、「蒼樹うめの絵なら、後は問わない」ぐらい、思い切った企画だった可能性がある……かどうかを、アニプレックスのプロデューサーに聞いてきます。(掲載媒体は、いずれ)
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最初の頃、『まどか☆マギカ』を見ていて、えらい疲労したんだけど、第9話を見て「ああ、コレが原因だったのか」と確信した。
それは、会話シーンでカットが変わっているのに、同じキャラが、ほぼ同じフレームサイズで入っていること。例えば、「まどかが喋っているカット」の次に「まどかが悲しそうにしているカット」が、同サイズで繋がっている。普通は、サイズを変えます。
何のアニメでもいいんだけど、誰かが「実は私、○○くんと付き合っています」とか告白するアップがあったら、「ええーっ!」とみんなが驚くカットは、たいてい引きの絵(ロング)じゃないですか。そうやって、フレームサイズを変えて、テンポよくするんです。
だけど、『まどマギ』の「同サイズの絵をつなげて、ストレスを増す」のは、これはわざとやっているよな。
このカッティングに文句を言うのは、ピーター・グリーナウェイの演出がヘンだ、というようなものだ。(なんでグリーナウェイを引き合いに出したかというと、画面に記号が埋め込まれているのが新房作品っぽいかな、と)
ストレスも、度を越せば、エンターテイメントになる。蒼樹うめの絵をストレスに感じる人は、我慢して見たほうが、きっといいことありますよと、これは真剣にそう思っている。
僕は、劇団イヌカレーの絵を、いまだに直視できないもの。
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佐倉杏子というキャラのフィギュアを、粘土で自作しはじめた人がいる。ところが、作っている最中に、杏子がああなってしまった。その人は「9話…最高でした 忘れられない作品になりそうです」とコメントして、いまだ作っている。
俺は、その人と『まどマギ』の関係に、ちょっと嫉妬を覚えるのよ。それを「しょせんは萌え、リアルな関係じゃない」なんていう権利は、誰にもない。
(C)サンライズ
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