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2011年3月20日 (日)

■0320■

今日は、水のかわりに泥が流れ、ついには土に埋まってしまった玉川上水のほとりに、花たちの亡き骸を埋めに行った。
これで3回目なので、だいたい掘るのに適した場所が分かってきた。僕が遊んでいると思ったのか、子供たちが降りてくる。君たちも、花が枯れたら土に戻してあげなさいね。

その足でココイチへ行き、1,050円、消費してきた。廻れ、日本経済。こちらは日本外食党です。


例の「AERA」の表紙を叩いていたら、「寛容さがない」「ソーシャルの恐ろしさを見た」など、い1381691496ろいろ批判された。「AERAの表紙、イカしてるじゃん! お前らには、このセンスが分からんのか!」と正面から擁護してあげればいいじゃん。

プロ野球についても同様。「野球ぎらいのアニオタ」と呼ばれ、「こちらが騒ぐ問題ではない」と諭されてしまった。野球はアンタッチャブル、天災にも優先される神聖なる競技ということらしい。
だって、計画停電中でさえ、交通事故で死亡者が出ているのに、それでもやるんでしょ?

ココイチから戻り、水道の水を飲みました。今日の東京の水道水には、放射性物質が含まれています。友だちとメールで話すと、「本当は外に出るのも怖い」という話になります。
三鷹駅前を、大きな荷物をもって足早に歩く人たちがいます。
吉祥寺で「コーヒーの試飲、いかがですか?」と笑顔をふりまいていたアルバイトの女の子。彼女だって怖いはず。だけど、恐怖を笑顔で封じて、「私たちは負けない」と胸をはってるんじゃないか。

AERAもプロ野球も、東京を元気にしようと怖れをこらえている我々の神経を逆なでする。
これは本能である。本能の発する怒りである。


僕は、出かけるときは玄関に祭られている母に「行ってきます」と言うようにしている。「でも、帰れるのかな……」と思う。仕事の電話で「じゃあ、来週金曜に打ち合わせましょう」と言うけど、「その頃、東京、どうなってんだ……」と思う。

それでも、「この仕事は最後までやりたい」「この原稿は俺にしか書けない」と思うから、とどまることにしている。僕の関わった本は、西日本にも流通するのだし。
俺は三流だが、「書きたい欲」は旺盛だ。

いろいろ思うことはあります。『塔の上のラプンツェル』を見たい。『ゼーガペイン』や『地球少女アルジュナ』のことを書きたい。それらすべては、明日があったればこそ。
東京の諸君、明日も笑顔でがんばろう。水道水も、怖れず飲み干そう。こちらは、日本外食党です。

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コメント

人には「元気でいて」と言っておきながら、正直いうと...ここ数日間食事をしていても胸がつかえて苦しい。。。子供も「地震おわった?」と何度も聞きます。でもどんなに苦しくても笑顔だけは忘れないようにしなきゃ!って。

投稿: ごんちゃん | 2011年3月20日 (日) 23時36分

■ごんちゃん様
ネットでもいいから、発散できる場は持っておいた方がいいよ。
「元気でいて」と言うのは、自分のためでもあるので、いくら言ってもいいはず。

子供たちにとっても、何か気分転換になることがあれば……地震に対しては、耐性をつけていくよりないと思う。
生きているだけでも、めっけもんと思わなくては。

投稿: 廣田恵介 | 2011年3月21日 (月) 00時02分

ありがと。
やっぱり、大人の私は色々と発散の仕方を模索できるけど子供はそれができないので、せめて被災地の映像をしばらく見せないようにしようかと...ただ募金活動とか節電を子供も巻き込んで習慣化することは良い事なのでやっていくつもりです。

投稿: ごんちゃん | 2011年3月21日 (月) 00時43分

■ごんちゃん様
この日記に書いたように、俺は花を埋めているだけなのに、バス停に並んでいた子供たちが、笑いながら走りよってきた。
もちろん、お母さんは「バスが来るわよ」って止めていたけどね。子供は、何にでも興味を持つんだな、とちょっと感心した。

日本を世界一の国にしよう。

投稿: 廣田恵介 | 2011年3月21日 (月) 00時50分

あらら、私は廣田さんを「アニオタ」の中に入れて考えた事はないのですが。もしそれで気分を悪くされたのなら申し訳ないです。
べつに野球を神聖化するつもりも無いですしね
ただツイッターやら某まとめサイトにはアニメのL字放送や放送中止にあらん限りの悪態をつきつつ自分達の興味の無いイベントを攻撃の対象にしている連中が溢れかえっています。ナベツネや寝ぼけた事を言うセリーグ事務局を擁護するつもりはさらさらありませんが、じゃあ、それがもしナイターじゃなくてコミケやワンフェスだったら、膨大な人数が一極集中してもし余震が来たら問題、その人数故交通機関に負担をかける、自粛中止を、となったらきっと世間に対して凄まじい悪態をつくんでしょ?その手のひら返しをする様な事は理解してあげられないわ。ということです。
それとここぞとばかりナベツネと石原知事を結びつけ、都条例問題とリンクして攻撃してる様な人もご同様です。
結局この人らの頭の中に東北の被災者の事はまるで無いんだな、と感じます

投稿: Miya-P | 2011年3月21日 (月) 10時44分

■Miya-P様
「アニオタ」という言葉が私を指していないにせよ、ナイター開幕に反対していたのは事実なので、結局は似たようなものでしょう。

『マイマイ新子と千年の魔法』の署名活動、『ぼくのエリ』の映倫への公開質問、どちらも「しかるべき人たちになんて任せておけない」という気持ちから動きました。しかし、今回はあなたに「われわれが言うことではない」という説得のされ方をしてしまった。
「ナメられたもんだな」と、心のそこからガッカリしましたね。

>結局この人らの頭の中に東北の被災者の事はまるで無いんだな、と感じます

同じように、あなたは関東の人間が何に脅えているのか、分かっていません。

日本はもう、東西でぱっきりと分かれてしまったかのような気さえしています。
東日本の連中は停電ぐらいでガタガタ言うな。我慢しろ。微量の放射性物質、我慢しろ。ナイターもやるが、これも我慢だ。
東京を脱出する人たちは、そのストレスに耐えられないんです。理屈ではなく、誰もが神経をすり減らしている。

「野球はやめろ」と「アニメやマンガ関連のイベントも自粛」、これは表裏一体。どちらか片方というのはナシ。これが私の見解だし、あなたはお読みになっていないようだが、そうツイートしました。

ただ、野球の社会的圧力の大きさに、いささか呆然としています。野球ファンに絡まれてもつまらないので、都民として「我慢」いたします。

投稿: 廣田恵介 | 2011年3月21日 (月) 12時34分

うーん、何を根拠にそう思われたのかはわかりませんが、少なくとも私は関西だから大丈夫なんてこれっぽっちも思ってはおりませんし、いまだに毎日一晩中NHKはつけっぱなしです。緊急地震速報がなる度に飛び起きてしまいますが、関西、いや神戸圏で被災した人間の多くがそうだと思いますよ。地震はいつどこで起るかわからないという事を95年の震災でいやになるくらい思い知らされましたからね。奥尻の事態を他人事と思っていたのが当時の我々だし。それ以後は今でも常に明日起こる地震一発で死ぬかもしれないという恐怖は未だに拭いきれない。ましてや今回の地震、さんざんいわれてる南海地震が誘発されるかもしれない恐怖に怯えています。

>東日本の連中は停電ぐらいでガタガタ言うな。我慢しろ。
我々の周りは多くの家が潰れて死人も出たし、実際に2週間電気が無く、2ヶ月ガス、水道が、鉄道は半年なかったですけど。だからと言って関東の人にそのときどんな心理かを理解して、とは思いませんけどね。
リアルで激震に直面した時の状況はいくら言葉にしても理解出来る筈が無いもの。隣の大阪の人間ですらそれを理解する事は出来なかったです。
不足したもの買う為にバイクでひとつ川を超えればほぼ無傷の土地があり、そこでは平然とパチンコ屋に人が群れていた。その不条理さに唖然としたものです。

こういう言い方はよろしくないのかもしれませんが、東京のほとんどの人にはまだ仕事の場も、娯楽を楽しむ自由も、家庭もちゃんとあるじゃないですか。
プロ野球に文句を言うのもそういう選択の自由があって、自分達の生活が電力不足で阻害される可能性があるからでしょう。全てを失った神戸の人々はインフラに困難を抱えつつもオリックスの試合が神戸に行われる事に文句どころか生き甲斐を見いだすしかなかったんですよ。今ナイターを気にせずやれとはまったく言いませんが、東京の人にはまだいろんな自由があるんです。

ホントは我々も昨日は東京のあるイベントに行こうと思っていたのですが東京も地震の影響もあるだろうし、それこそこっちに来てる間に関西や通過点のどこかでで何かあったら大変という事で自粛しましたが、イベントのレポートを見ると大盛況だった様で全くこちらのの杞憂にすぎませんでした。なんだかんだ言っても東京はそれくらい平和だなと。

被災自慢みたいな事はしたくはなかったのですが、「何も理解していない」などと言われたのではたまったものではありません。

あの地震を契機に僕の人生観は日々やりたい事をやる、に変わりました。老後の事なんてもう考える事も無くなりました。ああ、まだあれがやりたかったなあ・・・で死にたくはありませんので。

投稿: Miya-P | 2011年3月21日 (月) 14時18分

■Miya-P様
はい。
ですから、何が起きようと、どう言われようと「我慢」いたします。

投稿: 廣田恵介 | 2011年3月21日 (月) 15時33分

私が野球を絡めてしまった事でちょっと話がおかしくなってしまいましたが、昨日私が本来懸念していた様な話が出てきてしまいました

コミックマーケット80サークル参加キャンセル受付について
http://www.comiket.co.jp/info-c/C80/C80cancel.html
この文面、被災者に配慮という意図らしいのですが、
申し込んだサークル、参加出来ない場合はは郵送にてキャンセルを申し込んでくださいという事なのです。
しかも4/7(必着)という日を切ってそこまでに連絡した方には申込金を返却します、と。
これ、あまりにも酷いと思いませんか?
参加出来ない東北の人が今どんな状況にあるか、想像くらいつくでしょうに。
この場合今問題なく参加出来る人にあらためて参加の意志を再確認させるのが当然の処置の筈です。ワンフェスでは当日版権を今回はなしにしあらためて参加の場合はその旨再度申し込みという事になりました。規模は大幅に縮小となりますが、これは正しい判断です。
言い方は悪いですがコミケは膨大な参加者に負担をかける事よりもひょっとしたらもうこの世にいないかもしれない参加者を切り捨てることを選択したとも言えるのです。
亡くなってしまった人達のお金はどこに消えて行くのでしょう?
私もコミケの参加を申し込んでいる者ですが、自分達の楽しみの為にこの行為を批判する事を口ごもってはいけない。でも参加者達の間では、危惧した通りそんな事おかまいなしの空気なのですよ。
廣田さんの新しい言葉を借りれば「社会全体が「何とか早く、元の暮らしに」というムードになっているのが、私には怖ろしいです。」の象徴の様に思われてならないのです。

投稿: Miya-P | 2011年3月28日 (月) 01時51分

■Miya-P様
私は、以前よりコミケの運営には懐疑的でした。自分で申し込んだのは一度だけ、もちろん落とされました。「あれだけの金とったくせして、落とすんだ……」と絶句し、二度と申し込んでいません。

リンク先を見ましたが、「同人活動の継続が困難な」サークルには、返金しますということですよね。

>言い方は悪いですがコミケは膨大な参加者に負担をかける事よりもひょっとしたらもうこの世にいないかもしれない参加者を切り捨てることを選択したとも言えるのです。

うーん……すみません、ちょっと分かりづらいのですが、「死んじゃった人のお金は着服しますんで、コミケは強行しまっせ」と読み取れるということですか?
一応、参加できない(亡くなっているであろう)方たちに対して、エクスキューズはしましたよ、だからコミケは通常どおりやりますよ…って事ですよね。
そのエクスキューズが気持ち悪い、というのであれば、分かります。

私の考えですが……コミケは、もともと小さな催しでしたよね。ここまで膨れ上がって神格化されてるのが、むしろ異常なんです。
ワンフェスは、初期のころをよく覚えていますが、学園祭みたいな規模でしたよね。
――もう一度、そこからやり直すぐらいの気概は、当然ありますよね?と、僕は思っています。

投稿: 廣田恵介 | 2011年3月28日 (月) 02時37分

>そのエクスキューズが気持ち悪い、というのであれば、分かります。
ええ、そう解釈してくだされば。
着服と言うと穏やかではないですが
キャンセル連絡がなければ普通に抽選にかけ
そのまま当選し、当日は誰も来ない卓が一日そのままになってそれでおしまい、で通ってしまう話ではあります。同人イベントってそういうのは普通にある事ですから。でも今回は慣例で済ませてはいけないと思うんですよね。
該当地区のサークルかどうかを調べる。今年の夏にどうしてもやると言うのならそれを調べてオープンにする事はやらなきゃいけない事だと思います。
>神格化
ええ、野球を引き合いに出したのも、その件を彼らに指摘したかったからです。例外は無いよ、と。

投稿: Miya-P | 2011年3月28日 (月) 07時42分

言い忘れてしまいましたが、ワンフェスは今回ので良い方向に変わるんじゃないかと期待しています。みんなが自分の創作したい物を作る、という方向になれば、どんなに規模が小さくなってもまったくかまわないよ、と思っています。

投稿: Miya-P | 2011年3月28日 (月) 08時25分

■Miya-P様
>でも今回は慣例で済ませてはいけないと思うんですよね。

それならば、非常に分かります。いつまでも「平時」の処理の仕方から、思考が離れられないわけですよね。
「コミケを中止するなんて、とんでもない」と、野球に反対した人たちに言わせない(笑)

だいたい、エアコンで電力消費するんだから、もう数十万人規模のイベントを夏に開催するなんて、やめたほうがいい。

「日本がこんなことになっても、オタクはやはりオタクなんだな」と、ガッカリさせられることがあります。
「今までどおりで何が悪いんだ」という傲慢さが見え隠れするのです。

>ワンフェスは今回ので良い方向に変わるんじゃないかと期待しています。

同感です。まるっきり刷新されるんではないか、と期待しています。
本当につくりたいものは何なのか、考えなおす契機になるでしょう。
もし参加者が減るのであれば、小さな会場でやればいいだけの話です。

投稿: 廣田恵介 | 2011年3月28日 (月) 12時27分

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