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2011年3月 9日 (水)

■0309■

滅多にアニメを見ない友人が、「子供を連れて行って、俺が泣いてしまった」という『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ天使たち~』を見てきた。
平日昼間の回だが、女性の一人客やアベックも、ちらほら。この歳になると、「子供がいない」のは、ちょっとしたコンプレックスだ。独り身なのは、別にいいんだけど。

まず、前半のつかみ、ロボットの描写がいい。アオリで、胸の辺りにピントが合っていると、手前にある足はピンポケ。フォーカスで巨大感を出している。
ビームで高層ビルを両断するシーン、ビルの裂け目から爆風が次々と吹き出してくるエフェクトが素晴らしい。『エヴァ』かと思ってしまう。メカとエフェクトは、サンライズ作品でおなじみの鈴木勤氏。『THEビッグオー』とか、いろいろやっている人。


あと、キャラの輪郭線に強弱があって、ところどころ途切れているのが気持ちいい。劇場版の『ドラえもん』って、ぜんぶこうなの? 大スクリーンだと、こっちの方が映える。
あと、しずかちゃんの瞳は、茶系のハイライトがひとつ入っているのがオシャレなんだけど、ゲスト・キャラのリルルの瞳には、黄色いハイライトが入っている。
110113_dra_sub5_2リルルが、小さいロボットを助けるとき、自分の胸から黄色いパーツを取り出して、それを相手に与えたと思うんだけど、違ったかな。その黄色いパーツがジェミニィ(良心回路)であって、その良心の名残りが、瞳の黄色いハイライトとなって残っている……と解釈した。

それで、リルルが最後に使うパーツは、しずかちゃんのくれた緑色のパーツだよね。あれが要するに、「地球」の象徴だと思うんだけど、違うのかな。


でも、いちばんグッときたのは、しずかちゃんがリルルとすれ違う(初めて出会う)カット。
Top_hlicon_110304_01雨上がりの下校時、しずかちゃんは道端の花に気をとられながら、傘をたたむ。――しかも、花にまじまじと見入るのではなく、もっと無意識に花のほうへ姿勢を傾けている感じ。官能的だよ、そのラフな仕草は。
このカットだけ、悲しいぐらいリアルなんだよ。

「なんで悲しい感じがするのかな」と思っていたら、ラスト近くに、もう一回、出てきます。そこで、最初のカットが「悲しい」意味も分かる。こういう、似たようなカットやシーンではさむ手法を「ブックエンド方式」というそうです。
ラストシーンも、綺麗だった。どうして、サブタイトルが「天使たち」と複数形なのか、ちゃんと意味がある。かっちり作り込んでるんだよねぇ……。


俺は、子供向け映画をオッサンが堂々と見に行くことに、抵抗をおぼえるし、しずかちゃんの入浴シーンにも、なぜかモヤモヤしません。
00301209003001_2(←だけど、これは、すごく良いと思う)

児童文化というものに、あまりキッチリと向き合ってないんです。
『ドラえもん』に、親にたいするエクスキューズは明確にあるけど、それは大人(こと未婚の成人男性)に向けられたものではないような気がする。

『新・鉄人兵団』の良さは発見できるけど、発見した自分を割り切れない。「ターゲットから外されている気まずさ」は、ぬぐい切れない。

明日は、映画『ほしのふるまち』の試写会に行く予定です。『その街のこども』も『若手アニメーター育成プロジェクト』も、明後日までか。きっついなあ。

(C) 藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2011

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コメント

息子が最近、ドラえもんにはまっちゃってます。
先週の日曜日に、一緒に映画館へ行きました。
でも、見た映画は別々で、私は午前十時の映画祭のダーティーハリーを。
廣田さんお勧めなら、息子と一緒に見れば良かったかなー。

投稿: 鷲 | 2011年3月10日 (木) 10時07分

■鷲さま
僕自身、『ドラえもん』には興味が薄かったのですが、変なスイッチが入ってしまったようです。

ひょっとしたら、絵でしらけるかと思ったんですが、絵が良かったです。

投稿: 廣田恵介 | 2011年3月10日 (木) 10時14分

廣田さま

>のび太は虚栄心・自己防衛本能などの性格的特徴が、バルター博士と完全に一致。

これを拝見して、思わず吹いてしまいました(笑)
確かに!最後の最後に侠心を見せるあたりも、それっぽい。
子供の頃からドラえもんはあまり興味が無かったのですが、ちょっと『新・鉄人兵団』は見てみたくなりました。

ところで、数日前、『fgにアフェリが貼れる』とコメされていたと思いますが、どうやるのでしょうか??
散々調べたのですが、どうにも分からんのです。
Amazonのアカウントは持っているので、ギャラクティカDVDを紹介をしたいです。

投稿: かまタロウ | 2011年3月10日 (木) 23時00分

■かまタロウ様
私も、『ドラえもん』の長編を映画館で見たのは、今回初です(中篇だけ見に行ったことはありましたが、長編は見ずに帰ったり)。

>最後の最後に侠心を見せるあたりも、それっぽい。

ははは、確かに(笑)。
でも、今回の『新・鉄人兵団』は、本当に『ギャラクティカ』ですよ。歴史は繰り返す…的な物語構造も含めて、かなり近い気がします。

>ところで、数日前、『fgにアフェリが貼れる』とコメされていたと思いますが、どうやるのでしょうか??

僕もあの後、ちょっと確かめてみたのですが、運営側でないといじれない様ですね……すみません。

でも、ついに最終回の「もうジャンプは無理」バージョンのギャラクティカを見られるんですね! 右舷デッキが損傷しているのは、内部でラプターが何機もジャンプしたせいもあるでしょうね。

投稿: 廣田恵介 | 2011年3月10日 (木) 23時18分

私、小学校3年でヤマト、6年でコナンに中学に入ってすぐガンダムでしたから、ドラえもんは完全に興味なくスルーだった人なんですが(^^;
「のびたの恐竜2006」を見てからお気に入りになってしまったんですよ。
最近お映画版はとにかく作画が気持ちいい、聞けばここかららしいですね。小西賢一さんの作画になったのは。シンプルなのに腕、脚の線に色気がある。動かすと更にそれが魅力的。
でも、これ上の世代に言ってもなかなか同意してくれる人いないんですよ(笑)
>キャラの輪郭線に強弱があって、ところどころ途切れているのが気持ちいい。
これ言うと作画が荒いと言われるし(えー)
キャラの細かい演技はそういう媚び売る様なのは要らない、だそうで(笑)
そんな事は全然ない、作画での良い演技付けだと思うんですけどねー。
ついでに言うと声優陣も今の方が良いと思ってる人なのでなおの事誰も同意してくれません。(^^;

という訳でこの映画も見てみたい気分はあるんですが、おっさん一人で劇場に行く勇気もないのでテレ朝チャンネルに降りてくるの待ちです(^^;
一度は劇場で見てみたいんですが。

投稿: Miya-P | 2011年3月10日 (木) 23時52分

廣田さま

>『新・鉄人兵団』は、本当に『ギャラクティカ』ですよ。

ますます気になります。しかしうちの子供はドラえもんを楽しむには幼すぎるし、やはりオッサン一人で観にいくのはちと辛いかも^^;
DVD待ちかなぁ・・・

>運営側でないといじれない様ですね

やはりそうですか。でもそれじゃぁ寂しいので、公式サイトへのURLを貼りました。

>ついに最終回の「もうジャンプは無理」バージョンのギャラクティカを見られるんですね!

『俺がやらずに誰がやる』って感じです(笑)
僕の場合、あれを作らないとギャラクティカへの想いを昇華できないような気がします。
最後のジャンプを終えてボロボロのギャラクティカの向こうに地球が見えたときの感動を
自分で作ってみたい。

>右舷デッキが損傷しているのは、内部でラプターが何機もジャンプしたせいもあるでしょうね。

ああ!そうでしたね!確かに壊れ方がちょっと他とは違うんですよ。納得しました。

投稿: かまタロウ | 2011年3月10日 (木) 23時58分

■Miya-P様
オッサンひとりで見に行っても、意外と大丈夫でした。窓口でも客席でも、もっと不審がられると思ったんですが、楽勝です。
『ドラえもん』映画の社会的認知度が、グッと上がったのかも知れません。

>聞けばここかららしいですね。小西賢一さんの作画になったのは。シンプルなのに腕、脚の線に色気がある。動かすと更にそれが魅力的。

それは、いいことを聞きました。じゃあ、『のび太の恐竜2006』から見てみたら、よさそうですね。
輪郭線の強弱は、シーンによっては(外注先が違うので)荒いところもありました。でも、フラットな動画の線より、ぜんぜん気持ちよかったですけどね。

>ついでに言うと声優陣も今の方が良いと思ってる人なのでなおの事誰も同意してくれません。(^^;

そうなんですか? 逆に、どうしていつまでも同じでないといかんのでしょうね。アニメ・ファンは、変化を嫌う傾向にありますよね。老いも若きも。

■かまタロウ様
映画館には、途中で飽きて泣いちゃっている子もいましたけどね(笑)
そういうのは、ぜんぜん気にならないです。私には子供がいないので、対象年齢がどれぐらいからか、ちょっと計りかねますが。

>でもそれじゃぁ寂しいので、公式サイトへのURLを貼りました。

拝見しました。本当に、一人でも多くの人に見て欲しい! 今度、スパドラで『THE PLAN』を再放送するそうですが……あれは一番最後でいい(笑)

>僕の場合、あれを作らないとギャラクティカへの想いを昇華できないような気がします。

もともと、模型をつくる気持ちって、そういうものですよね。
愛情を、感動を形にして残したい――。何か根源的な欲求だという気がします。

投稿: 廣田恵介 | 2011年3月11日 (金) 00時32分

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