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数年前に『装甲騎兵ボトムズ』をイッキ見したとき、サンサ編は「箸休め」という印象だったのだが、いま見ると一番いい。キリコをえんえんと追いつづけるゾフィーのエピソードなんて、絶対に西部劇か戦争映画に元ネタがありそう(水筒の代わりに酸素ボンベなんだろうな)。
で、サンサ編を始めるにあたり、アニメ誌で高橋良輔監督が「色彩に画期的試みをする」と語っていたような気がする。その試みとは、主役ロボを一色で塗りつぶすことであった。
(←タカラトミーのDMZシリーズより)
こうして見ると、立体映えはしないのだけど、映像ではマズルフラッシュと、その照りかえしをハイライトで描き加えて、効率的に迫力を出している。いかに「画期的」な映像かは、審美眼を試される。
ようするに、「主役ロボを一色に塗りつぶす」試みは、アニメ制作現場としては有り難いけど、玩具のスペック的には、もう何かを捨ててしまっているわけで、そのへんがモヤモヤする。
サンサ編に来るころ(放映半年後)には、もう金型代は回収できていたということなんだろうか?
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高橋良輔監督命名するところの「リアル・ロボット」のカラーリングが、実は『マジンガーZ』に準拠しているのは、『太陽の牙ダグラム』を見れば明らか。
上腕と大腿が、金属色なのね(写真は海洋堂のリボルテック・ヤマグチだけど)。
ようするに、合金玩具としては、金属の地金を露出したほうが、商品バリューにつながるんでしょう。超合金『マジンガーZ』の衣鉢を継いだのが、サンライズ「リアル・ロボット」の玩具カテゴリであった、という何やら複雑な話。
『戦闘メカ ザブングル』も『銀河漂流バイファム』も、主役メカは、上腕と大腿部が淡い色になっている。
その範にならわなかった『聖戦士ダンバイン』は、あっさり玩具スポンサーを潰してしまった(笑)。後番組の『重戦機エルガイム』も、白一色なんだけど、合金玩具は宣伝段階では地金を露出させた写真で、商品価値をアピール。全身一色は、玩具セールス的にはキツイんだってことね。
ロボット玩具というと、みんな「赤・青・黄色」というけど、あれは意外に玩具メーカーの首を絞めていたのではないか。パーツ数が、むやみに増えるから。
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で、2色に塗り分けられたスコープドッグを見るとモヤモヤするのは、単にザクのパクリっぽいからだね。やっと気がついた。
今月末発売の「モデルグラフィックス 5月号」では、タルカスの五十嵐浩司さんとあさのまさひこさんと僕が、こんなような話をしているような、してないような。乞うご期待。
(C)サンライズ
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コメント
こんにちは。
ボトムズで一番画期的と思ったもの、というか、子供には難解だったのが番組名でした。「ボトムズ」というロボットは出てこないけど、あれはどういう意味なのだろう? と。
bottomにsをつけてbottoms。それで「最低の野郎達」という意味だと知ったのは、放映が終わってから数年後でした。 ……凄いですよね。名付けた方も、それを許可した方も。
投稿: 浜長和正 | 2011年3月 9日 (水) 15時25分
■浜長和正さま
>bottomにsをつけてbottoms。それで「最低の野郎達」という意味
これは裏設定でして、bottomsでは登録商標が下りなかったようです。だから、欧文つづりはVOTOMSという苦し紛れな結果に。
あと、「装甲騎兵」というミリタリックな肩タイトルも、「とうとうここまで来ちゃったか」と感慨深かったです。
「ボトムズ」もそうですが、「エーティー」の意味についても、劇中では一切の説明がない。だけど、それを気にさせないところが素晴らしいですね。
投稿: 廣田恵介 | 2011年3月 9日 (水) 15時55分
>これは裏設定でして、bottomsでは登録商標が下りなかったようです。
そうなんですか。それは知りませんでした。
意味を知った当時は、「すごい! かっこいい! 大人だ!」 などと、無邪気に思っていました。といいますか、今でも、そう思います。
ただ、「玩具のスペック的には、もう何かを捨ててしまっているわけで、」を読んで、「もし、私がスポンサーとかの側だったら、タイトルだけでなくて、この企画にゴーサインを出しただろうか?」 などと、ちょっと考えてしまったんですね。 ……守りに入っているのでしょうか私は。やだなあ。
ゲームセンターで見た「ボーダーブレイク」というゲームに「初めて見たけど、どこかで見た」感じがあったのですが、リアル・ロボット路線の塗装は、行き着く先は迷彩になるのかもしれません。そうなると、玩具のメーカーは泣くのかも。
モデルグラフィックス、面白そうですね。
投稿: 浜長和正 | 2011年3月10日 (木) 23時27分
■浜長和正さま
プラモデルの解説書には「兵役レベルが最下層まで落ちたため、蔑称をこめて」みたいな説明があったので、公式な裏設定という感じでしょうか。
>「もし、私がスポンサーとかの側だったら、タイトルだけでなくて、この企画にゴーサインを出しただろうか?」
あの時代、イケイケ(死語)な空気みたいのがあったと思うんです。ちょっと前の深夜アニメで、オッパイ出してもボカシかければDVD売れるよね!的な。
今月末発売の「モデグラ」では、そんなような話もしています。
>「ボーダーブレイク」というゲーム
僕はプラモデルだけ見て、イメージの再生産的な部分も含めて、「けっこういいじゃん」と思っています。
だから、リアル・ロボットって、遠からぬところに袋小路があったんですよ。『ガサラキ』なんて見てると(10年前ですが)、もう身動きとれてない感じがして……。
投稿: 廣田恵介 | 2011年3月10日 (木) 23時40分