■0304 Down By The Salley Gardens■
俺の友だちが、結婚した。常に女につきまとわれているモテ男であったが、結婚後、萌えフィギュア、それも露出度の高いエロっぽいフィギュアを、好んで買うようになった。
彼が言うには、「AVの女優は撮られていることを意識しているけど、アニメのキャラはカメラの存在を知ることがない。だから、エッチさの純度が増す」。
ようするに、実写なら女優の肉体があれば事足りるけど、アニメというのは「被写体をつくる」ところから始めるわけで、そもそもの立脚点がない。欲情するから撮るのではなく、欲情するために撮る(創る)。
足場のないところに組まれた欲望の楼閣は、足場がないがゆえに魅惑的なんだ、という話。
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何だか、今の話ってフラクタル・システムみたいでしょ?
で、『フラクタル』7話です。吉野弘幸さんの脚本はハッタリが効いていて、番組のテコ入れと
しては大成功だったんじゃない? でも、俺の『フラクタル』じゃない(笑)。あんなイヤボーンな展開で、ドラマチックなレイアウトであって欲しくなかった。いや、番組への注目度という点からは、まことに結構な策だと思うんだけど。
昨夜は放送終了直後から、2時間にわたって山本寛監督と氷川竜介氏の対談が、Twitter上で行われた。なぜだが、俺の頭の中には『王立宇宙軍』のセリフが、飛び交っていた。山本監督の態度は、ロケットに乗る覚悟を決めた後のシロツグみたいだ。「俺はやめないぞ。いやになったヤツは帰れよ。俺は最後まで立派に、元気にやるんだ!」ってやつですね。
で、「物事には綺麗な終わり方があるだろう?」と、将軍をネチネチといじめる貴族たちが、『フラクタル』を好きでもないのに群がっている野次馬って感じかな。
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我々は、アニメを見るとき、ふたつのものを同時に見ている。ひとつは、視覚的欲望によってつくられた映像と、もうひとつは、その映像の連なりから読みとれる物語です。
で、最初に話したように、アニメの映像には被写体という物理的根拠がない。だから、アニメの感想って理念(物語論とかテーマとか)に陥りがちな気がする。
その視点に立つと、『フラクタル』は致命的なまでに穴だらけだと思う。じゃあ、俺は何を見てるのかっていうと、もっと表層なんです。前からずっと書いている芝居の部分です。どうしてこの構図なんだ、なんでこのカッティングだと気持ちいいんだ? そこに目を凝らしていれば、理念に足をすくわれなくてすむ。
少なくとも、全世界で俺一人だけは『フラクタル』に「芝居を見て欲しい」と頼まれているような気がする。根拠不在のアニメの中に、肉体ってやつを見てやろうじゃないか。それが「俺の」『フラクタル』のテーマなんです。
だから、昨夜の対談で監督が何を言っていようが、実はあまり関係なかったりする。テーマなんてものは、自分で見つけるものだから。
(C)フラクタル製作委員会
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コメント
廣田さま
『フラクタル』7話、僕はこの展開を素直に楽しめたのですが、廣田さんの
>でも、俺の『フラクタル』じゃない(笑)
というご意見も分かります(笑)
僕も、これまでと違う『期待通りすぎる展開』に違和感がありました。
また、廣田さんのテーマである『芝居の積み重ね』も少なかったように思えます。
でも番組的にはカンフル剤になったでしょうね。
>監督が何を言っていようが、実はあまり関係なかったりする。テーマなんてものは、自分で見つけるものだから。
作り手の意見でさえ雑音になってしまうケースはよくあると思います。
監督にどのような意図があろうと、視聴者自身が感じたことが全てだと思います。
あと、ブラックバード完成しました。
やはり黒の塗装は苦手です。。。
お次は・・・ギャラクティカ・ダメージバージョン(笑)を予定していますが、どこまで壊すか悩みどころです。
fgではモデラーというより、単なるギャラクティカ好きって感じになってますけど^^;
投稿: かまタロウ | 2011年3月 6日 (日) 23時39分
■かまタロウ様
う~ん……面白さの質が、他のアニメと同じというか、既視感があるんですよね。
展開が早いと、当然、ワンカットで分かるような絵づくりになってしまう。でも、その分、広いパイに訴求できる……総合的に考えれば、これで良かったんでしょう。
とにかく見てもらえないと、話にならないので。
>監督にどのような意図があろうと、視聴者自身が感じたことが全てだと思います。
監督が「ボーイ・ミーツ・ガール」と言ったら、みんなその言葉にとらわれてしまい、「いや、ボーイ・ミーツ・ガールになってないぞ」という感想が出てきてしまう。
……でも、それもノイズですね。「俺は好きなんだ」という気持ちがなければ、ただの野次馬ですから。
>あと、ブラックバード完成しました。
拝見しました。整備班のサインも、ちゃんとデカール再現されているんですね! 上り坂だった頃のガンプラのような「分かっている」キットですね。
ステルススターとの2ショット、確かに何人がこの“粋”を分かるんだ!?という。
ギャラクティカ・ダメージバージョンは、やはり最終回のあの姿を……って、スクラッチになってしまいますが(笑)
『ギャラクティカ』と『マイマイ新子』は、まだまだ布教が足りないと実感しています。
投稿: 廣田恵介 | 2011年3月 7日 (月) 00時07分
廣田さま
>う~ん……面白さの質が、他のアニメと同じというか、既視感があるんですよね。
あーシックリきました!
イヤボーンとかまさにそれですね。
7話は狙ってやったんですかねぇ??
>上り坂だった頃のガンプラのような「分かっている」キットですね。
全くです。
あのデカールを貼りたくてキット買ったようなもんです(笑)
>ステルススターとの2ショット、確かに何人がこの“粋”を分かるんだ!?という。
僕は廣田さんに触れて頂いただけで光栄ですよ^^
>ギャラクティカ・ダメージバージョンは、やはり最終回のあの姿を……
やはり・・・(苦笑)
もうひとつの候補は、アダマ艦長が悪酔いして見上げた星空からオーバーラップするシーン、最終決戦に挑むギャラクティカです。
ここ、好きなんですよ。
>『ギャラクティカ』と『マイマイ新子』は、まだまだ布教が足りないと実感しています。
『ギャラクティカ』に関しては、僕はfgで布教をしているつもりです。
『このカッコいいメカが登場するドラマってなに!?』って掴みが狙いですけど(笑)
そうそう!遅くなりましたが、『マイマイ』本の完成おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。
予約してからジリジリしてましたよ。もうすぐ届く!!
投稿: かまタロウ | 2011年3月 7日 (月) 00時36分
■かまタロウ様
吉野さんという脚本家は、キャラの属性だとか展開のお約束を、良くも悪くも大事にする方です。『フラクタル』に欠けていたものを補ってくれたと思います。
>もうひとつの候補は、アダマ艦長が悪酔いして見上げた星空からオーバーラップするシーン、最終決戦に挑むギャラクティカです。
あのシーンのつなぎ方、良かったですね。いつもゲータくんの言っていた「Action stations!」を、アダマ艦長自ら言うところもカッコいい。
>『ギャラクティカ』に関しては、僕はfgで布教をしているつもりです。
[fg]にも、ニコ動みたいにアフィリエイトが貼れるようですが、今、まったく関係ないゲームが(笑)。
騙されたと思って、『ギャラクティカ/序章』だけでも見て欲しいものです。これを見ている/見てないの差は、あまりに大きいです。
>『マイマイ』本の完成おめでとうございます。そしてお疲れ様でした。
ありがとうございます。しかし、出来れば本が売れてから……「DVDは買えないけど、これなら買える」という人にも、楽しめるようにしたつもりです。
投稿: 廣田恵介 | 2011年3月 7日 (月) 08時22分