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2011年1月19日 (水)

■0119■

COMIC ZINで、『メガゾーン23』同人誌「フェスティバル・タイムズ」再販がスタートしました……と紹介するつもりが、あっさり売り切れてしまいました。→こちら
7568_s1_l_2最新刊「2325」は、週間ランキング1位! まだ在庫ありますので、お買い求めはお早めに!

本人の口からは、絶対に言わないだろうけど、時祭組の編集長の苦労は、並大抵ではありません。執筆者には、メールだけでなく、イベントで直接会って交渉し、進行管理から誌面デザインまで、すべてひとりでやっています。もちろん、制作資金も自前で。

イベントに出展するときは、バイクに「イベント用ディスプレイ・セット」を搭載して来場、また、帰りぎわが素晴らしいんですよ。
コミケに出た人なら分かると思うけど、あまった本は、宅急便で送らなきゃならないでしょ。ダンボールをカッターでサクサク切って、すごい勢いで荷造りするんです。
見ているだけじゃ悪いから、「俺も手伝います」とカッターを借りたら、ぜんぜん切れないじゃん、このカッター(笑)。この人、どんだけ腕力あるんだよ、と。

そういう人がいるのに対してね、「誰か、こういう同人誌を作ってくれないかなあ」なんて、ぬけぬけと口にする、同世代の人間がいるんですよ。
僕らの世代って、第一次ガンプラ・ブームはあったし、「無ければ自分でつくる」精神が息づいていると思ったら、そんなことないんですね。いいオッサンが、人任せのクレクレ状態。たかが同人と言うなかれ。


前回、アニメは社会とコミットする必要はないと書いたけど、『フラクタル』は東浩紀さんがストーリー原案で参加しているせいか、時代相を見つめてやろうという意志は感じられるんだよね。
Wallpaper1024_768_01で、それが失敗するか成功するかは、たいした問題じゃないです。社会に相対してやろう、という意志が大事であって。

僕がヤマカンさんの仕事を、とにかく見ていこうと思うのは、彼が「優秀な演出家」だからではないです。志に惚れているから。
だって、みんな、その作家が「優秀だから」ファンなんですか? 僕は、その作家が次に何をするのか、いつも気になっているよ。
押井守さんも、『アサルトガールズ』は苦笑するしかなかったし、あの映画を無理して誉めたりはしないよ。だけど、あのオッサンの仕事は、決して見逃さない。スキあらば、取材するし。
才能あるなし、関係ない。「気になる人」っているじゃないですか。

『ゼロ年代の想像力』で、東浩紀さんが批判されたとき、腑に落ちたというか、「言われてみればそうだよねー」と、目からウロコだった。
でも、本人は、めげずにアニメ制作に参加してるじゃないですか。まず第一に、そこを認める。「その人が、何に挑んだか」を、僕は最優先に評価する。


もうひとつ、『カラフル』のような映画は、現状では受容されにくいと思っている。
驚いたことに、『マイマイ新子と千年の魔法』って、まだ映画館で上映するんですよ。→高知県・大心劇場

『マイマイ新子』は、シネコンの商法とはまったくソリが合わず、小さな劇場や公民館で、長い時間かけて興行しているわけですよね。しかも、DVDが出ようが、関係なく。
そこで、ハッとしなきゃダメなんですよ。「映画館は顔見せ、ソフトの売り上げで回収」というモデル以外の道を、模索するべきなんです。
製作委員会や興行会社、配給会社が「ウチは儲かった」「ウチは損した」レベルのことを言い合っている間は、何も進歩しません。

(C)フラクタル製作委員会

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コメント

メガゾーン23って、昔、ビデオを借りて見たことがあります。
それがまだ、続編が続いているのか?リメイクでもされたのか?と思いましたが、あの昔のアニメの同人誌が今頃発売されたのですか?
あのアニメの主題歌を歌っていた歌手、顔と声のイメージが合わないんだよな。

この後は、本当は下の話題に書くべきことなんですが、まとめて。

「宇宙へ。」のDVD、蔦屋書店で借りてきて、息子と2人で見ました。
息子も、興味津々で見てました。
アメリカの宇宙開発の失敗した歴史を、イギリスが特集してくれたんですね。
いや、失敗はするものです。
失敗は成功のもとですね。
しかし「宇宙へ。」、これを「そらへ。」と読ますのは、おかしい。

シネマガールズという雑誌も、アマゾンにオーダーしてしまいました。

アメリカのアマゾンにオーダーしてしまった、「ぼくのエリ」の北米版は、まだ届きません。
3週から2ヶ月とのことなんで、そろそろ来ないかな。

ところで、シネ・ウインドさんの、これからのラインナップを見ているのですが、今のところ、これは見たいという映画が無んです。
廣田さん、いかがですか?

投稿: 鷲 | 2011年1月19日 (水) 18時20分

■鷲さま
『メガゾーン23』の歌手は、宮里久美さんですね。確かに、ルックスは80年代のアイドル全盛期、山ほどいた子たちに埋もれてしまいますね。
同人誌は、25周年記念です。

>しかし「宇宙へ。」、これを「そらへ。」と読ますのは、おかしい。

「宇宙」を「そら」と読ませるのは、『ガンダム』が始めたことですね。だから、『ガンダム』以外では使うべきではないと、ずーっと思ってます。
でも、映画は素晴らしく良かったでしょう? 単純に、人類って、科学って偉大だなと感激してしまいます。

>シネマガールズという雑誌も、アマゾンにオーダーしてしまいました。

おお、ありがとうございます。あの本には、つづいて欲しいので。
『ぼくのエリ』は、皆さん、北米版ですね。映倫は、国内販売の営業妨害してると思うんです。

>シネ・ウインドさんの、これからのラインナップ

まず、『海炭市叙景』は必見です。
あ、『その街の子供』がやるじゃないですか! 未見ですが、絶句するほど素晴らしいそうです。

投稿: 廣田恵介 | 2011年1月19日 (水) 22時02分

横レスになりますが。
ガンダムが「宇宙」を「そら」と呼んだ祖としても、人々がそれを受けて「ああ、宇宙をそらって呼びたいな」とおもわなかったらここまで定着する事はなかったでしょう。
おかしいのかもしれませんが、僕はポエミィで好きです。

日本語は思いの丈を受け止める懐が広くて素敵だと思います。

投稿: てぃるとろん | 2011年1月20日 (木) 02時00分

■てぃるとろん様
この読み方自体は、すばらしい発明だと思いますよ。
ただ、「元ネタは『ガンダム』だ」と、誰かが言い続ける必要を、感じます。

スペースコロニーは知っていても、ジェラード・K・オニールを知らないのは本末転倒、文化の衰退を招きます。

テレビドラマが、海外の小説や映画のタイトルを頭悪くパクるのも、同じことですね。

投稿: 廣田恵介 | 2011年1月20日 (木) 09時04分

そうそう、宮里久美さんです。
そう、アイドル歌手のような写真だったのに、歌を聴いたらあれ?全然違うぞ、でした。

「宇宙へ。」ガンダムとは、まったく違うお話なんですが。
個人的には、事故の原因をもっときちんと解説して、それに対してどうゆう対策、改良がされたかにも焦点をあてて欲しかったと思います。

>まず、『海炭市叙景』は必見です。
>あ、『その街の子供』がやるじゃないですか! 未見ですが、絶句するほど素晴らしいそうです。

お奨め、ありがとうございます。

投稿: 鷲 | 2011年1月20日 (木) 10時49分

■鷲さま
>そう、アイドル歌手のような写真だったのに、歌を聴いたらあれ?全然違うぞ、でした。

はいはい。そのギャップに関しては、同人誌にも書いたのですが、作曲が中森明菜の『少女A』の芹澤廣明さんなんですよ。
でも、ルックスは聖子ちゃんカット……。

>個人的には、事故の原因をもっときちんと解説して、それに対してどうゆう対策、改良がされたかにも焦点をあてて欲しかったと思います。

その辺は『宇宙からの帰還』というドキュメンタリーの方が、詳しいです(アポロ計画までですが)。事故に関しても、もっとクールに説明していたと思います。
『宇宙へ。』は、雰囲気重視ということで、これはこれでいいと思いますけどね。

『その街の子供』、東京では写真美術館か、池袋シネマ・ロサという厳しい選択です。せめて、もう一館ほしいです。

投稿: 廣田恵介 | 2011年1月20日 (木) 11時13分

>はいはい。そのギャップに関しては、同人誌にも書いたのですが、

書いてあるのですか、すみませんが、私は買ってないんで、読んでません。
やっぱり、皆さん、ギャップを感じていたのですね。

>その辺は『宇宙からの帰還』というドキュメンタリーの方が、詳しいです

探してみたのですが、DVDは発売されてないドキュメンタリーのようですね。残念。

>『その街の子供』、東京では写真美術館か、池袋シネマ・ロサという厳しい選択です。せめて、もう一館ほしいです。

本当だ、東京でも2館しか上映してないのですね。しかも1館は映画館じゃない。
さらに、ご当地の兵庫ですら2館ってのが厳しいなー。
シネ・ウインド、偉いぞ。
あと、県外なんですが、「フォーラム山形」という映画館が偉いですね。
新潟のシネコンが無視しちゃった映画も、山形ではちゃんと上映しているんです。
新潟で上映予定が無くて、悔しいと思ってると、山形では上映するんです。
新潟にシネコンは4つもあるんですよ。
それなのに、話題作を4館ともで、何回も上映してて、ちょっと話題性のうすい映画は無視なんです。

投稿: 鷲 | 2011年1月20日 (木) 14時00分

『その街の子供』の予告篇見ましたならば、あかん、泣きそうになってしまいました。
んで、特報を見て、主演ふたりのコメントに、またもろ泣きそうになってしまったのでした〜。
自分は大阪で被災してはいないのですが、この地震はすごく身近だったし、ニュースや特番はすごく見ました。被災した人もまわりにはいました。
予告編でしくしくきてしまったのは、映画が報道とは違った形で心の記録をしっかり物語っているように感じたからかもしれません。

投稿: ユキサダ | 2011年1月20日 (木) 16時43分

■鷲さま
同人誌に書いたのは、ギャップというより、85年デビューにしては、少し流行おくれな感じがする…ということですね。

>シネ・ウインド、偉いぞ。

あそこの支配人さんは、ちゃんと映画を見て、考えて上映してくださってますからね。カンパせずにいられませんでした。
フォーラム山形も、『マイマイ新子』上映してくれましたね。

>新潟にシネコンは4つもあるんですよ。

シネコンは、映画のコンビニですよ。売れてる商品を買うのに便利、というだけです。
街の映画館には、残ってほしいです。僕も来週、吉祥寺バウスシアター、行ってきます。

■ユキサダ様
僕は、誰にすすめられたんだっけな。ドラマ版が放映された直後に「廣田さん、あれをアナタが見てないのは罪悪だよ」みたいに言われて(笑)

サトエリ、阪神大震災、それで「泣ける」というのが、いまだに分からないんです。しかし、だからこそ、おおいに期待しています。予想がつかない方が、いいじゃないですか。
はじめから「ハンカチをご用意ください」式の映画は、東宝配給にまかせておけばいいのであって(そういう映画も必要ですよ、業界にとっては)。

とにかく、未知のものを見たい、知りたいですね。

投稿: 廣田恵介 | 2011年1月20日 (木) 17時11分

そうか、シネコンというのは、シネマコンビニエンスの略だったのか!?
フォーラム山形も、シネコンのようなんですが。
「マイマイ新子」も上映したはずと思います。
私は、「マイマイ新子」を去年の正月に、フォーラム那須塩原まで見に行きましたから。

この映画見たいと思ったのに、新潟では上映予定が無いなと思って見ると、かなりの確率で、フォーラム山形では上映が有るんです。
フォーラムの経営陣も映画を見る目がある人のようですね。

今は、アメリアという映画が見たいのですが、これも新潟では予定無しで、フォーラム山形では予定が入っているんですよ。
行けたら、行ってみようかな。

シネ・ウインドさん、カンパまではしてないです。
いや、印度さんのカンパを代理で届けたけど。
それでも、会員にはなって、月間ウインドが届くのを楽しみにしてます。

投稿: 鷲 | 2011年1月20日 (木) 18時45分

■鷲さま
>そうか、シネコンというのは、シネマコンビニエンスの略だったのか!?

ああ、そうとも取れますね(笑)
店員が商品に無知なところも、似ています。

フォーラム・ネットワークは、市民出資による法人ですので、大手シネコンとは出自が違いますね。
シネ・ウインドさんと、思想的には近いと思います。たぶん、仲いいんじゃないでしょうか。

>それでも、会員にはなって、月間ウインドが届くのを楽しみにしてます。

そっちのほうが、カンパより偉いですよ。僕も2月売りの月刊ウインドは買いますよ!

しかし、印度さんは人にカンパを代理させたのですか(笑)

投稿: 廣田恵介 | 2011年1月20日 (木) 19時12分

>しかし、印度さんは人にカンパを代理させたのですか(笑)

いや、届けただけですよ。
マイマイ新子の後に、新潟駅前で飲んだでしょう。
印度さんは、新幹線の時間が迫ってて、先に帰らざるをえなくなって。
おつりは要らないと、大枚置いていったんです。
多すぎると言ったら、余ったら、シネ・ウインドさんにカンパしてくれと。
そのお金ですよ、ちゃんと、シネ・ウインドさんのカンパ箱に入れてきましたよ。

そういえば、印度さんの胃袋に入れるために頼んだ、わっぱ飯が、結局、廣田さんの胃袋に入ったのだったと記憶してます。

投稿: 鷲 | 2011年1月20日 (木) 20時31分

■鷲さま
ああ、思い出してきました。
「あの時、印度さん、いたじゃないか?」と不思議に思っていましたが、そういうことでしたか。
でもまあ、いい意味でアバウトですね(笑)

『新子』を上映してた頃だから、去年の4月か5月ですよね。
観客の美女2人が、記念撮影(?)に加わったりして、「ああ、『新子』の客層も変わってきたなあ」としみじみ思ったりしました。

最後に『新子』を映画館で見たのは、あれが最後じゃなかったかな……。
本を作るために、DVDは見ましたけどね。

投稿: 廣田恵介 | 2011年1月20日 (木) 22時00分

私も、「新子」を最後に映画館で見たのはあれが最後です。
もちろん、DVD買いましたし。
WOWOWにてHD画質で放送された分は、レコーダーのHDDに入ってます。
やっぱり、DVDより画質は良いです。
でも、本編よりもう一枚の方が面白い。
いきなり、印度さんの登場だもの。

>観客の美女2人が、記念撮影(?)に加わったりして、「ああ、『新子』の客層も変わってきたなあ」としみじみ思ったりしました。

その、記念写真は、支配人さんからデジタルデータでいただいてありますよ。
廣田さん、お持ちでないようでしたら、転送します。
mixiのメッセージで、ファイルを添えつけて送れる、メールアドレスをお知らせください。

投稿: 鷲 | 2011年1月21日 (金) 10時18分

■鷲さま
僕、『新子』は、川越スカラ座で見てますね。それが本当に最後の最後だったように思います。

>いきなり、印度さんの登場だもの。

僕も、メイキングで印度さんが出てきた瞬間、「あれっ、いつも俺の横でホッピー飲んでる人が?」って、盛り上がってしまって。
あれは本当に、お宝映像ですね。カットされた分も、ぜんぶ見たいです。

>その、記念写真は、支配人さんからデジタルデータでいただいてありますよ。

後ほど、メッセージ送ります。
支配人さんからデータいただいたんですけど、OSの再インストール時になくしてしまったので。

投稿: 廣田恵介 | 2011年1月21日 (金) 10時26分

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