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2010年12月27日 (月)

■アニメの特権■

時間ができたので、昼すぎ、ラピュタ阿佐ヶ谷に行って来た。昨夜、「新座のでかいポスター、また貼ってもらおうか?」と思ったけど、展示物が増えてると聞いたので、お邪魔かな、と思って自粛した。
101227_12350002『新子』本の取材の合間、エイベックスさんから見せてもらった「シャドーボックス」。同じ絵を何枚もズラして貼り込むことで、擬似的な立体に見せるという凝った工芸品。これも商品化されたら、いいんですけどね。

あと、『新子』本の一迅社がらみの展示物。チラシに「2月下旬発売予定」と書いてあったので、ちょっと延びた様子ですね。ごめんなさい。
原画やレイアウトが展示してありましたが、本に収録されるものもあれば、ないものもあります。いずれにしても、原画はカラーで掲載しますから、綺麗ですよ。
『マイマイが風にさわぐ日々』も置いてありましたが、これもデータを発掘してもらいましたので、掲載いたします。


ラピュタに行った一番の目的は、同人誌『防府にイマココ!』。オールカラーで300円、同人誌ならではのスピリットを感じます。写真も印刷も、また綺麗なんだ。
編集長の押井徳馬さんは、吉祥寺バウスシアターで『新子』ご覧になったそうで、すっかり好感。知っている執筆者が、お2人ほどいるのも嬉しい。


『STAR DRIVER 輝きのタクト』は、毎週見ている。
タクトくんが「この島のサイバディ(敵ロボ)は、僕がぜんぶ壊す」と決意したのに、今回はサイバディが復元可能になってしまった。「前に倒したはずなのに?」とタクトくんはビビるだろうと思ったら、何もいわずに破壊した。
「この島のサイバディは、ぜんぶ壊す」と宣言したからには、ただそうするだけなんでしょう。カッコいいっす。

僕は、このアニメの設定や世界観は把握できてないけど、舞台になっている島には、Story08_02 因習があるんでしょ? 「血筋が」とか「あの家は代々…」とか、そういう設定のベースを、タクトくんは「ぜんぶ壊す」わけですよね? おおいにやって欲しい!と願うばかりです。
若者は、大人のつくった価値観を壊してください。大人なんて、どんな善人でも、長生きしすぎれば老害です。

日本のアニメは、『ヤマト』『ガンダム』以降、ティーンに向けて、何かつくりつづけなければならなくなりました。ティーン向けにアニメをつくるのは、決して「売れる」からではなく……むしろ、この30年、どんどん売るのが難しくなっているわけですね。
ティーンに向けて「自由」と「解放」の物語を提示しつづけるのは、慣例でも習慣でもなく、アニメという媒体の背負ってしまった、義務のようなものです。大人を正当化した瞬間、アニメからは何かが抜け落ちていくんですね(実写映画の場合は、大人を描くと成熟と見なされるというのに)。
メディアにこもった良心のようなものが、「若者を解き放つ」物語をアニメに描かせつづけるのです。

僕は僕で、硬直化した古いシステムに戦いを挑み、老害を排します。だから、僕より若い人たちも、僕らを倒しに来てください。

(C)BONES/STAR DRIVER製作委員会・MBS

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コメント

編集追い込みの日々、じっくりと読ませていただきました。本当にお疲れさまでした。及ばずながら出版された暁には一冊買わせていただきます。それにしても追い込みの毎日はアニメの追い込みとそっくりですね。すでに私にはあの体力はもうありませんが、せめて老害にならないように気をつけるつもりです。

投稿: 石黒 昇 | 2010年12月27日 (月) 19時54分

■石黒昇様
大変おそれいります。本は、何冊かもらえると思いますので、お届けに上がります。
『パッテンライ!!』というみずみずしい作品を見せていただいたので、老害とは滅相もありません。

>それにしても追い込みの毎日はアニメの追い込みとそっくりですね。

アニメーションは、だんだんスタッフの数が減っていく感じだと思いますが、こちらは一人なので、気楽なものでした。
デザイナーさんが最後に入ってくるのは、アニメとは逆かも知れません。

投稿: 廣田恵介 | 2010年12月27日 (月) 20時27分

ずっと拝見しております。
こんな言い方は大変失礼なのですが、廣田さんが楽しそうに作業をされている様子を垣間見せていただくことで、こちらまでなにやら楽しくなってくるんです。
もちろん、その後ろに様々な気持ちがおありになるのは、ちょっとだけですが分かっているつもりです。
生意気言ってすみません。
心待ちにしております。
どうかお体に気を付けて。

投稿: silver_copper | 2010年12月27日 (月) 23時57分

■silver_copper様
半原作版(?)の貴伊子、かわいかったです。

>もちろん、その後ろに様々な気持ちがおありになるのは、ちょっとだけですが分かっているつもりです。

私がお金を出してつくる本ではありませんので、まったく自由ではありません。ただ、いつ切られるとも分からない立場から、最大限のワガママは言わせていただいてます。
その点、『防府にイマココ!』と競合しそうな企画ページは先に無くしておいて、大正解でした。ああいうものは、ファンの人たちが盛り上がって、自発的に作るべきものですからね。

その代わり、机の上で至福の時を一人占めできたことも、また事実なんです。
お気遣い、ありがとうございます。発売が延びてしまったようで、申し訳ありません。

投稿: 廣田恵介 | 2010年12月28日 (火) 00時49分

本日より防府滞在です。廣田さんの新子関連の記事を防府で読むといつもとちょっと違った気分です(笑)
新子本の発売日延期は何か思惑があったりして…と勝手に想像。
私は廣田さんの製作日誌のページも合わせて保管しようと思っています。
出来上がって行く過程をのぞけるのは楽しかったです。
ありがとうございました。

投稿: kyasリン | 2010年12月29日 (水) 14時30分

■kyasリン様
防府ですか。防府には、来年5月ぐらいに行く予定ですよ。

>出来上がって行く過程をのぞけるのは楽しかったです。

まだまだ、これからデザイナーさんの手によって、本の形を整えていくのです。
綺麗な本をつくる方なので、どういう仕上がりになるか、また楽しみですよ。

投稿: 廣田恵介 | 2010年12月29日 (水) 15時47分

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