■雨の月曜朝■
『マイマイ新子と千年の魔法』公開から、丸1年が経過した。
昨夜、『新子』を見に行ってくれた女性から「廣田さん、あんなに頑張ったのにね」と言われたけど、頑張ったんじゃなくて、耐えていたんだよね。人に言われて、気がついたよ。
あれから一年、また本業とは関係ない、ややこしい事をはじめてしまって、苦労している。
ほら、『十三人の刺客』の冒頭で、役所広司がのんびりと釣りをしているでしょ。でも、凄惨な現実を知ってしまったから、彼は死に場所を見つけて、武者ぶるいするわけですよね。
安全なところで釣りを楽しんでいるのと、血気にはやって立ち上がるのと、どっちの生き方がいいですか?って話です。
当然、後者のほうが自分にウソをつかなくてすむし、悔いも残らないけど、壮絶にツライわけですよ(笑)。
あの映画で、立ち上がったのは十三人。でも、残りの侍たちは、釣りをつづけていた。それが現実です。
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土曜は、『行きずりの街』を見てきた。谷村美月が出てくるシーンで、なぜか涙が出てきた。でも、大丈夫。これで原稿が書けるぞ。
ところで、上映前に定食屋でメシを食おうと思ったら、土曜夜のせいか、カップルが多くて席を探すのに苦労した。そもそもが清潔な店なので、女性の一人客もちらほら。
やむなくカウンター席についたのだが、横では、すでに食事を終えた男性二人が、お茶を飲みながら会話を楽しんでいた。どうやら、携帯の画像を見せ合っているようだ。
「おーっ、こんな画像どうしたの?」「エロゲのサイトで拾った」「そういえば、エロゲ声優って……」「○○(アニメのタイトル)の主演声優が、こっそりエロゲに出てたら、それはそれで萌え」……
よく噛んで、ゆっくり食べようかと思っていたけど、逃げるようにして店を出た。話題もさることながら、会話の合間に入る「ふおおおお!」みたいな掛け声?だか合いの手みたいのが、どうにも我慢できなかった。
……あのなあ。この店、カップルも来るよ? 若い女性客だって、反対側に座ってるよ? 俺みたいなハゲたおじさんが横に座ったから、油断したのかも知れないけど、話題は考えようよ。
エロゲの話を一切するなとは言わないけど、公の場では不快に思う人間が多いんだ。「どこで何を話そうが自由」「偏見をもっているほうが悪い」――果たして、本当にそうなのか?
だって、会話の内容さえ聞こえてこなければ、「仲良さそうな友達」って感じで好印象だったよ?
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その少し前のことだが、電車の中でサッカーのユニフォームを着て、音楽のリズムに乗ってるイケメンがいたよ。それだけでもイラつくのに、途中から後輩と合流するや、「○○ちゃんって、彼氏いるのかな?」「あんなの、ヤリマンじゃないですか?」――俺がブチ殺したいのは、そいつらの方なんだよ(笑)。
でも、彼らの趣味やワイ談を規制しようとする法案はないわけ。そんな世の中だからこそ、どうしてオタク趣味に弾圧の目が向いているのか、いま一度、考えてみたい。
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