■届かないかも知れない石■
先週の三鷹市役所の「あなたの仕事は無職です」発言を受け、寝不足のまま、立川某所へ。
「11年も文筆業されてきて、確定申告を出してこられたんですよね? でしたら、それが信用になりますよ」
「いえ、三鷹市は信用してくれませんでした。それどころか、無職と呼ばれたのですが」
「税金を収めてきた人が、無職のわけがない。三鷹市役所には、私から注意しておきます」
よろしくお願いします、と頭を下げて、たぶん次のフェーズに進めそう。
やはり、ある企みを持っていてる知り合いから「自由業って、パチプロみたいなもんなんですかね」と言われた。そうかも知れない。狩猟民族。モデラーのときもそうだったけど、「コレ一個つくったら、自分の口座に、その分のお金が入る」って、分かりやすいじゃん。
下手くそになったら、注文が来なくなる。それも分かりやすい。
でも、17歳のころにモデラーとして初仕事して、友達に「そんなの仕事とは呼べないよ」と言われ続けながら、大学でて、就職もせずにモデラー業だけで貧乏暮らしして……社会と接点、なかったんだよね。
ほんの短い就職期間も、サンライズとゲーム会社のみ。ずーっと揺りかごから抜け出てない。ずーっと、子供のまんま。それじゃダメなんだ、と今回は痛感した。
つまり、「アニメーションの雑誌? そんなもの、あるんですか?」という年配の異業種の人に出会って、それでやっと「アニメ文化」(なんてものがあるとすれば)の社会的認識度が、分かった気がする。説明するの、すごい大変だから。
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今月中に片づけなきゃいけない仕事のため、映画を見はじめる。まずは『マリア様がみてる』。
映画館、こんなディスプレイになってた。
平日昼間なのに、30人ぐらいの入り。原作ファンでしょうな。波瑠が目当ての客は、俺ぐらい?
ロケ地(ロケセット)が良かったので、低予算なのは、そんなに気にならなかった。低予算というのは、映画の味わいだから。貧乏をバカにしてはいかんですよ。
波瑠は、三白眼なので、半目びらきになると、すごく妖しい目つきになる。不健康。『女の子ものがたり』の元気な役もよかったけど、まだまだ、いろんな役が出来そう。
あと、滝沢カレンがいいアクセントになっていた。でも、女子高生に見えないよ、あなた(笑)。銀座のホステスだよ。
クライマックスが文化祭の演劇なんだけど、舞台そのものは映さない。古いほうの『櫻の園』だな。
ただもう、あの頃の日本映画のように、無理する必要はないんだ。評論家にほめられなくても、ちゃんと客はいますから。全部で3人ぐらいかと思ったら、前後左右に客が座って、窮屈なぐらいでしたから。
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俺の『マリみて』をこんな風にしやがって……という人もいるだろうし、俺もよく分からない箇所が多かったけどさ、「けっこう原作に忠実だった」と語ってる客もいたし、呉越同舟でいいじゃない。
違う意見同士でかたまって、遠くから届かないかもしれない石を投げ合うの、いい加減にやめよう。
「誰得」とか言ってないでさ、自分の知らない価値観が、この世に厳然とあることぐらいは認めなきゃ。
帰りに、新しいほうの『櫻の園』借りてきた。似たタイプの映画はつづけて見たくないんだけど、仕事だからね。
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