■『けいおん!!』23話も、面白かった■
水曜日、『ガンダムUC』第2話の試写会から帰宅、寝不足だったのか、泥のように眠った。
木曜午前は時間があったので、録画してあったアニメを消化しようと思って、『けいおん!!』23話。これが、21話とは別の意味で、緊張感にあふれていた。
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学校という場所は、いろいろと障害物があります。
例えば、23話のアバンで梓たちが廊下で話しているけど、柱が手前にあって、全身は見えない。後半、梓が部室の前に立つと、階段が手前にくる。
人物が、背景に遮られるカットが多いと、「学校は狭い」という印象を与えます。基本的に、授業時間中のシーンでは、人物の手前に、何かしら入ってます。職員室で先生と話すシーンでも、フレームの下側に本が並んでいるから、窮屈な印象を与える。
だけど、放課後の軽音部の部室は、遮るものがない。←画像が小さくて分かりづらいけど、こういうレイアウトばかりでしょ。
いちおう、お茶を飲むための机や椅子があるんだけど、セルで描かれているから、障害物とは感じられないわけです。
どういうことかっていうと、「放課後の部室には、邪魔なものがない」、自由で開放感があるってことです。
セリフではなく、カットを組み上げることで、「この部室だけは特別だ」と言っている。
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ところが、部室にも障害物があります。それは、演奏スペースの手前にある長椅子。よく、梓が荷物を下ろしている、あの長椅子。
23話では、あの長椅子が、けっこう邪魔なんです。先生が入ってきて、長椅子ごしに唯たちの演奏を見てるでしょ。ここ、他のカットより、大きく長椅子が入っている。ちょっと目障りなぐらい、大きく入れている。
梓が頻繁に荷物を下ろすことからも分かるように、あの長椅子は、年齢や立場を別かつ分水嶺なんだよね。だから、学校に残りつづける先生と、卒業する唯たちは、長椅子で遮られなくてはならない。
開放的な部室にも、実は精神的な距離が生じることがある。それを、長椅子ひとつで表現している。カッコいいですね。
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先生が、唯に「演奏の録音、手伝おうか?」と申し出るんだけど、唯は断る。すると、長椅子が画面から消える。(←画像が小さく、申し訳ないです)
唯たちが主体性を発揮した瞬間、ただひとつの障壁だった長椅子は、不要のものとなる。
彼女たちの姿が、テレビを見ている僕らの前に「ズン!」と迫ってくるわけですよ。この一体感は、ライブのシーンより、ずっと強烈な気がする。
……というわけで、私は『けいおん!!』の絵コンテ集がほしい。これだけ学ばせてくれるアニメ、なかなかないよ。
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『ぼくのエリ』問題は、後日まとめて。
(C)かきふらい・芳文社/桜高軽音部
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