■バカになり切れてない■
友達に「自分の本なんだから、宣伝しなきゃ~」と言われたので、同人誌版「550 miles to the Future」。通販分は完売したそうですが、まだ、「まんだらけ マニア館」と「COMIC ZIN」に、一冊ずつ残っているそうです。
それぞれ、本の内容の紹介はこちらとこちら。それぞれ、「売り切れ」「購入不可」となっていますが、店頭なら買える、とのことです。
見かけたら、よろしくお願いします。ワンコインで買えますんで。
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7月は、とにかく会えるだけの人に会っておこう、と決めた。
なので、昨日、某社社長とお会いしたところで、「ご相談」期間は終了。非常に有意義な一時間だった。
話の終わりごろ、ちょっと『宇宙ショー』の話が出た。
「夏紀というキャラクターに、自分は一体感を感じてしまい、それは萌えとかいうより、精神治療的な何かであった気がします」……と切り出してみたところ、真剣に聞いてもらえた。
「それは、40歳を過ぎても、アニメを見ているという問題も含めて、だよね」と、話を継いでいただき、とても嬉しかった。
この件に関しては、初めて専門家の意見が、聞けたものだから。
女性キャラクターに己を重ね合わせてしまう心理は、たとえば、テーマパークで可愛らしいぬいぐるみに入っている間だけ、自身が解放されると語るスーツアクター、あるいは「男の娘」のアイデンテイティとも直結してくる気が、している。
遠いようでいて、一本の線じゃないだろうか。
これらを、「倒錯」「変態」で片づけていては、それこそ、文化の息の根がとまる。
当事者たちが、強い意志で語りついでいくべきだと、僕は思う。
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とはいえ、相変わらず、女優が好きで、今はその関係の原稿を書いている。
3分の1ぐらいまで書いたが、どうにもバカになり切れてない。女性編集者に「男って、バカだなあ」と言われたら、私の勝ち。
よって、この原稿は破棄して、新たに書き直そう。
『おにいちゃんのハナビ』の予告を見たけど、谷村美月は、ちゃんと20歳の顔になっていて、一安心。週末、テレビで『サマーウォーズ』やるんだよね。
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コメント
こんばんは。
>女性キャラクターに己を重ね合わせてしまう心理は、たとえば、
>テーマパークで可愛らしいぬいぐるみに入っている間だけ、自身
>が解放されると語るスーツアクター、あるいは「男の娘」のアイ
>デンテイティとも直結してくる気が、している。
昔、ネットゲームをやっていた頃、「ネカマ」と呼ばれる、そうい
う人は、たくさん居ました。
彼ら(彼女ら)の行動をじっと見ていると、大雑把に分けて2種類、
「女の子の形が好きな男」と、「女の子の形以上のモノを求める
男」が、いたような気がします。
話はやや飛躍しますが、「女の子の体を手に入れても、男の子のよ
うに冒険や敵を求め続ける男」と、「女の子の体を手に入れて、
(恐らく)上手くいかなかった学生生活を取り返したい男」の違い
って、何なのでしょうね。
目黒強さんという方が、「戦う男の子(戦わない/戦えない男の
子)は、あまりに冷遇されている」と書いておられていました。
サイトにある日付を読むと、それは2000年に書かれた文章なのです
が、今は、どうなのでしょうか。
「電脳空間で大暴れしてもなあ。。。」と、「サマー・ウォーズ」
を映画館で見た時は、面白いと思えませんでした。
ですが、今思えば、「男の子が大暴れするような場所は、もうコン
ピューターの中しかないのでは?」と考えると、映画の印象がガラ
ッと変わったんですね私は。
ある時期から書きにくくなった冒険小説の主要なテーマのひとつに、
「失われた自己の復権」、「未だ得られぬ自己の獲得」というのが
あるそうです。
あまり詳しくはないのですが、物語の中にある冒険には、人の力で
はどうしようもない、自然・戦争・災害などの脅威が、必要なのか
もしれません。
「サマー・ウォーズ」を面白いと思っている10代に、話を聞いてみ
たいものです。
とりとめなくてすみません。では。
投稿: 浜長和正 | 2010年8月 5日 (木) 15時58分
■浜長和正さま
言われてみれば、『宇宙ショー』のクライマックスで、男の子2人は宇宙船から銃を撃つだけで、肉弾戦で敵を倒したのは、女の子2人でした。
男の子が闘うには、ハリー・ポッターのように「選ばれし者の刻印がある」とか、「実は封印された能力がある」とか、エクスキューズが必要になっています。
ハリウッド映画が低調なのは、いまだに成人男性が、マッチョな肉体を保ちつづけているから…という気がします。
『アバター』の主人公は、仮想の肉体を手に入れて、ようやく走れ回れましたよね。
>「女の子の体を手に入れても、男の子のように冒険や敵を求め続ける男」と、「女の子の体を手に入れて、(恐らく)上手くいかなかった学生生活を取り返したい男」の違い
前者は、自己実現できている人じゃないですか? 「女の子の体、ルックス」はプラス・オンの要素であって、かなり贅沢な欲求ですよ。
後者は、ずっと深刻ですね。さしもの僕も、過去をやり直したいとまでは思いません。
この歳になっても、「残りの人生を理想的に生きよう」とあがいてます。
『サマー・ウォーズ』は、バーチャルな世界では武闘派の少年を、女優が声をあてて、中性的なイメージに落とし込んでいるのが、ポイントですね。
二重に、殻をかぶっている感じがするんですよね。
投稿: 廣田恵介 | 2010年8月 5日 (木) 16時49分
念のために書きますが、「上手くいかなかった学生生活を~」は、
廣田さんのことを言ったわけではなくて、ここの文章を読んでいて、
ネットゲームで出会った人達の事を思い出したんですね。
あと、廣田さんがネカマといっているのでもないのです。ゲームで
感じた事をうまく言葉にできないのですが、性と願望の違い、とい
えばいいのでしょうか。「女になりたい」というよりは、「キャラ
になりたい」というような。そのキャラの元の形の多くは、アニメ
や漫画から来ている気がします。
当時は大雑把に「ネカマ」「ネナベ」と言われていましたが、様々
な人がいました。
私はゲームそっちのけで、他のプレイヤーと世間話をしていたので
すが、人は仮の姿だと素が出やすいようで、ぽろっ、ぽろっと、
色々話すんですね。結果、いろいろ聞きたり見たりしました。
「家族といても楽しくない」といったプレイヤーの、キャラクター
の外見と行動が、父性を思い起こさせるものだった、という事が、
強く記憶に残っています。
彼(彼女)が意識してその姿を選んだか、ただの遊びなのか、願望
なのか、私にはわかりません。ただ、アニメの演技に強く影響を受
けていました。
自分の事を犠牲にしてまでも、右も左も判らない初心者に、やさし
く指導する姿を見ていると、ただの娯楽を越えた何かが、あるよう
に思えてなりません。
少数でしたけどね、そういう人は。けれど、心のどこかに「彼らに
なんて言えばよかったのだろう?」という部分が、あるのかもしれ
ません。私が5日に書いた文、疑問形で書くつもりは無かったので
すが、読み返してみたら「あっ」。
投稿: 浜長和正 | 2010年8月 6日 (金) 17時49分
■浜長和正さま
いえいえ、大丈夫ですよ。
勝手に「僕は、そんなことない」と答えたのにも、何か理由があるのでしょう。本当は、やり直したいのかも知れない(笑)
こちらの誤読から、むしろ話が広がった気がします。
>「女になりたい」というよりは、「キャラになりたい」というような。
なるほど、なるほど。
リアルに、女性としての人生をまっとうしたいわけではないんですね。
美しさを保つ努力や、老いと戦うことまでは、したくないってことでしょうか。
>そのキャラの元の形の多くは、アニメ
や漫画から来ている気がします。
それは単に、人生経験の不足だと思うんです。妄想のリソースが足りてない、というだけでしょう。
だけど、それは責められません。少ないリソースを使ってまで、女性化したいという心理が大事であって。
>「家族といても楽しくない」といったプレイヤーの、キャラクターの外見と行動が、父性を思い起こさせるものだった、という事が、強く記憶に残っています。
面白いですね。
「ゲームは、単なるシミュレーション」と、すっかり興味を無くしていたのですが、そういうシミュレーションならば、本人にも、意味があったのかも知れません。
格闘ゲームをやるときは、よく女性キャラクターを選んでいましたが、それはグラフィックを見たいというより、マッチョな男性キャラに、自分を一体化させられなかったからです。
アニメでもそうですが、自分の細かな好みや癖を、あまりにもあっさり、見過ごしてきた気がします。
投稿: 廣田恵介 | 2010年8月 6日 (金) 19時56分