■『けいおん!!』21話が、面白かった■
先週は、やたら飲みに出歩いていて、ほとんどアニメを見てなかった。
ようやく見れたのが、『けいおん!!』 21話。絵づくりというか、演出が良かった。
このアニメは、複数のキャラをフレームに収めるので、バスト・ショットが多い。(←これこれ。こういうカットが多いはず)
ところが、今回は、唯の髪の毛のクローズアップから始まる。いや、正確には、唯のベッド→机の上に広げられたヘアカタログ→部屋全体の引き。キャラがいない。空舞台、3カット。
その後が、髪をすく唯の手。足元に、登校カバンがある。これ、完全なトメ。次が、髪をすく唯なめ鏡の中の唯。でも、顔は映らない。執拗ですね。キャラの顔を出さない。髪の動きだけ。しかも、安易なリピートでなく、適度に変化つけてるところが、なんともゾワゾワッとくる。
その次のカットが、洗面化粧台のパン・アップ。で、ようやく唯の正面顔が映るんだけど、鏡の中なんですよ。このシーン、「生」の唯は、横顔ぐらいしか出ない。「鏡の中の正面顔」だけで、40秒ちょっとの長回し。挑戦的だ。
長回しといっても、実際は、アクションとばして3~4カットなんだけど、「髪をいじる」芝居を40秒。髪の毛って、「残し」があるから、めんどくさいはずなんですよ。
だけど、それを徹底してやっている。
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もうひとつ、部室で、唯が自分で前髪を切ろうとするカット。これも良かった。
唯の見た目だから、画面に大きく前髪が入っている。奥には、4人のキャラがいるけど、ピンが外れている。
このカット、10秒ちょっとだけど、「ハサミで前髪を切る」芝居だけ、見てきたように描いている。しかも、慎重に、ちょっとずつ切っていく。その、じれったい時間の流れ。
このカットだけでも、見たほうがいいよ。
その後、「もうちょっと切りたい」と唯が言う。また唯の見た目なんだけど、今度は、奥のキャラたちにピンが合っている。唯の前髪はボケ。今度は、奥のキャラたちに芝居の主導がうつるからね。
その次の、唯がクシャミするアップも、上手い。タイミングが上手い。こんなところに、枚数を使う心意気がいい。
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あと良かったのは、職員室で唯たち3人が、進路希望用紙を先生に提出するところ。
進路希望が通った瞬間、廊下で聞いていた紬が、小躍りするんだけど、先生のセリフがオフで続いている。その臨場感ね。
職員室でも廊下でも「同じ時間が流れてる」んだよ。
この回の絵コンテ・演出は、北之原孝将。アップと引きの絵の使い分けが、上手い。
だからね、アニメの面白さっていうのは、やっぱり、絵づくりなんだよ。カットの効果であり、作画の工夫であり……みんな、そこを見てなさすぎる。
「ストーリーがない」とか、見えやすいところしか、見てないんだもん。
(C)かきふらい・芳文社/桜高軽音部
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