■7月のメモ「夏紀・2」■
EX大衆8月号 15日発売
●ガンダム「一年戦争」のすべて
順調にアンケート上位に食い込み、この雑誌の『ガンダム』ページも、3回目。今回も4C、フルカラー!
一年戦争のさまざまな作戦を取り上げたけど、「アプサラスの基地は日本だ」と監督に聞いた覚えがある……街並もそうだし。高速道路あるし。
だけど、最近の資料を見たら「チベットのラサ」だって。いつから、そんな設定になったっけ。『ガンダム』は難しい……。
そして、9月発売号では、ついに「あのアニメ」を特集します。白をやりすぎたので、次は黒、ということで……。
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しつこく、『宇宙ショーへようこそ』の夏紀のこと。
僕は初見時、彼女を中学生だと思ったし、小学5年生とわかった後でも、わざと「14歳」と書いた。
小学5年は、思春期には早すぎる年齢だが、夏紀の葛藤は、思春期的だと思う。
●彼女はいい歳をして、変身ヒーローに憧れている。
●彼女は従姉妹にたいして、お姉さんらしく振る舞うよう、演技している。
これは「かくありたい自分」と、現実の自分との間に、ギャップを抱えているということだ。そして、彼女が葛藤を克服し、従姉妹と仲良く出かけるシーンが、この映画のラスト。つまり、彼女の成熟、あるいは前向きな妥協をもって、この映画は「完」となる。
(夏紀の部屋の変身ヒーローのポスターは、現実のヒーローであるポチのイラストと入れ替わっていたはずだ)
小学5年生という設定はさておき、夏紀の思春期的葛藤が、僕の思春期的欠落と、うまく結びついたのだと思う。
物語が、「夏休み」というモラトリアムのまま、終わる点にも、注意しておきたい。
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浜長和正さんの、非常に興味深いコメント。「アートというのは、結局セラピーに包含されていく」。
商業アニメは、アートではなく娯楽だと思うんだけど、表現物であることには、かわりがない。
だから、ざっくり言ってしまうと、アニメで可愛いキャラを見たり、綺麗な背景美術を見たりするのは、セラピー(心理療法)じゃないか。
「ふざけるな、俺は病気じゃない!」って人が多いだろうけど、アニメを見て「救われた」って人、けっこういるんじゃないだろうか。
少なくとも、僕はいま、自分とアニメの内面的関係に、気がつきはじめている。
なんかね。頭の悪い萌えアニメがやってても、腹が立たなくなった(笑)。それで、救われる人が、いるのなら。
もっと言うと、特撮などの児童文化に熱中したり、超合金などに何万も出してしまう大人たちも、自分の子供時代と和解しようとしているんじゃないか――そんな風に、思える。
じゃあ、なんで男性のほうが多いのか。さっきの浜長さんのコメントにあったように、「女性のほうが、近しい人生目標の中で満足できる方法を知っているんです」。
僕も、そう思う。
女性は、いきなりホームランを打てる。男性は、ヒットを打ってから、一塁、二塁……と回っていかなきゃ、ならない気がする。
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今は、「アニメはセラピーになり得る」と言うと、反発のほうが大きいと思う。セラピストの方たちには申し訳ないけど、「セラピー」という言葉自体に、やや胡散臭さがあるから。
それに、「セラピー用アニメ」をつくる!とか、誤解されそうだし(笑)。そうではなく、アニメには、まだ大きな可能性・有用性があるんじゃないか?という話です。
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本日は、あるアニメ誌の編集長(というか、今は経営者?)にお会いして、夜は悪だくみの仲間と酒。飲みながら、悪だくみ。
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