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2010年7月17日 (土)

■7月のメモ「Let the Right One In」■

仲里依紗のイメージDVD。仕事の役に立つと思い、中古で購入。
100717_21550001一応、短編映画が何本か収録されているのだが、途中に仲さんが江ノ島へ旅する――というドキュメント・パートがあったので、驚いた。
あたかも、90年代AVのように、インタビューが挿入されているのも、違和感。

確かこれ、企画から2年もかかって、発売されたのが09年。07年時点では、まだアイドル扱いだったわけだ。
ホントにこの人、いろんな目に合ってるなと思う。


それでも、一本目の短編映画は、なかなか出来がいい。無論、シンプルな物語なのだが、完璧な必然性に支えられている(脚本は、一般公募)。

全編、ハンディで撮影されているのだが、そのせいか、演技がうまく繋がっていないところがあった。でも、それがとても綺麗。
仲さんが、背後に置いてあるペットボトルをとりながら、セリフを喋る。これを2カットに割る。セリフ優先で編集したらしく、ペットボトルをとる仕草が、つながっていない。2回、同じ芝居をしているように見える。
ところが、ここのセリフがけっこう重要であるため、シーン自体、非常に美しい印象をのこす。狙ってやった演出だとしたら、見事というしかない。

映画の「生っぽさ」は、こういうところに現れるのだと思う。映画の本質は、決して「ストーリーのオチ」になど、存在していない。
自分でたくさん見て、発見していくしかないんだよ。


『ぼくのエリ 200歳の少女』のことが、頭から離れない。
Poster_lettherightonein_1主人公は、まだ12歳なのに、一生の生き方を決めてしまった。それは、修羅の道だ。
相手につくすことが無上の喜びならば、この生き方は悪くない――どうしても、言葉にすると陳腐になるのだが――全世界を敵に回してでも、2人の関係を維持する。そんな恋愛だか、友情だかなら、残りの人生をすてる価値がある。

先日の記事では誤解を招いたかも知れないが、『ぼくのエリ』は、そんな映画です。

ハリウッド版は、『クローバーフィールド』の監督がリメイクするそうで、単なるホラー映画にならないか、非常に心配。
たとえ同じロケ地、同じカット割りで、同じ俳優を使っても、同じ映画にはならない。映画というのは、そういうもんです。


25日は、ワンダーフェスティバル。今回こそ行くつもりだったのに、その日は徳島へ取材。何かに遠ざけられ、自らも何かを遠ざけつつ、残る人生はすり減っていく。

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コメント

あらら、徳島ですか。今度こそお会い出来ると思っていたのですが・・・残念

投稿: Miya-P | 2010年7月18日 (日) 23時04分

■Miya-P様
そうなんです……別に、ねらってその日にしたわけじゃないんですけど、どうしても、この日程なんです。

一目お会いするだけで、ずいぶん印象ちがうと思うのですが、残念です。

投稿: 廣田恵介 | 2010年7月18日 (日) 23時10分

徳島ですかー
隣だからこの日じゃなければ高速をかっ飛ばして行くのに残念です

投稿: キサ | 2010年7月19日 (月) 00時15分

■キサ様
地理的には、こっちが近くにいくことになるんですね。
でも、入れ違いになってしまいます……。すみません。

投稿: 廣田恵介 | 2010年7月19日 (月) 03時01分

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