■6月のメモ「静かな会話」■
バンダイチャンネルで、明日18日から、『ゼーガペイン』が無料配信されます。
といっても、6話まで。7/12までなので、BD化プロジェクトの後押しとして企画されたのでしょうが、すでに2千人分の予約は集まっているそうなので、BD化は決定ですね。
でも、僕はライトユーザーに広まってほしいので、今回のストリーミングは賛成です。
ストリーミングでアニメを見ることが習慣化しているかは疑問だけど、「そんなに盛り上がっているのなら」と、興味をもってくれる人が増えることの方が大事であって。
ソフト化が、作品の墓場とならぬよう、祈るばかり。
■
ソフト化といえば、来月で『ギャラクティカ』も完結。
最終話「黎明期」は、いただいたサンプル版でも3話構成、スパドラのサイトを見ても3話構成(全21話)なんだけど、DVDは2話構成(全20話)になっている。
……DVDでは、最終話だけ90分となっているので、スパドラでは、単に放送時間枠の都合で、2話に分けたらしい。なるべく、放送したのと同じ状態で欲しいんだけどなあ。ところで、『ギャラクティカ』S4は、レンタル版のジャケットが、すごくいいんです。
でも、DVD-BOXを買っても、このビジュアルは手にはいらない……。ポストカードのような形でもいいから、手元に残せないものだろうか。
グレメカでの連載のおかげで、ジャケットの画像データもお借りできるんだけど、そういうことじゃなくてね。
■
眠れない夜は、ケーブルで邦画を鑑賞。池脇千鶴の代表作『ジョゼと虎と魚たち』。印象的なシーンだけ見返そうと思っていたら、結局、すべて見てしまった。
この映画は、結婚している頃に、妻が「見たい」と言い出し、2人とも傑作だと思ったのに、それを語り合える言葉がなかった。2回ぐらい見たように思ったけど、やっぱり「良かったね」とさえ、言わなかった気がする。
そりゃあ、離婚もしますわな。
■
池脇千鶴は、ジョゼという役を生きたんだ、と思う。
どのシーンでも、カメラの存在を意識してない。何かをつくるよりも、何かを捨てることが女優の仕事じゃないか、という気がしてくる。
撮影も編集も、初見時に比べて、ずいぶん荒く感じたんだけど、ジョゼが初めて旅行に出るとき、ブックオフが映るんですよ。でっかく「本」と書いてある。
ジョゼは本が好きなので、ちょっと嬉しかったんじゃないかな、と想像したりしてね。
いや、適当に撮ってきたフィルムを繋いだのかも知れないよ? でも、そういうアンビギュイティ、「そうかも知れない」という解釈の多様性を、心の中に持っていたい。
映画のテーマは、つねに自分の人生の中に存在している。
■
またもやキャバクラ話で、恐縮です。
友達から「近所に来ている」と電話があったので、原稿も一段落したし、居酒屋で語らってから、真夜中のタクシーで、いつもの店へゴー。
もう3回も指名しているのに、嬢の顔が覚えられない。「あれ、この前と別の子じゃないの?」と口に出してしてしまう。
酔いにまかせて、ホラ話をしていたら、「話したこと忘れるのはいいけど、ウソはやめて」と真顔で言われた。「……わかった、ごめんよ」とシュンとなってしまった。
前にも書いたとおり、「約束を守る」。これが、キャバクラという世界で唯一、美しいルールだからだ。
この嬢とは家が同方向なので、いつも2人でタクシーで帰る。「でも、今日はお店の車に送ってもらうよ」と言われ、またもやシュンとなる。
ところが、しばらくすると、不意に「やっぱり、タクシーで送ってくれる?」と言い出した。理由は分からない。一緒に帰ることが営業なら、営業でも構わんさ、と思う。
玉川上水ぞい、白々と明けはじめた、ほの明るい並木道を走りながら、近所のスーパーマーケットの話などする。
ああ、こんな静かな時間を買うために、今夜があったのだな、と納得する。
相手がキャバ嬢であれ、僕がボッタクられているのであれ、こんな静かで平和な会話は、もう、何年もしたことがなかったような気がする。
| 固定リンク
コメント
ゼーガの場合、「6話まで見て!」が基本なので「6話まで配信」は有り難いというかよくわかってるという感じでしょうか。
先日、「宇宙ショー」の冒頭22分放送を関東のみですがやってみたり、ブラックラグーンの25話のみ放送が予定されていたりしますし、このスタイルは今後増えそうですね。新子もDVD発売前にやってみてはどうかと。
22分だと貴伊子の家に新子が行くあたりまでですか・・
投稿: Miya-P | 2010年6月17日 (木) 07時40分
キャバクラのお話、とても興味深いです。
お嬢さん方とお客さんがどんな風にコミュニケーションをとっていくのか、どんな流儀や作法が存在するのか……
私はおそらく一生行く機会が無いと思いますので、知らない世界を垣間見せていただいてます。
もし私がハマるとしたら、猫カフェでしょうか。
遠隔地にあるため月一しか行けませんが、近くにあったら絶対通っちゃいます。
Σ(゚д゚) ハッ 遠隔地に月一通ってる時点で既にハマってるのか?もしかして……
投稿: やや矢野屋 | 2010年6月17日 (木) 09時37分
■Miya-P様
『新子』は、すでに「丸ごと見せます」がありますよね。でも、あれだけで、すべて見た気になっちゃう人が多いので、どうなのかなあ。
『宇宙ショー』22分は、スペシャル番組につぐ新しい試みといえるかも知れません……と思ったら、普通のスペシャル番組もやるんですね。
作品によると思うんですよ。さっさとDVDを売りたい作品は、劇場公開はお披露目程度だったりしますもんね。
■やや矢野屋さま
月イチなら、まだ大丈夫ですよ(笑)
キャバ通いの人のブログを読んでいるんですが、「楽しければ何でもいい」という人もいれば、真剣に恋愛している人もいます。
もちろん、下心ムンムンの客もいます。
けっこうなお金を使うので、客は「得した」と思いたいんですよ。何をもって「得」とするか、そこに人生観が出るように思いますね。
ちなみに、女性客でもOKというキャバクラもあるらしいです。
投稿: 廣田恵介 | 2010年6月17日 (木) 14時22分