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2010年5月25日 (火)

■5月のメモ「The Face of the Enemy」■

プラモデルのボックスアートや、『創聖のアクエリオン』『マクロスF』の特殊効果で知られる天神英貴氏の個展が、来週月曜(31日)まで、開催されています。
1496524319_73私も、風邪さえ治ったら、すぐに駆けつけます。
(いま、喉が腫れていて、会話すらできない状況なのです)

テアトル新宿へ『武士道シックスティーン』を見に行くついでに、行ける会場だしね。待ってろ、天神さん。


夏のアニメで気になっているのは、『みつばちハッチ』。
T0008601q何しろ、チラシのデザインとキャッチコピーの一体感が、すばらしいもの。
(←ぜひ、クリックして拡大して見てほしい)

横書きのコピーは、視点を左から右へ誘導する。その視点移動に、絵を絡ませ、さらに物語をも含ませている。

チラシ一枚の力に、ねじふせられた。
他の人がどう感じようと、この映画と僕との関係は、こうして始まる。

心配なのは、配給会社が「梅」なんだよね。また「朝一回のみの上映」にならなきゃいいんだけど。


先日、「オヤヂ酒場」収録のとき、藤津亮太氏に教えてもらった『エリン・ブロコビッチ』を、借りてきた。
B000r8x9zs3人の子供をかかえたママが、ある小さな事件をキッカケに、何の専門知識も経験もないくせに、巨大な不正と対峙する。

もちろん、僕は即座に、新座での上映活動を重ね合わせた。
社会的・歴史的意義や規模は違っても、その過程で出会う理不尽さは、とてもよく似ているのだ。

この映画を、活動をはじめる前の彼女たちに教えなくて、よかった気がする……いろんな意味で。
一方で、僕が見るには、遅すぎる映画であった。
(アカデミー賞受賞作も、偏見をもたずに見ておかないとね。心の奥から勇気の出る映画だった)

つまり、主人公のエリンは、はっきりと「敵」の輪郭を、うきぼりにした。
僕は、戦うべき相手の顔すら、直視しようとしなかった。


なぜ、我々は「誰かのかわりに」頭を下げたのだろう。「誰かのかわりに」貯金をつかって、宣伝費にあてたのだろう? 「誰かのかわりに」怒鳴ったり、怒鳴られたりしたのだろう。

失敗し、誤算し、シッポを巻いて逃げ出した連中のかわりに。
彼らは、私の携帯電話に、ぬけぬけと電話してくるくせに、自分のメールアドレスすら、教えようとしない。
「こちらから、うかがいます」と申し出ても、「会社の中で話すようなことじゃない」と、訪問をつっぱねた。
今になっても、波のように心がざわめくのは、あの時、狂犬のように、食らいつくことが出来なかったからだ。

その後悔だけが、ナイフのように薄く、だが深々と、心臓を貫いている。
そのことに気がついたのは、彼らがあの映画に何をしたのか、ようやくヒントらしきものをつかんだからだ。

少なくとも「宣伝がふるわず……」などという、単純なことではない。


池田憲章さんが、先日の「バラエティ」誌の記事を、カラーコピーして送ってくださった。
100525_16210001蝶々や草花まで切り抜いてある。とても美しい誌面だ。

何枚か余分に入っていたのは、どなたか関係者に……という、池田さんのお心遣いであろう。

私は評論家ではないが、いい作品を埋もれさせることなく、世の中に伝えていきたい。眠らせていい作品など、この世にあるはずがないから。

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コメント

明るい部分だけ見ていれば楽しいです。
でも、今回は暗い部分から目をそらしたくないのです。
ですから、まだしばらく読ませていただきたいと思います。

投稿: silver_copper | 2010年5月25日 (火) 22時52分

「何をしたのか」気になる。
蝶の上の赤い文字は何が書いてあるのか気になる。
のど、お大事に。熱が出ないといいですけど。

投稿: kyasリン | 2010年5月26日 (水) 00時52分

■silver_copper様
いくつかの映画館に、『新子』上映の話を持っていったとき、「配給会社があそこなら、嫌です」と断られました。

フィルムのレンタル代が、やけに高いのが主な理由ですが……それだけではないらしい、というのが、今ごろになって分かってきました。

■kyasリン様
推測の域を出ないので、明言は避けます。
どちらにしても、私やあなたは、町の小さな映画館との交渉を、せざるを得なかったでしょう。

蝶の上の赤い文字は、「マイマイ新子は、シンプルな友情物語と見せかけておいて、実は、感情的な深みを描いています」。
こんな意味のことが書いてあります。よく分かってらっしゃいますよね。

喋れないと、買い物にも困るし、何も注文できないし、大変です。
幸い、熱は出ていないのです。ありがとうございます。

投稿: 廣田恵介 | 2010年5月26日 (水) 04時31分

喉、濃い緑茶でうがいしてみて。
ビワ茶送ろうか?すごい効くよ(予防でも)

そうそう、まあなんていうか....関わった全ての人が笑顔であってほしい....本当に。だって、「この映画が好きだ」「沢山の人に良さを伝えたい=笑顔が見たい」という思いは一緒なわけでしょ?
そうあるために、どうしたらいいのか...どう変わっていけばいいのか考えて「実行しましょうよ!」
金だけで動き、判断するのだけはもうやめましょう!
私は、できると信じています。

投稿: ごんちゃん | 2010年5月26日 (水) 12時25分

■ごんちゃん様
緑茶でうがい、友達にも勧められたので、やってみる。

>思いは一緒なわけでしょ?

配給会社は、違うと思います。
少なくとも、私の知っている範囲の中では、違います。
しょせんは、卸問屋にすぎないのか……と、暗澹たる思いにとらわれます。

さっきから何度も何度も、書き直していますが、あまりに問題が複雑かつ不透明で、書ききれません。

投稿: 廣田恵介 | 2010年5月26日 (水) 13時49分

何事も裏と表。
悲しみと喜び
冷たさ暖かさ。

今回のことで、一つ大人になりました。
華やかな舞台の裏では、辛い思いをしている人がいるかもしれない。

映画界の裏事情、、、問題は根が深そうですが、
自分らしいやり方で、何かやっていけたらなあ〜ってちょっと思っています。

投稿: ごんちゃん | 2010年5月27日 (木) 05時54分

■ごんちゃん様
誰かにスポットが当たれば、同じぐらい努力したと思っている人は、傷つく。

何もかもコインの表と裏であって、優しさと憎しみを同じ一人の人間が、抱いている。
そんなややこしい事態を、今回は目の当たりにしてしまった。

今回の件にかかわったある人が、「結果はどうあれ、犠牲が大きすぎた」と言っておられたけど、そうかも知れない。

「美しいお話でした」では、とても終われないと思う。だから、僕は「10年後にまた見よう」と、時間に解決をまかせることにしたのです。

投稿: 廣田恵介 | 2010年5月27日 (木) 06時11分

遅くなってしまいましたが、先日その辺廣田さんから多少教えて頂いていたので、複雑というか心が痛い気分で読んでいます。作品の味方であると思っていた人が、味方じゃない状況。最初から何かがおかしかった。何故上映の度に走り回ってるのが片渕監督なの?という状況。結局最後までそうでしたものね。関西から見てても、伺い知れない歪みは多少感じていましたが、関東で頑張っていた皆さんはそれどころじゃない難しい状況とのきつい戦いに直面していたんだなと思うと、結局外からそういう物を見ずに騒いでた自分の能天気さに腹が立つし、何かもっとその場に立って力になれる事はなかったのかと思います。だから、そこに何があったのかを察する事が出来る様には、もう少しアンテナを張っておきたいと思っています。

投稿: Miya-P | 2010年5月29日 (土) 01時27分

■Miya-P様
いえ、関東勢だって、何も知らずに「この状況を何とかしたい」としか、思っていませんでしたよ。
今にして思うと、配給会社に、署名が相手にされないのも、道理なんです。向こうからは、ママゴトのように見えたでしょうから。

>最初から何かがおかしかった。

おっしゃるとおりです。11月末の大敗は、僕は、なかば人為的なものだと思っています。もっとも、状況証拠しかないので、陰謀論だといわれてしまえば、それまで。

しかし、なぜ配給が「梅」だと、各地の映画館が嫌がるのかぐらいは、皆さんにもリサーチできますし、考えてほしいところですね。
何人かのファンと情報交換してみましたが、配給・興行のシステムが分かってないと、話が進められないんです。
そんなの、古本屋で「映画ビジネス」とついた本を買えば分かるのに、いつまでテーマがどうの、演出がああだって、暢気な話ばかりしてるんだろう?と。
営業サイドからすれば、「熱烈なファン」こそ、いいカモなんですよ。

「まあ、そういう業界ですから」で納得していたら、また同じことが起きる……と、それだけを危惧しています。

投稿: 廣田恵介 | 2010年5月29日 (土) 02時00分

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