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2010年5月28日 (金)

■5月のメモ「新宿彷徨」■

ようやく喉がよくなってきたので、テアトル新宿で『武士道シックスティーン』を見て、そのあと、マルイアネックスの「天神英貴WORKS 出版記念展」へ。
100528_16150001こんな狭い会場?と思った人、騙されたと思って、来てみるといい。
モニター内の画像は、無限大だよ。ものすごく寄った、ほとんど筆跡が輪郭線からはみ出してるぐらいのアップから、ちょっとずつ引いていく。

これは、絵を描いたことのある人間なら、「分かる」感覚じゃないかな。
立ち上がって、カンバスから離れて、出来具合を確認する感じ。すごく手描きっぽいニュアンスを、デジタル技術で体験できます。


個展の素晴らしさはもちろん、何人かの方と知り合ったり、再会したり……と、濃密な時間だった。
天神さんとは、ややブラックな話題。今度は、もうちょっと明るい話、しましょう(笑)。
あと、『メガゾーン』同人誌にも参加した、エイドリアン氏。もう3度目ぐらいだと思うけど、今日は『アクエリオン』の話してたよ。

隣接している「模型ファクトリー」も、マニア臭の薄い知的な空間。いきなり、動物の骨の写真集なんかが、売ってる。かっちょいいです。


さて、『武士道シックスティーン』。
『山形スクリーム』と『罪とか罰とか』を見てから行って、大正解だった。成海璃子、新境地開拓。
100528_16060001劇場入り口にサイン入りポスターがあったけど、成海のサインは、仲里依紗と別の意味で、ぐちゃぐちゃ(笑)。なんか、こういう人は信用できる。

徹頭徹尾、アイドル顔でアイドル芝居の北乃きいに比べ、成海はキッチリと、映画に食われている。映画のために終始、無表情。映画のために、ドスのきいた声でしか話さない。

そこに立っているのは、「成海璃子に似た誰か」であって、成海璃子ではない。


ようするに、『武士道シックスティーン』という物語の展開する日本には、「成海璃子という女優」は、いないんですよ。『ガメラ』の世界に、亀という生物がいないのと同じ理屈。
O08001118104566196361怪獣映画が、怪獣の実在を観客に信じさせなければならないのと同じ原理で、女優は役を実在させ、撮影された映画の中から、自分自身を消去せねばならない。

だから、僕は、「見て見て、私の演技、すごいでしょ」って顔してる女優には、興味ありません。技術にしか、興味がない。
成海璃子の視線の険しさは、技術であり、技能だから。
「自分を殺し、役を生かす」。もう一度いう。「自分を殺し、役を生かす」。それが、女優という仕事であって、僕は映画を見るというよりは、女優たちのお仕事ぶりを見に行っているんだと思う。


もっともっと語りたいのだが、『マイマイ新子』関係の原稿を書かねばならない。
たった400字だけどね。

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コメント

どなたかとの対談で
「どれが本当の自分なのかわからない」
と話していたのが成海璃子ちゃんだったような。
(確信ないのにコメントするな?)
そんな彼女ならではの素質もあるのでしょうか。
良い意味で「ユニークで変な子」のイメージでした。
「対談用の自分」だったようですが(笑)

投稿: kyasリン | 2010年5月29日 (土) 18時15分

■kyasリン様
あ、はいはい。言ってました。
僕は自分も執筆している「シネマガールズ」という本で読みましたけど、あちこちで言ってると思います。

仲里依紗も、「自分を失くしたい」というようなことを言ってました。
そういう、自意識と対決している人こそが、女優であって、我が強い人は向いてないような気がするんです。

投稿: 廣田恵介 | 2010年5月29日 (土) 19時01分

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